トップ ニュース X幹部が暴露、中国「ポルノボット」部隊の実態 張又俠氏失脚説の裏で1000万アカウントが覚醒か
X幹部が暴露、中国「ポルノボット」部隊の実態 張又俠氏失脚説の裏で1000万アカウントが覚醒か 2025年3月5日、北京の人民大会堂で全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議)の開幕式に出席した中国中央軍事委員会副主席・張又俠氏。(写真/AP通信提供)
X(旧Twitter)のプロダクト責任者が衝撃的な事実を認めた。中国政府は国内で政治的な動揺が生じるたびに、数千万規模の「スリーパーアカウント(休眠アカウント)」を起動させ、大量のアダルトコンテンツやスパム広告でプラットフォームの検索結果を埋め尽くし、市民がリアルタイムの真相にアクセスするのを阻止しているという。 今回、中国共産党中央軍事委員会の張又俠(チョウ・ユウキョウ)・副主席の失脚説が流れる中、検索欄という戦場で再びこの「見えざる戦争」が勃発している。
SNSで現在進行形の政治的事件を検索しようとしても、現場の映像や多角的な評論ではなく、画面を埋め尽くすのは大量のアダルト広告、違法ギャンブルへのリンク、そして無意味なスパムメッセージだ。X社は、これが単なる偶然やアルゴリズムの不具合ではなく、周到に計画された「デジタル情報戦」である可能性を指摘している。
「中国語検索は壊れている」ユーザーの苦情が発端 事の発端は、あるXユーザーによる怒りの投稿だった。このユーザーはイーロン・マスク氏と、Xのプロダクト責任者であるニキータ・ビアー(Nikita Bier)氏をメンションし、「Xにおける中国語検索機能はすでに壊れている」と直言した。特定のキーワードで検索しても結果はスパムや違法広告で溢れかえり、有益な情報に辿り着けないばかりか、「from:」コマンドを使って自身の過去48時間の投稿を検索することさえ不可能になっていたという。
Chinese search on X is broken. It’s filled with spam and illicit ads, making it impossible to find useful info. Also, when using the 'from:' filter to search my own posts, many from the last 48 hours are missing from the results. Given the surge in Chinese-speaking users,…
— 外汇交易员 (@fxtrader)January 30, 2026
1000万規模の「スリーパーアカウント」が覚醒 さらに驚くべきは、このサイバー部隊の規模だ。ビアー氏は、これらスパムメッセージの供給源が、500万から1000万個にも及ぶ巨大な「ゾンビアカウント・プール」にあると明かした。これらのアカウントは、X社が新規登録への取り締まりを強化する前に作成され、潜伏していた「スリーパー」であり、指令を受けると一斉に覚醒し、大規模な情報撹乱(かくらん)を実行する仕組みになっているとみられる。
ビアー氏は具体的な解決策については言及を避けたが、この現象は今回が初めてではない。2022年末、中国でゼロコロナ政策への抗議デモ(白紙運動)が起きた際にも、研究者やジャーナリストは、ボットと思われるアカウントが大量の中国語アダルトコンテンツやギャンブル広告を投稿し、抗議活動に関する検索を妨害している事実を確認している。
中国政府がスパム配信に直接関与しているという決定的な証拠(IPアドレスや公文書など)は提示されていないものの、ビアー氏の投稿は、このスパム作戦が極めて大規模であり、北京の黙認、あるいは指示の下に行われていることを示唆している。Xは中国国内でブロックされているが、『PCMag』は、多くの中国ユーザーがVPN(仮想プライベートネットワーク)を使用して壁を越え、検閲のない政治ニュースや動乱の情報を入手しようとしていると指摘する。研究者らは長年、中国政府が海外SNS上で偽アカウントやボットを駆使し、プロパガンダを拡散していると疑ってきた。
スタンフォード大学インターネット観測所(Stanford Internet Observatory)もかつて、これらスパムアカウントの活発化と抗議活動の発生時期が高度に重複していることを指摘している。今回、X社幹部が公にこの関連性を認めたことは、これが北京による組織的な作戦であることを裏付ける形となった。
「青バッジ」の効果とマスク氏のジレンマ この事件で最も興味深いのは、イーロン・マスク氏の立ち位置だ。 2022年10月のTwitter買収以来、マスク氏は「言論の自由」を掲げ、プラットフォーム上のボット撲滅を誓ってきた。有料サブスクリプション「X Premium」(青バッジ)の導入も、課金による障壁で偽アカウントの氾濫を抑止する狙いがあった。しかし、ビアー氏が暴露した「数百万の潜在的ボット」の存在は、ボットとの戦争が依然として道半ばであることを露呈している。
さらに状況を複雑にしているのが、マスク氏と中国との関係だ。テスラ(Tesla)が中国市場とサプライチェーンに深く依存していることは周知の事実であり、上海ギガファクトリーの年間生産能力は100万台に迫る。マスク氏自身も中国に対して友好的な姿勢を見せており、トランプ前大統領(当時)による中国製EVへの関税強化に反対し、「関税ゼロ」を支持するなど、北京への配慮を隠さない。
これまで中国の人権問題や情報検閲に対し、慎重かつ回避的な態度をとってきたマスク氏。しかし今回、部下であるビアー氏が「中国政府」をプラットフォーム破壊の元凶として名指ししたことは、北京の不興を買い、テスラの中国事業に影響を及ぼすリスクを孕んでいる。これはテクノロジー業界のみならず、地政学的な観点からも注視すべき点だ。
デジタル鉄のカーテン下の「黄色い霧」 中国国内のネットユーザーにとって、壁の外の世界に触れるには法的リスクを冒してVPNを使用するほかない。しかし、ようやく「防火長城(グレート・ファイアウォール)」を越えた彼らを待っているのは、北京が輸出した「黄色い霧(ポルノスパム)」による視界不良だ。X社は「解決に努めている」とするが、技術専門家の多くは、これを困難な「いたちごっこ」だと見ている。
これらの「スリーパーアカウント」は何年も前に作成され、正常な登録タイムスタンプを持ち、一部は人間の行動パターンを模倣しているため、アルゴリズムによる一斉排除が難しい。さらにAI技術の進化により、将来のボットはより欺瞞性に富み、生成されるスパム内容は本物のコンテンツと見分けがつかなくなるだろう。情報の自由を巡る攻防は、新たなフェーズに突入している。
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