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【台湾海峡解読】中国の風向きに変化?中国共産党と台湾・国民党非公開会談、「三代の帝師」王滬寧氏が異例の「統一」言及せず 国民党の蕭旭岑副主席は2月初旬、訪問団を率いて中国大陸を訪問し、中国全国政治協商会議の王滬寧主席(右)と会談した。(写真/国民党提供)
江沢民、胡錦濤、そして現在の最高指導者である習近平氏を補佐し、「三朝帝師(三代の策士)」と称される中国全国政治協商会議(全国政協)の王滬寧主席。中国共産党の政治理論における核心的ブレーンである王氏が最近こなした2つの公務日程、2月4日の国民党訪中団(蕭旭岑氏ら)との面会、および2月9日・10日の「対台湾工作会議」出席における一連の発言が、外部に大きな想像の余地を与えている。
王滬寧氏が主宰した対台湾工作会議での発言内容は、昨年と比較して「祖国統一の不可避な大勢を形作る」といった強硬な文言が削除され、「台湾海峡の平和と安定を維持する」に変更された。また、昨年言及された「両岸(中台)の人員往来の拡大」は、「両岸人員往来の円滑化と利便性向上、民間および基層交流の拡大」へとより具体的に改められた。
昨年の公式発表では「平和」という言葉が抜け落ちており議論を呼んだが、今回は「平和」が復活しただけでなく、実務的な交流の重要性が強調された。対台湾政策のトーンを軟化させたことで、中国の風向きに変化が生じたとの観測が広がっている。
一方、王滬寧氏と蕭旭岑氏率いる国民党訪中団との面会におけるやり取りも、異例の展開を見せた。蕭氏は王氏の面前で、海峡両岸が1992年に達成した「各自が口頭で述べる方式」、すなわち双方が「一つの中国」原則を堅持するというコンセンサスについて言及した。これこそが周知の「九二共識(1992年合意)」である。蕭氏はあえてその場で、「一中各表(一つの中国、各自の解釈)」の意義を強調してみせたのだ。
関係者によると、この発言は不意打ちではない。国民党側は事前に発言内容について中国側と意見交換を行っていたが、中国側はこの「一中各表」に関する文言の修正や削除を求めなかったという。さらに注目すべきは、王滬寧氏が公開発言およびその後の非公開座談会において、「統一」という言葉を一度も口にしなかったことだ。その代わり「平和」が最も頻繁に使われており、対台湾政策の柔軟性が高まっていることがうかがえる。
中国大陸の全国政協主席・王滬寧氏は、中国共産党における多くの政治的論述の策士である。(AP通信)
蕭旭岑氏の「一中各表」言及、事前に中国側へ通知済み 国民党考紀会委員長兼大陸事務部主任の張雅屏(ちょう・がへい)氏は『風傳媒 』の取材に対し、次のように明かした。
「国共双方の過去からの慣例として、大まかな発言内容は事前に相手へ参考として提供し、中国側の発言要旨もこちらに提供される。双方は互いに何を話すか大体理解しているだけで、相手に対し『これを言ってはいけない』と制約することはない」
その上で張氏は、蕭氏が言及した「各自の解釈」の内容について、「中国側から言及不可との表明はなく、我々は内容変更の要請を一切受け取っていない」と証言した。
国民党副主席・蕭旭岑氏は2月初旬に訪中団を率いて国共シンクタンクフォーラムに参加し、王滬寧氏との面会時に「九二共識」は「一中各表」であると直接提起した。(顏麟宇撮影)
王滬寧氏は「統一」に触れず、「平和」を強調 張雅屏氏はさらに、王滬寧氏と国民党一行との会談において、その後の非公開会議も含め、王氏が「統一」という言葉に全く言及せず、「平和」が最も頻繁に使用された用語であった点を強調した。この状況は過去と大きく異なるため、張氏は強い印象を受けたとし、「王滬寧氏も台湾内部の政治状況を理解しており、あえて『統一』という言葉を強く押し出すことはしなかったのだろう」との見方を示した。
また張氏は、国共シンクタンクフォーラム終了後の1週間、中国軍機による台湾周辺での活動頻度も大幅に低下したと述べた。「完全にゼロになったわけではないが、かつて1日に数十機が活動していた状況と比較すれば、確かにかなり静かになり、頻度と機数は以前より減少している」
これは必ずしも国民党との交流だけで圧力が緩和されるわけではないが、中国による軍事的威嚇が一時的にせよ低下していることは事実だという。そして、王滬寧氏による最新の対台湾工作会議での発言にも強硬な言葉は見られず、中国側が独自のペースを維持し、台湾側の動向に過剰反応していないことを示していると分析した。
張氏は、「国共フォーラム後の両岸情勢の推移を見ると、民進党政権が譲歩していない状況下であっても、情勢は昨年末より確実に良くなっている。これは事実である」と結論付けた。
国民党考紀会主委兼大陸事務部主任・張雅屏氏。(楊騰凱撮影)
鄭麗文氏が提唱する「両岸平和枠組み」 張雅屏氏は、かつて連戦・国民党主席(当時)と胡錦濤・総書記(同)の会談で提起された「5つのビジョン」の中にも、もともと「両岸平和協定」が含まれていたが、議論が停滞してしまった経緯を指摘した。国民党内部において「平和」という主旋律が変わったことはなく、洪秀柱氏が党主席を務めた際も「平和政綱」を策定し、「九二共識」の深化と平和協定の可能性を探る方針を掲げていた。
「平和協定を探求する際、一つの壁に直面する。両岸関係は、一足飛びに平和協定の段階へと進むことは難しいという点だ。過去、両岸は対立から和解、対話へと進み、その後、平和協定を結べるかどうかを模索していた。しかし、民進党政権は『平和』という要素を排除し、敵意を醸成している。これは戦争そのものよりも厄介な問題だ。なぜなら民進党は、国民が心の底から『中国は悪であり、対話の価値もない』と信じ込むことを望んでいるからだ。我々が共に平和の方向へ進もうとするならば、悪意の連鎖に陥るのではなく、あらゆる困難を排除すべきである」
国民党主席・鄭麗文氏は「両岸平和枠組み」の理念を提唱し、中国の習近平国家主席との会談にも意欲を示している。(劉偉宏撮影)
「現在、両岸は事実上の停戦状態にあり、内戦も実質的には停止しているが、双方が正式に内戦停止を宣言したわけではない。この状況下で、直接『両岸平和協定』へと飛躍できるだろうか。民進党が敵意を操作している状況では困難だ。したがって、国民党の鄭麗文(てい・れいぶん)氏らが提唱する『両岸平和枠組み』は、平和への現実的な道筋を見つけようとする試みであるが、その道をどのように歩むべきかについては、今後の社会的な議論に委ねることになる」
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