2027年の台湾海峡情勢に備えか フィリピンと米国が今年500回の合同演習実施へ 20万人規模の民間人安全退避も想定

米軍とフィリピン海兵隊が大規模な合同軍事演習「バリカタン(Balikatan)」を実施。(写真/米国国防総省提供)
米軍とフィリピン海兵隊が大規模な合同軍事演習「バリカタン(Balikatan)」を実施。(写真/米国国防総省提供)

フィリピン海軍の当局者は、マニラとワシントンが合意し、2026年に500回を超える合同の軍事・安全保障演習を実施する計画だと明らかにした。演習には、両軍が参加する大規模合同演習「バリカタン(Balikatan)」のほか、海上での協同行動や空中での訓練が含まれる。

2026年に500回超の合同演習へ

軍関係者によると、こうした動きの背景には、中国が2027年までに台湾に対する軍事準備を完了させるとの目標を掲げているとされる点があるという。フィリピン側は、台湾海峡や南シナ海をめぐる情勢の変化に対応できるよう、事前に必要な備えを進める狙いがあるとみられる。

現地メディアのABS-CBNは、フィリピン海軍の報道官であるロイ・ビンセント・トリニダード少将が、これらの演習計画は両国の最高レベルで構成される「相互防衛委員会・安全保障関与委員会(MDB-SEB)」の承認を受けていると説明したと伝えた。

実施が予定されている協力項目には、年次の大規模合同軍事演習「バリカタン」、海上協同行動(Maritime Cooperative Activities=MCA)、空中訓練、軍事専門家交流(Subject Matter Expert Exchanges=SMEE)などが含まれる。また、価値観を共有する国々の参加も想定しているという。

Philippines, US to conduct over 500 military activities in 2026 as Taiwan concerns risehttps://t.co/KBnFFDTRN2

— ABS-CBN News (@ABSCBNNews)February 11, 2026

相互防衛条約に基づく枠組み

MDB-SEBは、「米比相互防衛条約(Mutual Defense Treaty=MDT)」の履行を目的に設けられた中核的な枠組みである。同条約は、米国またはフィリピンのいずれか一方が「武力攻撃」を受けた場合、双方が共同防衛を発動することを定めている。

2027年を見据えた戦略的対応

フィリピン軍の高官の一人は匿名を条件に、今回の一連の軍事的な対応は臨時の判断ではなく、戦略的な評価に基づくものだと説明した。そのうえで、マニラは2026年を「重要な節目」と位置づけているとし、中国指導部が人民解放軍に対し、2027年までに台湾に対する軍事行動に必要な準備能力を整えるよう目標を示しているとの見方が背景にあると述べた。 (関連記事: 中国軍トップを「壊滅的粛清」 台湾・李逸洋駐日代表、2つの危機に警鐘「軍事行動で内部矛盾転嫁の恐れ」 関連記事をもっと読む

高官はさらに、こうした動きは台湾に影響を及ぼす可能性があり、ひいては地域の安定を損なうおそれのある抑止行動であるとの認識を示した。

2023年6月14日、フィリピンのマニラで、中国の練習艦「戚継光」の親善訪問を迎え、両国の国旗を手にするフィリピン沿岸警備隊員。(AP通信)
2023年6月14日、フィリピン・マニラ。フィリピン沿岸警備隊の隊員がフィリピンと中国の国旗を手に、中国の練習艦「戚継光(チー・ジーグアン)号」の友好訪問を出迎えた。(写真/AP通信提供)

フィリピン軍は記者団の質問に対し、今年予定されている一部の演習内容について、すでに「リハーサル」と位置づけていると一時明らかにした。この表現は、今後の情勢をめぐりさまざまな憶測を呼んでいる。

台湾海峡衝突時の波及リスク

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