長期間にわたる交渉を経て、台湾と米国は正式に「米台相互貿易協定(ART)」に署名した。相互関税率は15%と定められ、既存の最恵国待遇(MFN)税率への上乗せは行われないことが確定した。注目されていた自動車輸入に関しては、米国産乗用車の関税が撤廃(ゼロ関税)される一方、中・小型トラックについては一定の関税が維持される。また、米国仕様車の輸入台数制限も撤廃されることとなった。
これを受け、台湾の頼清徳総統は13日、フェイスブックを更新し、「交渉チームは4つの原則を堅持し、6つの目標を達成した。台湾の産業および経済全体にとって重大な利益を勝ち取った」と表明した。頼氏はまた、今回2000品目を超える対米輸出品目が相互関税の免除対象となり、これらを含めると対米輸出の平均関税率は12.33%まで低下すると説明した。
鄭麗君・副院長らがワシントンで署名
行政院(内閣)の鄭麗君(チェン・リーチュン)副院長(副首相)率いる交渉チームは10日夜、米国へ向かった。行政院の発表によると、交渉団は米東部時間12日、米通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリア(Jamieson Greer)代表、ハワード・ラトニック(Howard Lutnick)商務長官らと共に署名式に臨んだ。協定文書には、駐米台北経済文化代表処の兪大㵢(アレクサンダー・ユイ)代表(大使に相当)と、米国在台協会(AIT)ワシントン本部のイングリッド・ラーソン執行理事が署名し、「米台相互貿易協定」が正式に成立した。
「台湾が損をした」との懸念に頼総統が反論
頼総統は、「今朝、米台間で米台相互貿易協定が正式に署名され、米国における相互関税および通商拡大法232条に基づく関税において、台湾への優遇措置が確立された。これは台湾経済と産業が飛躍し、生まれ変わるための重要な転換点だ」と強調した。
また、台湾が米国にとって第6位の貿易赤字相手国であることに触れ、「交渉は当初から極めて厳しいものだった」と回顧。鄭副院長率いるチームが「国益の維持」「産業利益の守護」など4大原則を堅持し、外部からの想像を絶する圧力に耐えながら、「産業の国際競争力向上」「信頼できるサプライチェーンの構築」「米台ハイテク戦略パートナーシップの確立」など6大目標を達成したと評価した。
タピオカ、コチョウランなど2000品目が関税免除へ
頼総統によると、今回の協定では相互関税を一律15%とし(MFNへの上乗せなし)、さらに鉄鋼・アルミなどを対象とした232条関税でも最恵国待遇を確保した。特筆すべきは、2000品目以上の対米輸出品目で相互関税の免除を勝ち取った点だ。免除品目を加味した場合、実質的な対米平均関税率は12.33%にまで低下する。
免除対象には、コチョウラン、茶葉、タピオカ原料(キャッサバ粉)、パイナップルケーキなど、台湾を代表する製品が含まれており、米国市場での価格競争力が向上する見通しだ。一方で、コメ、鶏肉、カキ(牡蠣)などの重要農水産品については、関税維持または一部引き下げにとどめ、台湾の農業と重要産業を守り抜いたとしている。
頼総統は、「今回の交渉結果は、世界的な市場開放の波の中で、台湾が他国よりも多くの優位性を確保したことを証明している」と総括。「産業の血路を開き、米国との貿易において最も有利な関税待遇と多数の免除を勝ち取った。国際基準に準拠し、台湾産業をグローバルサプライチェーンにシームレスに統合させる」と述べた。
最後に頼氏は、「台湾の産業には実力があり、国民には競争力がある。自信を持つべきだ。この貿易協定は米台間の互恵的かつ補完的な経済貿易体制を促進し、台湾が世界へ展開し、より強大で繁栄した未来へ向かうための余裕をもたらすだろう」と結んだ。
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編集:梅木奈実 (関連記事: 【米台交渉】トランプ氏の「半導体4割移転」要求に鄭副院長が断言「不可能だ」 関税交渉の舞台裏を公開 | 関連記事をもっと読む )















































