トップ ニュース WTOデジタル貿易協定、暫定措置で早期運用へ 世界貿易の7割に初の共通ルール、コスト削減と予見可能性を確保
WTOデジタル貿易協定、暫定措置で早期運用へ 世界貿易の7割に初の共通ルール、コスト削減と予見可能性を確保 WTO加盟66カ国がデジタル通商の共通ルールとなる電子商取引協定の暫定措置を採択し、デジタル経済の成長と信頼性向上に向けた国際基準が動き出す。(写真/AP通信社提供)
カメルーンのヤウンデで開催されている第14回世界貿易機関(WTO)閣僚会議(MC14)において28日、日本、オーストラリア、シンガポールが共同議長国となり、日本を含むWTO加盟66カ国・地域が「電子商取引協定(E-Commerce Agreement)」の暫定措置を採択した。本協定は世界貿易の約70%をカバーする世界初のデジタル通商ルールの基本セットであり、デジタル経済における企業のコスト削減や消費者の信頼向上を目指す歴史的な一歩となる。
デジタル取引の円滑化と信頼構築に向けた共通ルール 電子商取引協定は、電子署名や電子認証の法的有効性の容認、電子支払いの枠組み整備、紙ベースの貿易書類をデジタル化する「ペーパーレス貿易」の推進など、デジタル取引の円滑化を柱としている。
また、インターネット上の電子的送信に対する関税賦課の禁止を明記し、ビジネスの予見可能性を確保したほか、サイバーセキュリティの強化やオンライン消費者保護、スパムメール対策などの信頼構築に向けたルールも盛り込まれた。
早期実施を優先、GDP押し上げ効果は約1380兆円 試算 今回の暫定措置は、協定をWTOの法的枠組み(附属書4)へ組み込むための全加盟国のコンセンサスが依然として得られない中、早期実施を優先するために採用された。協定の発効には、採択した66カ国のうち45カ国による国内手続きの完了と受諾書の寄託が必要となる。
WTOとOECDの調査によれば、本協定の未実施により毎年約1,590億ドル(約25兆円)の貿易機会が失われているとされる。将来的には世界のGDPを2040年までに8.7兆ドル(約1380兆円)押し上げる経済効果が見込まれている。
日本政府代表による声明 共同議長国を務める日本の茂木敏充外務大臣は「このイニシアチブは成長著しい世界のデジタル貿易を一段と促進し、WTOのルール形成機能の重要性を体現するものだ」と歓迎の意を表明した。また、山田賢司経済産業副大臣は「多国間枠組みにおけるWTOのルール形成機能の成功を示す節目であり、ビジネスコストの削減が期待される」と述べた。
共同議長国および参加国は今後、自国の国内手続きを迅速に進めるとともに、未参加のWTO加盟国に対して協定への参画とWTO法的枠組みへの正式な組み込みに向けた働きかけを継続していく方針だ。
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