台湾海峡を読む》1800万人が「中国と断絶」? 民進党政権10年の岐路、北京と正面衝突の恐れ

今年、民進党政権は発足から10年を迎えるが、中国大陸との往来経験がない台湾人の数が昨年、過去最多を記録した。中台関係の冷え込みは、民進党にとって新たな政権運営上の危機となっている。写真は2024年5月20日の総統就任式を経て、軍が蔡英文・前総統の肖像写真を頼清徳・総統のものへと掛け替える様子。(写真:国防部提供)
今年、民進党政権は発足から10年を迎えるが、中国大陸との往来経験がない台湾人の数が昨年、過去最多を記録した。中台関係の冷え込みは、民進党にとって新たな政権運営上の危機となっている。写真は2024年5月20日の総統就任式を経て、軍が蔡英文・前総統の肖像写真を頼清徳・総統のものへと掛け替える様子。(写真:国防部提供)

今年は民進党が台湾で政権を握って10年目となるが、ある調査データによると、民進党政権下において中国大陸と交流を持ったことのない台湾人の割合が急増し、過去最高を記録したことが分かった。専門家はその要因として、コロナ禍による断絶後、中台双方が観光面で相互に制限を設けていること、市民の間で中国渡航に対する安全上の懸念があること、さらに台湾側で学者への渡航規制が強化されたことなどを挙げている。これら多くの要因により、両岸(中台)の民間交流は減少している。専門家は、こうした状況が長期化すれば、両岸間で問題が生じた際、双方が最悪の事態を想定する恐れがあると懸念を示している。

民進党はまもなく執政10周年を迎える。両岸の公式な往来は途絶えているものの、蔡英文政権の発足当初は、中国人観光客の訪台など民間交流は一定期間維持されていた。しかし、2020年の新型コロナウイルスの流行により、中国人観光客や中国人留学生などの民間交流も中断された。コロナ禍を経て、台湾人の中国観光は増加したように見えるが、ある調査では、中国大陸と全く交流を持ったことのない台湾人の割合が昨年、過去最高に達したことが明らかになった。

1800万人の台湾人が中国大陸との交流経験なし

台湾市民が実際に中国大陸と交流した経験(旅行、留学、就労、ビジネスなどを含む)があるかどうかについて、台湾の国防安全研究院が行った調査によると、2002年時点では約70.7%の台湾人が中国大陸との交流経験がなかった。この割合は2004年に57.5%まで低下し、その後は65%前後で推移していた。しかし、2020年に新型コロナウイルスの感染が拡大すると、中国大陸と交流経験のない台湾人の割合は70%に上昇し、その後も上昇を続けた。2025年の昨年には調査開始以来の最高値を記録し、台湾人の80.8%が中国大陸側と実際に交流したことがないという結果になった。換算すると、約1800万人の台湾人に相当する。

2025年未曾與大陸互動過的台灣人比例創下有調查以來的新高,突破80%大關。(王信賢提供)
2025年、中国大陸と交流したことのない台湾人の割合が調査開始以来の最高を記録し、80%の大台を突破した。(王信賢氏提供)

中国の国務院台湾事務弁公室の統計データによると、2025年の台湾から中国への渡航者数は延べ490万人となり、2020年のコロナ禍以降で最高を記録した。この490万人の中には同一人物による複数回の往来が含まれている可能性があるが、仮に490万人を実数と見なしても、台湾の総人口の約2割程度に過ぎない。この状況下において、依然として約8割の台湾人が中国に行ったことがない計算となり、前述の調査結果と一致する。 (関連記事: 「日本有事が台湾有事を招く」高市氏圧勝に台湾野党が冷ややかな警告 逆転した「有事の構図」と募る警戒感 関連記事をもっと読む

台湾人の訪中回復、同一集団による反復往来の可能性

政治大学国際関係研究センター主任の王信賢氏は『風傳媒』に対し、台湾人の中国大陸との交流経験(ビジネス、旅行、就学などを含む)について次のように指摘した。国防安全研究院の調査によれば、馬英九政権時代において中国大陸側と交流経験のない台湾人は約6割から6割5分であった。両岸間の往来において、一部の人々は年に何度も中国を訪れる一方で、より多くの台湾人は実際には中国を訪れたことがないのが実情である。

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