ベネズエラで異例の「ダブレット地震」、死者1430人に 救助難航で政府への怒り広がる

2026-06-30 17:17
2026年6月27日、ベネズエラ・ラ・グアイラで、生存者の捜索が続けられている。(写真/AP通信提供)
2026年6月27日、ベネズエラ・ラ・グアイラで、生存者の捜索が続けられている。(写真/AP通信提供)

ベネズエラ北部で先週24日、極めて異例の「ダブレット地震」(双子地震、双発地震とも呼ばれる)が相次いで発生した。27日までに確認された死者は1430人に達し、3200人以上が負傷している。生存率が大きく下がるとされる発生後72時間が過ぎつつあり、取り残された人々の救助は時間との闘いになっている。長年の経済低迷でインフラや医療体制が脆弱化する中、被災地では政府対応への不満が急速に高まっている。

100年来最大規模の地震が沿岸部を直撃

​米国地質調査所(USGS)のデータによると、米東部時間24日午後6時4分、首都カラカスの西に位置する人口約22万人のヤラクイ州サンフェリペ付近を震源とするマグニチュード(M)7.2の地震が発生した。その39秒後、近隣地域でM7.5の強い地震が再び発生し、ベネズエラでは1900年以降最大規模の地震となった。

地震専門家は、カリブ海プレートと南米プレートが相互に押し合ったことで、極めてまれな「ダブレット地震」が引き起こされたとみている。震源が浅かったこともあり、被害は広範囲に及んだ。当局によれば、地震後には430回以上の余震が発生しており、27日にも沖合でM4.8の余震が観測された。被災者は今も余震への不安を抱えながら避難生活を続けている。

2026年6月27日、ベネズエラ被災地の惨状。(AP通信)
2026年6月27日、ベネズエラの被災地の様子。(写真/AP通信提供)
2026年6月27日、ベネズエラ・ラ・グアイラ州カラバジェダの惨状。(AP通信)
2026年6月27日、ベネズエラ・ラ・グアイラ州カラバジェダの被災地の様子。(写真/AP通信提供)

強い揺れは、人口が密集する北部4州、ヤラクイ州、カラボボ州、アラグア州、ラ・グアイラ州を直撃した。現地では、補強されていないレンガ造りや日干しレンガ造りの古い家屋が多く、耐震性は十分ではなかった。沿岸部の重災地であるラ・グアイラ州では、10階建ての海沿いの集合住宅や公共住宅が倒壊した。国連関係者の推計では、少なくとも125棟の建物が全壊したという。

救援遅れに住民の怒り 政府対応への不満噴出

​ベネズエラ国民議会議長のホルヘ・ロドリゲス氏は、金曜日までに243人が救出されたと発表した。しかし、多くの行方不明者が残る中、政府の救助活動は被害規模に追いついていない。

AP通信の映像では、地震発生から3日目、ラ・グアイラ州のがれきの中から11歳の男児モイセス・カルサディジャさんが救助隊によって救出される様子が確認された。被災者のオマール・グアリアトさんは避難所で、地震発生時には5歳の孫娘の誕生日を祝っていたと振り返り、その直後に隣家が倒壊するのを目撃したと語った。

救助を待ちきれない家族らは、がれきの中を素手で掘り返している。政府対応への不満も強まっている。カラバジェダ地区では、国家救助隊員が大きな被害を受けた現場で自撮りをした後、十分な支援を行わずに立ち去ったとの目撃情報が出ている。これを受け、住民らが現場を離れようとしたショベルカーを取り囲み、運転手を運転席から引きずり出す事態も起きた。被災地では救援の遅れに対する怒りが広がり、緊張が高まっている。 (関連記事: 【WBC 2026】ベネズエラが悲願の初優勝!ファナティクス・ジャパン、公式優勝記念グッズを緊急発売 関連記事をもっと読む

2026年6月27日、ベネズエラ・ラ・グアイラでの地震発生から3日後、コロンビアの救助隊員が瓦礫の中から被災者を救出。(AP通信)
2026年6月27日、ベネズエラ・ラ・グアイラで地震発生から3日後、コロンビアの救助隊員ががれきの中から取り残された被災者を救出した。(写真/AP通信提供)
2026年6月27日、ベネズエラ・ラ・グアイラ州カラバジェダの惨状。(AP通信)
2026年6月27日、ベネズエラ・ラ・グアイラ州カラバジェダの被災地の様子。(写真/AP通信提供)

米軍少将が陣頭指揮 水道水すら確保できない医療現場

​被害状況について、ベネズエラ外務副大臣のオリバー・ブランコ氏は、すでに1600人以上の国際救助隊員が到着しており、今後24時間以内に支援物資を積んだ航空機25便が到着する予定だと明らかにした。チリ、コロンビア、メキシコ、スペイン、スイスなど十数カ国が特別救助隊を派遣し、支援に当たっている。

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