中国の王毅外相、台湾問題でルビオ米国務長官に「警告」か 9月の米中首脳会談前に対台政策の「調整」焦点
電話会談を行ったルビオ米国務長官(左)と中国の王毅外相(右)。(資料写真、AP通信)
中国の王毅外相は6月30日、米国のルビオ国務長官と電話会談を行った。王氏は「台湾問題は全体に影響を及ぼす極めて敏感な問題だ」と述べ、米国に対し、台湾関連の事案を慎重に扱うよう求めた。これについて台湾出身で米国在住の政治学者、翁履中氏はFacebookへの投稿を通じて分析、解説した。
その中で翁氏は、今年2月、4月、そして今回の王氏からルビオ氏に向けた発言を総合すると、中国政府から米国へのメッセージが段階的にエスカレートしていることが明確に読み取れると分析。その上で、今後数カ月間で注視すべきは、米国が台湾への武器売却を継続するかだけではなく、トランプ政権が対台政策に関する発言のトーン、高官同士の交流、軍事展開、外交上の手配において、「中国への刺激を避ける」ための微調整を拡大するかどうかが焦点になるとの見方を示した。
中国側の発言は徐々にエスカレート
翁氏は、王氏とルビオ氏の対話の内容について、2月は「協力」、4月は「リスク」が主題だったが、今回の発言は「警告」に近いと指摘する。これは、中国側が米政権に対し、「9月に予定されているトランプ大統領と習近平・中国国家主席の今年2回目の首脳会談(トランプ・習会談)を円滑に進めたいならば、米国は台湾問題で節度を保つべき」と通告しているに等しく、換言すれば、台湾はもはや米中関係における一課題にとどまらず、中国が米国の誠意を測るための重要な指標となっているとの見方を示した。現在、中国は米国が「何を言うか」ではなく、「何をするか」を注視しているのだという。
中国は米国の「行動」を注視
翁氏はこの点が極めて重要だと強調する。米国が口頭で「一つの中国」政策を再確認し、台湾独立を支持しないと表明したり、台湾海峡の平和と安定を望むと述べたりすることは可能だが、中国が実際に目を光らせているのは、米国による新たな対台武器売却の有無、高官交流の格上げ、米議会における台湾関連法案の審議の行方、そしてインド太平洋地域における米軍の展開が台湾海峡に近づくかどうかだと指摘。
また翁氏は、今回の中国側の語気が数カ月前に比べ、より自信に満ちていることには理由があると指摘する。一つは、米中が経済・貿易やレアアース(希土類)のサプライチェーン(供給網)において部分的に協力を再開したことで、中国側が自らの手中に新たな交渉カードを握ったと認識している点。もう一つは、米国が中東情勢、安全保障上の圧力、財政問題、そして国内政治により、消耗している点。これらの状況を踏まえ、中国が「今こそ交渉のハードルを引き上げる絶好の時機」と判断するのは自然な成り行きとの見解を示した。
トランプ氏の選択肢は「米中全面対決」だけではない
一方で翁氏は「台湾が真に熟考すべきは、中国が何を言ったかだけでなく、米国政府がどう対応するかだ」と指摘した上で、もし米国が「中国にとって台湾への武力侵攻コストは依然として高い」と認識しているのであれば、トランプ氏の選択肢が中国との「全面対決」だけに絞られることはあり得ないと分析する。衝突のリスクを低減し、台湾海峡の安定を維持することこそ、米国の国益により合致すると同氏は認識するからだ。したがって、米国は今後、議会や国防体制を通じて台湾の自己防衛能力を継続的に強化する一方で、両岸(中台)関係を一気に制御不能な状態に陥らせるのではなく、必ず中国との対話の余地を模索する可能性が高いという。
翁氏は、この点こそ台湾が最も過度に楽観視しやすい部分だと指摘する。多くの人々は米中競争に絡み、「米国は必ず最後まで台湾を支持する」と解釈する。しかし、米国政府が追求するのは常に「衝突」ではなく、米国の国益に合致する「安定」だと指摘。中国は台湾を「レッドライン(死守すべき一線)」と見なし、米国は台湾海峡を「リスク管理の課題」と位置づけており、両者の間にどれほどの交渉の余地が残されているかこそが、9月のトランプ・習会談の実現を左右し、ひいてはトランプ政権後半における台湾海峡情勢の安定を決定づける真の鍵となるとの見方を示した。
翁氏は、今後数カ月間でトランプ政権が「中国への刺激を避ける」ための調整を拡大する動きが見られれば、それは2回目の首脳会談に向けた準備が進められていることを意味すると指摘。さらにトランプ政権が今後、台湾問題に関する発言を明確にトーンダウンさせなければ、今回の中国側の発言が今後のさらなる衝突の予告となる可能性が高いと分析した。
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