トップ ニュース 米中首脳電話会談で「対台湾武器売却」に暗雲?専門家が指摘する「1.25兆ドルの兵器供与」見直しの可能性
米中首脳電話会談で「対台湾武器売却」に暗雲?専門家が指摘する「1.25兆ドルの兵器供与」見直しの可能性 米国のドナルド・トランプ大統領(左)と中国の習近平国家主席(右)はこのほど再び電話会談を行い、その中で台湾問題に言及した。(資料写真、AP通信)
ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は4日、電話会談を行い、貿易、台湾問題、ウクライナ戦争、エネルギーおよび農産品の購入について協議した。習主席はその中で台湾問題の重要性を強調し、米国に対し対台湾武器売却を「慎重に処理」するよう要求した。これにより、総額1.25兆台湾ドル(約5.8兆円)に上る台湾への武器売却計画に変更が生じるのではないかとの懸念が広がっている。
台湾の元立法委員(国会議員)で政治評論家の郭正亮(カク・セイリョウ)氏は、出演した番組『大新聞大爆卦 』の中で、イラン情勢の緊迫化や年末に控える米中間選挙を背景に、トランプ氏が習主席に協力を求めていると分析。その見返りとして、対中攻撃能力を持つ特定の兵器供与が見送られる可能性があると指摘した。
「台湾問題」は最重要議題、習主席がクギ刺す トランプ氏はSNSで、習主席との会談内容について言及。「台湾、ロシア・ウクライナ戦争、イラン情勢、中国による米国産石油・天然ガスの購入、さらに今季の大豆購入量を2000万トンに引き上げる計画や航空機エンジンの引き渡しなど、多岐にわたる議題を話し合った」とし、全体の雰囲気は非常に前向きだったと述べた。
一方、中国国営の新華社通信によると、習主席は会談で「台湾問題は中米関係において最も重要な問題である。台湾は中国の領土であり、中国は国家主権と領土保全を断固として守り抜く。台湾の分裂は永遠に容認しない」と強調。その上で、「米国側は対台湾武器売却の問題を慎重に処理しなければならない」と強く求めたという。
1.25兆ドルの武器売却は「自粛」されるのか 郭正亮氏は、今回の会談で台湾問題が取り上げられるのは必然だったと分析する。トランプ政権発足1年目において、米国在台協会(AIT)が「台湾地位未定論」を支持する発言を行い、国連第2758号決議(※原文の2857は誤りと推測されるため修正して解釈)に台湾は含まれないとの見解を示したこと、さらに米国による対台湾武器売却が続いていることから、中国側は米国が「八・一七コミュニケ(対台湾武器売却の段階的縮小を約束した米中間の合意)」に違反していると認識しているためだ。郭氏は、中国側が米国に対し、「AITのレイモンド・グリーン所長(谷立言)による台湾地位未定論の発言自粛」や、「ルビオ国務長官による国連決議に関する発言の抑制」など、具体的な態度表明を求めてくるだろうと予測する。
射程300キロのミサイルなど「2つの兵器」に変数の恐れ 特に注目すべき点として、郭氏は米国から台湾への武器売却リストに含まれる「高機動ロケット砲システム(HIMARS)」と、それに搭載可能な「射程300キロメートルの戦術ミサイル(ATACMSなど)」を挙げた。これらの兵器は中国本土を直接攻撃する能力を有している。郭氏は「中国人民解放軍は演習『正義の使命』において、これらへの対抗措置をシミュレーションしており、中国側が実力行使も辞さない構えを見せている」と指摘。その上で、「トランプ政権が習主席との取引の中で、これら2つの攻撃型兵器の売却リストから削除、あるいは保留にする可能性は否定できない」と述べ、今後の米国の出方に変数が生じているとの見解を示した。
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