【独占インタビュー】「不死鳥」郭泓志が語る、野球人生 松坂大輔との死闘、そして次世代へ託す「諦めない心」

2026-02-14 20:14
(写真/Timberland提供)
(写真/Timberland提供)

家を出ると、外は相変わらずの激しい雨だった。暗い灰色の空を見上げ、傘を広げながら思う。「一体いつになったら晴れるのだろう」。連日の豪雨に、ふと先週のあの晴れた午後が恋しくなる。

記憶はあの日へと引き戻される。正午を過ぎても熱気が残る台北・西門町。コーヒーを片手に談笑する人々や、風景を写真に収める観光客で賑わう雑踏を抜け、私は目的地へと向かった。店に入ると、そこにはカメラマンの要求に応えてポーズをとる長身の影があった。彼こそが今日の主役、台湾野球界の伝説(レジェンド)――郭泓志(グォ・ホンジー)だ。

2025年7月に行われた台湾プロ野球(CPBL)のオールスターゲーム。私は外野席から、大型スクリーンに映し出される「夢の対決」を見つめていた。マウンドには王建民(ワン・ジエンミン)、打席には郭泓志。

郭が王の投球を捉え、ホームランを放った瞬間、球場は悲鳴にも似た歓声に包まれた。興奮した様子でダイヤモンドを一周する彼の姿は、私をあの台湾野球の黄金時代へと連れ戻してくれたようだった。

もしあなたが熱心な野球ファンでなくとも、彼の名は聞いたことがあるかもしれない。メジャーリーグで台湾人選手として初の本塁打を記録した男、「不死鳥」と呼ばれた左腕のことを。

台南から世界へ、「不死鳥」の飛翔

夢の芽は、台南野球場で育まれた。高校時代からその驚異的な剛速球で注目を集めた郭泓志の野球人生は、その球速と同じく規格外のものだった。

18歳で単身渡米し、メジャーリーグ(MLB)への挑戦を選択。それに伴う代表チームからの永久追放処分、度重なる肘の靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)、長いマイナーリーグ生活……。

幾多の苦難を乗り越え、彼はメジャーのマウンドに立った。栄光の頂点も、怪我によるどん底も味わった。それでも彼は「努力し、決して諦めない」という精神を貫き、自らの居場所を勝ち取ってきた。その姿はまさに「不死鳥」。絶体絶命の淵から何度でも蘇る。

彼の物語は、私にこう問いかけてくる。「自分も夢のために、そこまでできるだろうか」。答えはまだ出ない。だが、彼の「夢を追う旅路」を知りたいという強い好奇心が、この野球人生を振り返り、人生哲学を探る対話の扉を開いた。

「もし戻れるなら、18歳のあのマウンドへ」

「もし人生のある一瞬に戻れるとしたら、いつを選びますか?」

人生は長い。私は内心、彼がメジャー初登板の瞬間や、あのホームランを打った時を選ぶのではないかと予想していた。しかし、彼は迷うことなく即答した。

「18歳。日本で松坂大輔と投げ合った、あの試合です」

彼にとってそれは、単に国の名誉を背負ったアジアAAA選手権(1998年)の決勝戦というだけではない。人生の大きな転換点だったのだ。

「あの試合があったからこそ、多くのスカウトに注目され、海外へ挑戦する切符を手にすることができたのです」と彼は回想する。 (関連記事: 球春到来!プロ野球12球団がキャンプイン 宮崎・沖縄で開幕1軍かけ熱戦スタート 関連記事をもっと読む

選手たちは幼い頃から過酷なトレーニングに耐える。野球人口は多いが、台湾のプロ野球に入れるのはほんの一握りだ。ましてや世界の舞台に立つチャンスなど、砂金を探すようなものだ。現在でも狭き門だが、20数年前はなおさらだった。

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