中国AIが米国に急接近 グーグル元CEO「技術差はわずか6カ月」、輸出規制に限界か

2026-06-30 14:43
AI拠点を視察する中国の習近平国家主席(左)。(AP通信)
AI拠点を視察する中国の習近平国家主席(左)。(AP通信)

米グーグル(Google)元最高経営責任者(CEO)のエリック・シュミット(Eric Schmidt)氏の最近の発言が、インターネット上で波紋を広げている。同氏は、米国が導入する中国向け半導体ハードウェアの輸出規制が「効果を失い始めている」と指摘。中国のAIモデルと米国の最先端技術との格差は、当初推定された1〜2年から、わずか6カ月へと縮小したと率直に語った。AIの急速な進化を踏まえれば、この格差はほぼ無視できるレベルであり、「数ナノ秒」程度の違いでしかないという。

中国メディア「観察者網」の報道によると、シュミット氏は今年5月、米シンクタンク「特別競争力研究プロジェクト(SCSP)」の会議に登壇した際、自身が米人工知能国家安全保障委員会(NSCAI)で委員長を務めていた時期を振り返った。当時、米国は半導体ハードウェアの中国向け輸出に厳格な規制を導入しており、「我々(米国)は一時的に大きな成功を収め、私自身もこの政策を強く支持した」と述べた。しかし続けて「だが現在、その効果は失われ始めている」と明言した。

シュミット氏によれば、中国のエンジニアは米国に遠く及ばないハードウェア環境の下でも、米国の最先端モデルに極めて近いAIシステムの構築に成功しているという。1年前の段階では、中国のAIと米国のモデルには約1〜2年の技術格差があると評価されていた。しかし最新の分析では、中国の後れはわずか約6カ月とされている。AI開発競争において、これはもはや大きな差ではなく、実質的に「肉薄」している状態だと言える。

最大の懸念はAIのオープンソース化

シュミット氏にとって最大の懸念は、中国が単に猛追していることだけでなく、中国のAIが全面的にオープンソース(無償公開)路線を採用している点にある。同氏は「我々に真の競争相手が現れたことは好ましい。だが好ましくないのは、それが完全にオープンソースであるという点だ。これは事実上制御不能であることを意味し、我々はいかなる手段でもそれをコントロールできない」と危惧を示した。

米グーグル元CEOのエリック・シュミット氏。
米グーグル元CEOのエリック・シュミット氏。(ネット上の画像より)

この発言の動画が最近、X(旧ツイッター)やRedditといったSNSで拡散されると、激しい議論が巻き起こった。多くのネットユーザーは、シュミット氏が「米国のテクノロジーエリート層の真の焦り」を代弁したと受け止めている。つまり、米国は中国AIの技術的猛追だけでなく、米国のプラットフォームや業界標準、クラウドサービス、さらには商業的な独占構造によって中国AIを制御できなくなる事態を恐れているという見方だ。 (関連記事: DeepSeek「V4」、ファーウェイ対応で米優位に影 それでも市場が騒がなかった理由 関連記事をもっと読む

6月21日、あるユーザーはXに動画を転載し、「シュミットはついに本音を漏らした。これは全て覇権に関わる問題だ。理想はAIが米国の支配下に置かれ、その支配に抵抗できる国が少ないほど良いということだ」と評した。また別のユーザーは、「米国の寡占企業は中国発のオープンソースソフトウェアを憎悪している。なぜなら、独占的な価格設定ができなくなるからだ」と指摘している。

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