【独占】2027年の台湾海峡危機は遠のいたのか 習近平氏の軍粛清と揺らぐ中共後継体制を専門家が分析

スタンフォード大学中国経済・制度研究センター上級研究員の呉国光氏が、台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の単独インタビューに応じた。呉氏は、習近平氏が来年、4期目に入る可能性が高く、台湾は中国にとって最優先の軍事目標になっている可能性があると分析している。(写真/蔡親傑撮影)
スタンフォード大学中国経済・制度研究センター上級研究員の呉国光氏が、台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の単独インタビューに応じた。呉氏は、習近平氏が来年、4期目に入る可能性が高く、台湾は中国にとって最優先の軍事目標になっている可能性があると分析している。(写真/蔡親傑撮影)

中国共産党は2027年、第21回全国代表大会、いわゆる第21回党大会を開く。中国国家主席・習近平氏が党トップとして事実上の4期目に入るかを占う重要な政治日程であり、同時に人民解放軍建軍100年の節目でもある。

スタンフォード大学中国経済・制度研究センター上級研究員の呉国光(ウー・グオグアン)氏は、台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の単独インタビューに応じ、習氏が続投する可能性は極めて高く、短期的には後継者をめぐる布石も見られないと分析した。これまで後継者候補として注目されてきた北京市党委員会書記の尹力(イン・リー)氏、上海市党委員会書記の陳吉寧(チェン・ジーニン)氏についても、勢いは以前ほどではなく、陳氏が来年、国務院総理に就く可能性は低いとの見方を示している。

一方、台湾海峡情勢について呉氏は、台湾がすでに中国人民解放軍にとって第一の軍事目標になっている可能性があると指摘する。呉氏自身も当初は、2027年が台湾海峡にとって極めて危険な年になると見ていた。しかし、習氏が人民解放軍高層への大規模な粛清に踏み切ったことで、軍上層部と党中央軍事委員会の再編は、来年の第21回党大会までずれ込む可能性があるという。

この再編は解放軍の指揮系統に深刻な影響を与えており、今後1年間で台湾海峡において大規模な武力衝突が起きる可能性は限定的だと呉氏は分析する。ただし、小規模な軍事衝突のリスクは排除できないとも述べている。

呉氏は北京大学中文系新聞専攻を卒業後、中国社会科学院で修士号を取得した。中国の李克強前首相とは北京大学時代の同級生である。その後、『人民日報』の評論員や中共中央政治体制改革研究小組弁公室のメンバーを務め、1980年代後半の中共内部の政治改革に直接関わった。

1989年には米ハーバード大学のニーマン・フェローとして渡米した。ニーマン財団は毎年、世界各地から約20人のジャーナリストを選抜し、ハーバード大学で自由に講義を履修する機会を提供している。同じ年、中国では天安門事件が起きた。呉氏はその後、中国大陸へ戻らず、香港やカナダで教鞭を執り、現在はスタンフォード大学中国経済・制度研究センターの上級研究員を務めている。

2027年は、中共にとって軍と党の両面で大きな節目となる。党内政治の日程は、台湾海峡情勢にも強く影響する。呉氏は第21回党大会を前にした中共内部の政情と、台湾が2027年に直面する台湾海峡リスクをどう見ているのか。

2026年5月15日、中国・北京。中南海の庭園視察中、会談を行う中国国家主席・習近平氏と米大統領・トランプ氏。(AP通信)
呉国光氏は、中国国家主席の習近平氏が30年にわたり権力を握る可能性があり、短期的には中共高層の後継体制づくりは見えていないと分析する。(写真/AP通信)

習近平体制は30年続くのか

――2027年に関心が集まっている。同年は人民解放軍建軍100年であり、秋には第21回党大会が開かれ、習氏が4期目に入るかどうかが焦点となる。習氏が続投する可能性はどの程度あるのか。第21回党大会で後継者が浮上する可能性はあるのか。 (関連記事: 中国の王毅外相、台湾問題でルビオ米国務長官に「警告」か 9月の米中首脳会談前に対台政策の「調整」焦点 関連記事をもっと読む

呉氏:第21回党大会で習氏が続投する可能性は非常に高い。後継者問題については、いま議論するにはまだ早い。

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