ベネズエラ駐日大使、米軍事介入下の「20億ドル原油取引」を公表 マドゥロ氏の即時釈放も訴え
軍事介入から1カ月、ベネズエラ駐日大使は米との20億ドル原油取引の進展を公表し、マドゥロ大統領の主権回復に向けた多国間協調を訴えた。(写真/日本記者クラブ提供)
2026年2月4日、日本記者クラブにおいてセイコウ・イシカワ駐日ベネズエラ大使が記者会見を行い、米トランプ政権による軍事介入とニコラス・マドゥロ大統領夫妻の拘束から1カ月が経過した現在の国内情勢および米国との交渉状況について詳述した。
大使は、マドゥロ大統領の拘束を「国際法違反の拉致」と激しく非難すると同時に、米国との間で進められている実務的な対話の進展を明らかにした。現在、ベネズエラではデルシー・ロドリゲス副大統領が大統領代行として暫定的に国政を担っており、米国政府との間で外交・政治的対話を通じた事態の打開を図っている。
交渉の最大の焦点となっているのは、石油資源の取り扱いである。 イシカワ大使によると、ベネズエラ政府は1月7日に米国との間で20億ドル(約3000億円)規模の原油売却契約を締結しており、すでにその一部として3億ドルがベネズエラ中央銀行に振り込まれたことを公表した。
これに合わせ、ベネズエラ側は外国資本による石油開発を広く開放する「石油産業法」の改正を実施し、対する米国側も商業航空路線の再開や一部の経済制裁緩和を認めるなど、実務レベルでの進展が見られている。大使は「石油は交渉材料ではなく国家資源そのものである」と述べ、対等な関係に基づく取引の重要性を強調した。
国内情勢について、大使は米国からの圧力が続く中でも国家機能は維持されており、社会は安定しているとの認識を示した。 一部で報じられている世論調査の結果に対し、大使は国内の独立した調査機関のデータを引用し、ロドリゲス大統領代行の対応への支持が79%に達する一方、米国の軍事介入には94%が反対していると反論した。
会見中には、ニューヨークで拘束されているマドゥロ大統領の息子、ニコラス・マドゥロ・ゲラ国会議員からのビデオメッセージも公開され、大統領夫妻が強い意志を持って拘束に耐えている状況が伝えられた。
今後の平和構築に向けたロードマップとして、大使は米国一国に依存しない「マルチな石油開発体制」への移行を掲げた。中国、ロシア、南米諸国に加え、日本を「信頼できるパートナー」として歓迎する意向を表明し、多国間協調の中でエネルギー供給の安定を図ることが長期的な平和につながると訴えた。
一方で、2024年の大統領選挙の正当性を問う質問に対しては、司法・選挙委員会を含む国内の権力機関がマドゥロ氏の勝利を正式に確認しているとし、新たな選挙は憲法に基づき現任期が終了した際に行われるべきだとして、早期の選挙実施には否定的な見解を示した。
米国の軍事介入という異例の事態にあっても、ベネズエラ政府は石油取引を通じた実務的な対話で主権の回復と経済の立て直しを目指している。大使は会見の最後、国際社会、特に日本に対して冷静かつ誠実な報道と、人道的側面への注目を強く求めた。
更多新聞請搜尋🔍風傳媒日文版
最新ニュース
新旧クイーン、20年ぶりの「奇跡のランデブー」 ロングビーチ沖に響き渡る継承の汽笛英国のラグジュアリー・クルーズ・ライン、キュナードが運航するフラッグシップ「クイーン・メリー2」は、現地時間2026年2月2日、カリフォルニア州ロングビーチ沖にて初代「クイーン・メリー」と20年ぶりとなる歴史的な再会を果たしました。
世界唯一のオーシャンライナーであるクイーン・メリー2が、自身の名の由来となった伝説の名船とランデブーを遂げたこの瞬間は、海事史......
2026年日本語能力試験、国内受験は在留者に限定へ 申し込みに在留カード情報が必須化日本国際教育支援協会は、2026年に実施される日本語能力試験(JLPT)の国内試験について、受験対象者を原則として日本国内の在留管理制度における中長期在留者および特別永住者に限定すると発表した。これにより、観光などの短期滞在者は、日本国内での受験が事実上不可能となる。今回の変更に伴い、インターネットによる申し込みの際、在留カード等の番号および有効期限の入力が......
『新戦略兵器削減条約』本日失効 英エコノミスト誌が警告する「破滅的誤算」と世界平和への脅威冷戦後の核の安定を支えてきた最後の砦が、音を立てて崩れようとしている。米露間の核軍備管理を定めた「新戦略兵器削減条約(新START)」が期限を迎える中、米国に更新の意思はなく、中国は冷戦のピーク時以来という猛烈なスピードで核戦力を増強している。かつての米露対立の構図は今、「同じ瓶に閉じ込められた3匹のサソリ」という極めてリスクの高い局面へと変貌した。英誌『エ......
平野歩夢が「チーム・コロナ セロ」入り ミラノ・コルティナ五輪へ向け世界的ブランドとタッグAB InBev Japan 合同会社は2026年2月4日、同社が展開するノンアルコールビール「コロナ セロ(Corona Cero)」について、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックに向けたグローバル・アスリート・アンバサダー総勢10名を発表した。 日本からは、スノーボードの平野歩夢選手が選出された。世界のトップ10「チーム・コロナ セロ」「Team......
台湾初の「中国出身」国会議員に解職の危機 国籍放棄できぬ特殊事情と「安保リスク」の壁台湾民衆党の比例代表名簿に基づき繰り上げ当選し、台湾史上初の中国籍配偶者(陸配)出身の立法委員(国会議員)となった李貞秀氏の就任を巡り、憲法および国籍法に関わる「二重国籍」論争が激化している。李氏は4日、党団記者会見に出席し、政府機関の要求に従い補足資料を提出する意向を示したが、所管する内政部(内務省)および与党・民進党は、「公職者の二重国籍は認められない」......
レゴランド東京×ズーラシアが春コラボ!相互割引や「動物ビルド体験」開催、2月6日からマーリン・エンターテイメンツ・ジャパン株式会社が運営する「レゴランド®・ディスカバリー・センター東京」(港区台場)は4日、よこはま動物園ズーラシアと連携した新イベント「レゴ®アニマルアドベンチャー」のメディア向けお披露目会を開催した。イベントは2月6日から4月19日までの期間限定で開催されるもので、お笑いコンビのチョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)が「......
デンソー、第3四半期は増収減益 通期営業利益予想を5350億円に下方修正自動車部品大手の株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:林新之助)は2月3日、2026年3月期第3四半期(2025年4月~12月)の連結決算を発表した。売上収益は前年同期比3.9%増の5兆4955億円と伸長したものの、営業利益は同6.4%減の3759億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同12.5%減の2737億円となり、増収減益の結果となった。同社......
【訃報】台湾の名プロデューサー袁惟仁氏が死去、57歳 フェイ・ウォンらに楽曲提供、闘病8年中華圏の音楽シーンを牽引した名プロデューサー、袁惟仁(ユアン・ウェイレン/愛称:小胖老師)氏が2026年2月2日、台湾・台東の実家で死去した。57歳だった。 2018年に脳内出血で倒れて以来、8年間にわたる過酷な闘病生活を続けていたが、最後は家族に見守られながら安らかに息を引き取った。「征服」や「旋木」…数々の名曲を遺して袁氏は1990年代から2000年代......
阿部守一・全国知事会長「社会のOS更新を」 人口減対策、国主導の医療費統一など求める全国知事会長を務める阿部守一・長野県知事は2026年1月29日、日本記者クラブで「人口減少時代を生きる」をテーマに会見し、加速する人口減少に対応するためには「社会の基本設計(OS)をアップデートする必要がある」と訴えた。阿部氏は、明治維新以降の人口増加を前提とした社会システムが限界を迎えていると指摘し、国に対し、対症療法ではない長期的な国家ビジョンの転換を求......
【深層】台湾海峡、民進党政権10年の死角 「中国研究」の空洞化で高まる軍事誤算のリスク民進党が政権を掌握して今年で10年。この10年という歳月は、台湾海峡を取り巻く知的環境を大きく変貌させた。 2008年から2016年にかけての国民党・馬英九政権時代、いわゆる「中台交流の黄金の8年」を現場で支えた双方のベテラン研究者たちが、相次いで定年を迎え、表舞台を去っているからだ。民主主義陣営の最前線に位置し、地緣政治的な激動の渦中にある台湾だが、肝心の......
2025年日本酒輸出は458億円で復調、数量・金額ともに増加へ日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」を展開する株式会社Clear(東京都渋谷区、代表取締役CEO:生駒龍史)は4日、財務省の最新貿易統計(2025年12月確定値)に基づいた2025年の年間輸出実績と市場分析を発表した。同社の集計によると、2025年の日本酒輸出金額は約458億7900万円(前年比105.5%)、輸出数量は約3万3549キロリットル(同1......
「世界への道」か「第二の西進」か 頼清徳総統、国民党訪中を牽制 経済戦略で真っ向勝負台湾の頼清徳総統は3日、「米台経済繁栄パートナー対話(EPPD)」に関する記者会見を開いた。中国を訪問しシンクタンク交流フォーラムに参加した国民党の蕭旭岑副主席の動きと時期が重なったことについて、意図的に比較したものではないとした上で、「結果として国民が比較できる状況になった」と述べた。頼氏は、「米国、日本、欧州の友好国と連携して世界に向かうのか、それとも再......
仏検察がXと決裂、公式アカウント停止し「家宅捜索」へ マスク氏を召喚、児童ポルノ等で捜査拡大世界的なSNS大手のX(旧ツイッター)が、欧州で最も厳しい司法的試練に直面しようとしている。フランス・パリ検察庁は3日、同庁のサイバー犯罪対策部門(J3)が、欧州刑事警察機構(ユーロポール)の支援を受け、パリにあるXのオフィスを家宅捜索したと発表した。BBCの報道によると、今回の家宅捜索は、2025年1月に開始された予備調査に端を発している。当初、パリ当局は......