米最高裁、トランプ関税を「違憲」判断 各国との貿易協定は白紙化か、政権の「プランB」にも波紋

2026-02-26 11:30
2026年2月20日、米連邦最高裁判所が大統領による「国際緊急経済権限法」に基づく関税徴収を違憲と判断した後、記者会見を開くドナルド・トランプ氏。反対した判事を批判し、新たな法的根拠による徴税を模索すると強調した。(写真/AP通信提供)
2026年2月20日、米連邦最高裁判所が大統領による「国際緊急経済権限法」に基づく関税徴収を違憲と判断した後、記者会見を開くドナルド・トランプ氏。反対した判事を批判し、新たな法的根拠による徴税を模索すると強調した。(写真/AP通信提供)

米連邦最高裁判所は20日、歴史的な判決を下し、ドナルド・トランプ米大統領が第2次政権下で「国際緊急経済権限法」に基づき推進してきた関税政策の大部分を無効と宣告した。これは「MAGA(Make America Great Again)」経済学への痛撃となるだけでなく、ホワイトハウスが高率関税を武器に各国に迫った貿易協定の先行きを不透明にするものだ。米紙『ニューヨーク・タイムズ』は21日、最高裁の違憲判決とトランプ氏による「プランB」発表を受け、世界の主要経済国の現状と今後の見通しを詳細に分析した。

同紙によると、関税をテコに貿易協定を迫るトランプ氏の手法は極めて単純かつ強引だ。本来なら天文学的な数字に跳ね上がる可能性のある関税を、貿易協定への署名を通じて15~20%程度に引き下げる見返りとして、相手国に巨額の対米投資や貿易上の譲歩を約束させるというものである。連邦最高裁はこの手法を違憲としたが、トランプ氏がおとなしく従うはずもなかった。判決発表後、トランプ氏は記者会見を開き、一律10%の世界的関税を課すと宣言。その直後にはさらにSNSで税率を15%に引き上げると発信した。

米国の司法権が行政権にブレーキをかけ、行政権が法と解釈の隙間で活路を見出そうとする中、『ニューヨーク・タイムズ』はこの憲政および貿易の危機において、主要な国や地域がどのような運命をたどるのかを逐一検証している。

中国:何層にも重なる関税の壁

トランプ氏の貿易戦争における最大の「悪役」といえば、中国にほかならない。ここ数年、中国の対米輸出品には何層もの関税の足かせが嵌められてきた。同紙は、米国の対中関税を「積み上げ可能(stackable)」な構造と評している。すなわち、単一の商品に対して異なる法的根拠を持つ複数の関税が同時に適用される可能性があるということだ。

最高裁の判決により、そのうちの幾重かの層――例えば10%の普遍的関税や、鎮痛剤「フェンタニル(fentanyl)」の米国内への流入阻止失敗を理由とした10%の懲罰的関税――は剥がれ落ちた。しかし、中国製電気自動車(EV)に対する100%という壊滅的な関税や、鉄鋼・アルミニウム製品への50%以上の重税など、他の関税は依然として揺るいでいない。 (関連記事: 米最高裁の「関税違憲」判決にトランプ氏が猛反発 EUやアジアなど貿易協定国へ「小細工するな」と引き上げ警告 関連記事をもっと読む

さらに、米中間の地政学的駆け引きも止むことがない。トランプ氏と中国の習近平国家主席は昨年10月に韓国で会談し、貿易戦争の一時休戦に合意した。計画では、トランプ氏は今年3月末に北京を訪問し、習氏と再会談する予定である。しかし同紙の指摘によれば、既存の関税障壁によって昨年の中国の対米輸出は約5分の1も激減した。この状況を打破するため、中国は原産地を偽装する柔軟な「産地ロンダリング」戦略を展開し、販売の重心を東南アジア、アフリカ、ヨーロッパ、ラテンアメリカへと移している。多くの中国企業は現在、最終組み立て工程を東南アジアやラテンアメリカの工場に移転させることで、トランプ氏による「中国製(メイド・イン・チャイナ)」への直撃を巧みに回避している。

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