【論評】「唯一無二」を自負する頼清徳総統 立法院での国情報告は与野党融和の糸口となるか

2026-02-24 12:17
頼清徳総統は23日、立法院長の韓国瑜氏ら五院の院長と新春の茶話会を行った。(写真/頼清徳総統のFacebookより)
頼清徳総統は23日、立法院長の韓国瑜氏ら五院の院長と新春の茶話会を行った。(写真/頼清徳総統のFacebookより)

丙午(ひのえうま)の新年を迎え、台湾の頼清徳総統は五院(行政・立法・司法・考試・監察)の院長を招き茶話会を開催した。その席で頼氏は、立法院長(国会議長)の韓国瑜氏が掲げた「化(転化・解決)」というキーワードに応じ、「誤解を理解へ、不一致を団結へ、個人の小利を国家の大義へ、対立を平和へ変えたい」との希望を表明した。

さらに、「憲法の手続きに適合する」ことを前提に、立法院での「国情報告」を行うことにも前向きな姿勢を示した。これに対し韓国瑜氏は「方式としては『一括質問・一括回答(統問統答)』を採用する。これは基本的な礼遇であり、立法院も重視するだろう」と解釈している。頼氏と韓氏による「総統の立法院国情報告」への認識は一致するのか。攻防の舞台は再び立法院へと戻り、与野党の判断が注目されている。

31年前、李登輝氏も新春茶話会で「江八点」を議論

就任から1年半余りを経て、頼清徳氏は「ついに」五院院長との新春茶話会を実現させ、「吉兆で円満」な雰囲気を作り出したことに満足しているようだ。特にFacebookでは「これはわが国の歴史上初めての総統と五院院長による新春茶話会である」と強調した。

しかし、これは誤りだ。総統と五院院長の茶話会は「前例がない」のではなく、歴代の民選総統が行ってきた「慣例」である。

例を挙げれば、陳水扁氏は「3・19銃撃事件」の際に五院院長を招集して茶話会を開き、事態の収拾に力を注いだ。馬英九氏はほぼ毎年茶話会を行い、リーマンショックから両岸関係(中台関係)に至るまで議論し、敗選による国民党主席辞任の際も五院院長に「報告」を行っている。蔡英文氏も就任第1週に五院院長と茶話会を行い、2018年1月にも開催した際、「五院院長との座談会は長年行われてきた伝統である」と述べている。当時の行政院長は他ならぬ頼氏であった。

「新春の茶話会」としても頼氏が初めてではない。1995年の春節休暇明けの初出勤日、李登輝氏は副総統の李元簇氏および五院院長を招いて新春茶話会を開き、「中国の江沢民国家主席による現段階の両岸関係の発展に関する見解と主張(江八点)」について議論し、意見交換を行っている。その2か月後、李登輝氏は国家統一委員会で正式に「李六条」を発表した。 (関連記事: 論評:トランプの戦略的後退 台湾・頼清徳政権は「戦備優先・交渉回避」を続けるのか 関連記事をもっと読む

権力は人を陶酔させ、自身が唯一無二であり、他人より優れていると思い込ませるものだ。しかし遺憾ながら、政治にそれほど多くの「史上初」はない。民選総統は定期的に改選され、既存の民主的手続きと法的枠組みの中で国政を推進することこそが、優れた国家指導者の条件である。頼氏は1年9か月を費やし、台湾を大規模なリコール(解職請求)の応酬に陥らせた。司法による「政治的捜査」の疑念も現在進行形である。彼が得意げに「史上初」と自負する一方で、台湾国民は総統がようやく目を覚まし、野党との政争以外にも取り組むべきまともな仕事があることに気づいたと皮肉交じりに感謝している状況だ。

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