カナダのデイビッド・マクギンティ国防相は25日、日本記者クラブで記者会見を行い、国際秩序が揺らぐ中でのインド太平洋地域の重要性と日本への期待について語った。マクギンティ氏は、マニンダ・シドゥ国際貿易相とともに、約180の企業・団体から300人以上の代表が参加する過去最大規模の「チームカナダトレードミッション」を率いて22日に来日した。
カナダは2022年にインド太平洋地域戦略を発表して以来、精力的に貿易ミッションを派遣しているが、国防相が参加するのは今回が初めてとなる。
日加関係を戦略的パートナーシップへ
マクギンティ氏は24日に日本の小泉進次郎防衛相と会談し、防衛、航空宇宙、先端技術、サプライチェーンの強靭化といった主要分野の企業関係者とも意見交換を行った。
会見において同氏は、カナダと日本がともに海洋国家であり、数百万マイルに及ぶ海岸線の防衛という共通の課題を抱えていることや、包括的及び先進的環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)の加盟国であることを挙げた。また、両国が過去最大の防衛投資を行っていることに触れ、今回の訪問で日加関係を包括的・戦略的パートナーシップへと格上げしたことを強調した。
両国の連携を支える基盤として、情報保護協定や先日発効したばかりの防衛装備品・技術移転協定が強力なツールになると指摘。カナダの新たな防衛産業戦略には日本が重要なパートナーとして明記されており、日本やインド太平洋地域の同志国であるオーストラリア、韓国、フィリピンなどと協力を深める意向を示した。
また、次期戦闘機(GCAP)の共同開発についても、日本、英国、イタリアが参加する同プログラムにカナダとして強い関心を持っており、パートナー国と協力できる機会があれば詳細を知りたいと小泉防衛相に伝えたことを明らかにした。
海洋監視や先端技術で連携模索
具体的な協力分野として、両国は海洋状況把握(MDA)のためのセンサーや衛星通信の接続性での連携を模索している。マクギンティ氏は、カナダの海岸線の70%、陸上の40%が北極圏にあることに触れ、海に囲まれた両国が似たシステムで状況を把握する必要性を強調した。
また、ウクライナ支援のためにカナダが現在行っているドローン技術や自律型無人兵器の共同開発についても言及。さらに、人工知能(AI)、量子コンピューティング、暗号技術の「ビッグ3」と呼ばれる最先端技術の共同開発や、北大西洋条約機構(NATO)が重要指定する12の鉱物資源のうち10がカナダに豊富に存在することから、備蓄や製錬・加工分野における日本との連携の可能性を提示した。
対中関係やNATO防衛費にも言及
質疑応答では多岐にわたる国際情勢が議論された。イラン情勢に対しては、カナダも国際的な海洋機関と連携し、船舶へのアクセス提供や地雷除去、サイバー分野のノウハウ提供などで支援を行っていると回答。中国との関係については、過去にカナダ人2名が拘束された事件が協力の障壁になったとしつつも、関係を再評価し、ビジネスや文化など可能な分野では対話を続ける現実的な姿勢を示した。
また、まもなくトルコのアンカラで開催されるNATO首脳会議に向け、カナダとして国内総生産(GDP)比2%の防衛費目標を達成し、2029年には3.5%を目指す方針を説明。ケベック州独立とNATO加盟に関する質問には、現在のカナダ軍の再構築と再武装に注力していると述べるにとどめた。
最後に、カナダと日本は単なる貿易相手ではなく、インド太平洋全域の安定に貢献する同志国であると結論づけた。
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編集:小田菜々香












































