習近平氏が「台湾」強調も、米国の政策転換はあり得ない?識者が語る「台湾放棄=米国の『自殺行為』」説

2026-02-09 11:51
明居正氏は、米国の対中政策は一朝一夕に変えられるものではないと指摘している。(写真/柯承惠撮影)
明居正氏は、米国の対中政策は一朝一夕に変えられるものではないと指摘している。(写真/柯承惠撮影)

中国の習近平国家主席は5日、トランプ米大統領と電話会談を行い、台湾問題が中米関係における「最も重要かつ敏感な問題」であると改めて主張し、対台湾武器売却の慎重な処理を求めた。トランプ氏の対中・対台湾政策が変化するのではないかとの観測が広がる中、台湾大学政治学部の名誉教授で著名な国際政治学者である明居正(ミン・ジュージュン)氏は、風傳媒の番組『下班瀚你聊』に出演し「米国が対台湾政策を転換することはあり得ない」と分析。もし米国が台湾を見捨てるようなことがあれば、それは米国自身にとっての「自宮(自ら去勢すること)」になると警鐘を鳴らした。

トランプ氏の対中認識は「不可逆的」な変化を遂げた

​明教授は、大国リーダーの思考が世界情勢に影響を与えることは認めつつも、米国の対中政策は一朝一夕に形成されたものではなく、容易には覆らないと指摘する。トランプ氏の第1次政権(2017年〜2021年)を振り返ると、当初の関心は年間5000億ドル以上に達していた対中貿易赤字の是正にあった。しかし、貿易戦争の勃発やG20サミットでの合意を中国側が反故にした経緯を経て、トランプ氏は「中国共産党は想定していたパートナーではない」という認識に至ったという。

明氏は「トランプ氏は第1次政権の後半で、米中間の価値観の決定的相違を悟った」と分析する。自由、民主主義、人権、法の支配を信条とする米国に対し、中国は一党独裁であり権力が法に縛られない。この構造的な対立により米中関係はすでに硬直化しており、もはや後戻りはできない段階にある。 明氏は、最終的な結末は「米国が共産化するか、中国が民主化するか」の二者択一しかなく、中間路線は存在しないと断言。「中国共産党に対して甘い考えを持ってはならない」と述べ、トランプ氏の再登板は、かつての「西部劇のカウボーイ」のように、単独行動も辞さない強力なスタイルで対中圧力を強めることになると予測した。

台湾海峡は国際政治の「要石」

​台湾が果たすべき役割について、明氏は地政学的な重要性を強調した。仮に中国が台湾を併合し、台湾海峡を「内海化」させ、さらに南シナ海まで勢力下に置けば、世界の海上物流コストは激増する。現在、「反共(対中抑止)」は国際政治の主要テーマであり、台湾はその最前線に立っている。これは第二次世界大戦でナチス・ドイツや日本と戦った構図と同様であり、台湾問題は国際社会から孤立した局地的な問題ではない。

米国が台湾を失うことの意味

​明氏は、台湾周辺諸国の動向や意志も両岸関係に影響を与えるとした上で、米国の対台湾政策が変更される可能性について「限りなく低い」と結論付けた。その理由として、明氏は「自宮(自ら去勢すること)」という強烈な比喩を用いた。もし米国が台湾を手放せば、中国は徐々に米国をアジアから締め出すだろう。米国がアジアでのプレゼンスを失えば、基軸通貨である米ドルの覇権は崩れ落ち、米国内の経済も破綻する。 つまり、台湾を守ることは米国自身の国益と直結しており、政策の転換は米国にとっての「自殺行為」に他ならないとの見解を示した。

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編集:柄澤南

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