2026年の台湾政界最大のイベントである統一地方選挙(九合一選挙)に向け、党内予備選が本格化している。 『新新聞』は2022年に直轄6都市の議員候補者の資産調査を行ったが、今年は「権力の継承」という視点から、予備選の背後にある派閥と家族勢力の盛衰を分析する。
2024年の立法院(国会)選挙では、徐巧芯氏や王世堅氏ら13名のスター議員が国政に転出した。さらに、公職選挙法の「排黒条項(組織犯罪関与者の出馬禁止)」や、議員活動費(助理費)の不正受給問題による資格停止、引退表明などが重なり、今回の直轄6都市議員選では少なくとも46議席分の「空席」が発生する見込みだ。
ここに、国民党と民衆党の協力関係、いわゆる「国民党・民衆党協力」の不確実性が加わり、選挙戦の構図は極めて複雑なものとなっている。
「中選挙区制」が阻む野党協力の壁
今年の地方選が過去と最も異なる点は、「国民党・民衆党協力」の行方だ。 新竹や台中での「試験的協力」、そして2024年の総統・立法院選での「再挑戦」を経て、今回はその協力範囲が市議会議員選挙にも拡大されようとしている。 しかし、1選挙区から1人を選ぶ立法院の「小選挙区制」とは異なり、市議選は1選挙区から複数人を選ぶ「中選挙区制(大選挙区制)」だ。 ただでさえ現職の票が分散するリスクがある中で、さらに他党の候補者を調整して擁立することは、古参議員にとっても新人にとっても脅威であり、党を超えた協力の難易度は格段に高い。
「市長は応援に来ないで」現場の本音
台中市西屯区を例に見てみよう。民衆党から出馬予定の「小草の女神(小草は民衆党支持者の愛称)」こと劉芩妤氏は、メディアの取材に対し、「西屯区はもともと国民党の地盤が強く、民衆党との協力は有利に働かない。互いに攻撃しないことが精一杯で、助け合うのは難しい」と語っている。これは、現場レベルでの「藍白合」が、あくまで「兄弟登山(兄弟でも山登りはそれぞれの努力が必要)」の域を出ないという現実を映し出している。
より率直な発言は、台北市でも飛び出した。国民党のベテラン議員・秦慧珠氏は先日、同じ選挙区から出馬予定の民衆党候補・許甫氏(民衆党副秘書長)について、「妻の陳智菡氏(民衆党スポークスマン)と合わせて『一人が出馬し、二人が発信力を持つ』強力なコンビだ。前回の候補者より脅威だ」と警戒感を露わにした。その上で、「蔣万安市長(国民党)は許甫氏の応援演説に行かないでほしい」と公然と要求したのだ。これに対し許甫氏側も、「民衆党の『牽引役(母鶏)』は蔣万安氏ではなく、柯文哲氏と黄国昌氏だ」と反論。トップダウンの協力構想が、現場レベルでは資源の奪い合いと猜疑心を引き起こしている実態が浮き彫りになった。 (関連記事: 【台湾・統一地方選2026】盧秀燕・陳其邁の「次」を見据えた代理戦争 直轄6都市で激化する「直系候補」の椅子取りゲーム | 関連記事をもっと読む )

「大罷免運動」と「京華城事件」が作った協力の余地
しかし、協力の芽が完全に摘まれたわけではない。昨年起きた二つの政治的事件、民進党による「国民党議員への大罷免運動」と、民衆党の柯文哲主席を巡る「京華城事件」の司法リスクは、両党が手を組まざるを得ない状況を作り出した。 実際、前回「国民党・民衆党協力」の試験区となった基隆や台中では、今回の予備選において、国民党市長の直系候補が「民衆党」の旗を掲げて出馬するケースが散見される。























































