台湾の最大野党・国民党の主席弁公室は30日、中国の習近平国家主席からの招待を受け、鄭麗文(てい・れいぶん)主席が4月7日から12日にかけて訪中団を率いて中国を訪問すると発表した。鄭氏は招待に感謝し、これを受諾した。
鄭氏は同日午前11時に国内外向けの記者会見を開き、「中台関係の平和的発展の推進、交流・協力の促進、台湾海峡の安定、そして民生の向上に向け、共に努力していきたい」と今回の訪問の意義を説明した。
10年ぶりの党トップ訪中へ 4月の「鄭習会談」で注目される核心的議題とは?
鄭氏は記者会見の中で、2005年に当時の連戦(れん・せん)主席から入党を要請された経緯に言及した。それは連主席による歴史的な「アイスブレーキングの旅」を支援するためだったという。当時、訪問団の報道官として初めて中国本土の地を踏んでから20年以上が経過した。
鄭氏は、当時の連主席が示した勇気、決断力、そして大局観が「国共プラットフォーム」の礎を築き、中台間の重要な対話メカニズムとして、平和維持に不可欠な役割を果たしてきたと強調した。
さらに、その後の馬英九(ば・えいきゅう)政権下の8年間において、中台関係は平和と安定を享受し、各方面での交流が活発化。台湾の国際的な活動空間も全面的に開展し、中台間で極めて稀な「外交休戦」が実現した歴史を振り返った。
「92年コンセンサス」と「台湾独立反対」の堅持
国民党の現職主席・鄭麗文主席は、前回の国民党主席による訪中から10年が経過したことを踏まえ、「中台の平和と安定に向けた成功への第一歩を踏み出したい」と決意を述べた。
かつての連戦氏や馬英九氏から現在の自身に至るまで、訪中の根底にあるのは「台湾独立への反対」と「92年コンセンサス」という共通の政治的基礎であると指摘。「台湾独立に反対することで戦争を回避でき、92年コンセンサスを堅持することで平和を築ける」との持論を展開した。
鄭氏は今回の訪中スタンスについて、92年コンセンサスの基礎において「一分(いちぶ)も増やさず、一分も減らさない」不変の姿勢を強調。中台は必ずしも戦わなければならない運命にあるわけではなく、一触即発の危機も必要ないと、台湾市民と世界に向けて証明したいと語った。自らの知恵と努力により、地域の安定と次世代の幸福のために「平和への道」を切り拓く決意を示している。
観光・経済・文化交流を促進、台湾にもたらされる利益とは
鄭氏は、連氏の訪中以降、「92年コンセンサス」と「台湾独立反対」が国民党の党則に明記されたことに言及。これが国民党の一貫した両岸(中台)路線であり、馬政權の8年間でその正しさが証明されたと説明した。
この路線は党則のみならず「中華民国憲法」の規定と精神にも合致しており、さらには長年の同盟国である米国を含め、国際社会が「一つの中国」政策を掲げ「台湾独立を支持しない」という共通認識を持っていると指摘した。米国においては、どの政権であっても一貫した明確な立場が示されているとし、「台湾海峡が動乱の火種となることは誰も望んでいない。米政府もまた、中台が対話を通じて対立を解消し、悪意の連鎖や戦火の拡大を防ぐことを求めている」との見方を示した。
最後に鄭氏は、これが台湾の主流民意が切に願う共通の期待であると強調。今回の訪問を通じて中台関係に「和やかで暖かい春」をもたらしたいとし、互いの善意を広げ、相互信頼を積み重ねることで、将来にわたる持続的な平和の礎を築きたいと語気を強めた。
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編集:平松靖史 (関連記事: 【舞台裏】「中台交流」の旗手・馬英九氏はなぜ豹変したのか 側近更迭の激震、孤立を深める鄭麗文主席と北京の次なる一手 | 関連記事をもっと読む )










































