韓国、電子入国申告書の項目削除へ 台湾の反発受け「実務的配慮」を強調

2026-04-01 16:58
韓国の国旗「太極旗(テグッキ)」。(資料写真/AP通信)
韓国の国旗「太極旗(テグッキ)」。(資料写真/AP通信)

韓国の電子入国申請システムにおいて、台湾側の強い反発を招いていた「中国(台湾)」という表記が、近く申告の様式を変更する見通しとなった。『聯合ニュース』が韓国外交部(外務省に相当)当局者の話として伝えたところによると、政府内で密接な協議を行った結果、「電子入国申告書にある『直前の出発地』と『次の目的地』の2項目を削除する方針で調整を進めている」という。

外交部当局者は、今回の決定について「台湾人旅行者の利便性向上と出入国手続きの簡素化を図り、紙の申告書と電子版の書式を統一するためだ」と説明。すでに法務部などの関連部局に修正案を提出しており、システムの改修作業に着手していることを明らかにした。

現行の韓国の入国手続きでは、紙の申告書には当該項目が存在せず、電子申告時のみ入力が義務付けられている。今回の措置が実施されれば、電子版も紙版に準拠する形となり、当該項目自体が全面廃止される。なお、この変更は台湾に限らず、韓国に入国する全ての外国人渡航者に適用される。

台湾側による「居留証表記変更」を用いた対抗措置が影響か

​この問題を巡っては、1年以上にわたる外交上の駆け引きが続いていた。2025年2月以降、韓国側が電子入国申告書のメニューで台湾を「中国(台湾)」と表記したことに対し、台湾外交部は「台湾の地位を矮小化するものだ」として強い不満と抗議を表明してきた。

対する台湾側は、今年3月1日に強硬な対抗措置を発動。韓国人に発行する外僑居留証(外国人登録証に相当)の国籍表記を、従来の「韓国(Republic of Korea)」から「南韓(South Korea)」へと変更した。さらに、韓国側が3月31日までに前向きな回答を示さない場合、台湾側の電子入国申告システムにおいても同様の報復的な標記を行うと警告し、圧力を強めていた。

韓国が新たに導入した電子入国申告システムでは、出入国の国籍選択において「China(Taiwan)」の表記が依然として変更されていない。(システム公式サイトより引用)
韓国が新たに導入した電子入国申告システム。国籍の選択項目では、依然として「China (Taiwan)」の表記が維持されている(画像/公式サイトのスクリーンショットより)

「行政の最適化」強調で中国への刺激を回避

​台湾側が設定した期限当日である「3月31日」にシステム調整が発表されたことについて、韓国外交部当局者は政治的な色合いを打ち消す構えだ。

同当局者は「これは純粋に技術的かつ行政的な最適化措置である。台湾側の最後通牒に応じたというよりは、韓台間の『非公式な実務協力』を促進するための努力と解釈されるべきだ」との見解を示した。

項目自体を廃止するという今回の「巧みな解決策」について、専門家は「特定の国(台湾)にのみ特権を与える形を避けることで、中国側からの外交的な反発や副作用を最小限に抑える狙いがある」と分析している。これに関連し、韓国外交部当局者も「中国側とは互いの関心事項について、常に必要な意思疎通を維持している」と強調した。

編集:梅木奈実

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