「米国の言いなり」を拒否したカーニー首相の賭け 中国からの菜種大量受注は「劇薬」か カナダ財界に広がる戦慄

2026-01-31 21:02
2026年1月15日、北京に到着し、中国の李強首相と共に儀仗隊を観閲するカナダのマーク・カーニー首相。(写真/AP通信)
2026年1月15日、北京に到着し、中国の李強首相と共に儀仗隊を観閲するカナダのマーク・カーニー首相。(写真/AP通信)

トランプ米大統領の強硬な圧力により、オタワ(カナダ政府)とワシントンの関係は氷点下に達している。カナダのマーク・カーニー首相は、ダボス会議(世界経済フォーラム)でトランプ氏による国際秩序の破壊を暗に批判する一方、水面下で北京を訪問。菜種(キャノーラ)貨物船10隻分の大口契約を取り付け、カナダ農業の急場を凌いだ。

ホワイトハウスから電話会談での態度を「弱腰で退縮した」と指弾されると、カーニー氏は「現在の米国にまともなことなど殆どない」と強烈に反論。

中國からのオリーブの枝 菜種貨物船10隻の大口注文

​ロイター通信がシンガポールと北京から得た独占情報によると、カーニー首相が今月初旬に極秘裏に北京を訪問した直後、中国の輸入業者がカナダ産菜種を積んだ貨物船最大10隻を迅速に確保したという。

事情に詳しい2人の貿易商によれば、貨物は1ロットあたり約6万5,000トンで、今年2月から4月にかけて船積みされる予定だ。総量65万トンと仮定した場合、この単発契約だけで中国の2024年年間輸入量(639万トン)の10%強、前年の輸入総量(約250万トン)に対しては26%にも相当する規模となる。

この取引の裏には、年初に中加間で交わされた「手打ち」がある。カナダが中国製電気自動車(EV)に対する関税障壁を引き下げる見返りに、北京側がカナダ産菜種の輸入規制を緩和するという合意だ。この取引によりカナダの農家は一息ついたかもしれないが、地球の裏側にいるオーストラリアの農家にとっては不意打ちとなった。

ロイターによれば、中国国有の食糧大手「中糧集団(COFCO)」は最近、約50万トンのオーストラリア産菜種を購入したばかりで、豪州農家は市場回復を期待していた。しかし、カーニー氏と北京の和解により状況は一変。情報筋によると、すでに中国に到着している豪州産菜種2船分はまだ加工が始まっておらず、中国の巨大な搾油業界は、カナダからの大量入荷を待つ「待機状態」に入っているという。ある国際農業商社の関係者は「豪州産の貨物がどうなるか不透明だ」と懸念を示している。

米政府の侮辱とカーニー氏の応戦

​北京の注文が「アメ」なら、ワシントンは依然として「ムチ」を振り回している。

カーニー氏は先日のダボス会議で、「中堅国家(ミドルパワー)」に対し、「国際秩序がまだ機能しているフリをするのはやめるべきだ」と呼びかけた。さらに「旧秩序は戻らない」と断言し、強大国(米国を指すとみられる)が同盟国に対して経済的威圧を行っていると示唆、各国は自衛のために結束すべきだと訴えた。現在の「MAGA(Make America Great Again)」の雰囲気下において、この発言はトランプ氏への公然たる挑戦に等しい。
(関連記事: 「国際ルールはもはや虚構だ」カナダ・カーニー首相がトランプ氏を批判、中等強国へ「戦略的自律」と連携を呼びかけ 関連記事をもっと読む

これに対し、ベッセント米財務長官はFOXニュースで、カーニー氏がトランプ氏との電話会談において「ダボスでの不幸な発言を撤回した」と述べ、カナダ首相がトランプ氏の前で「弱腰になり謝罪した」かのような印象操作を行った。

最新ニュース
「米国は恩人、中国は身内」台湾野党トップが新定義 政府は痛烈皮肉「倒産を狙う親戚など不要」
Nothing、2026年を「フェーズ2」と位置づけ事業戦略を発表 東京への直営店出店や「Phone (4a)」投入を計画
【猫の日】エキュート日暮里・立川で「猫の日フェア」2月4日開幕!限定スイーツや招き猫グッズなど『猫づくし』の1ヶ月
舞台裏》「プレミア12」優勝の立役者が台湾国会の司令塔に?民進党内紛で浮上した「リリーフ」蔡其昌氏
持久系エナジージェル「WARABEAT!!」が発売3か月で10万本突破、期間限定キャンペーン開始
「習近平が私を捕らえるなら公開を」張又俠氏の「密書」拡散 軍事クーデター説と台湾侵攻反対の真相
呉典蓉コラム:「自由はタダではない」が単なるスローガンと化す時、支払わされる真の代償は「民主主義」だ
マドゥロ拘束後のベネズエラ、トランプ政権が選んだ「理念より石油」の冷徹な実利主義
紛争下の性暴力、前年比25%増の4,600件超「氷山の一角に過ぎない」 国連特別代表が都内で警鐘、米トランプ政権の動向に懸念も
王子ネピア「ネピアテンダー」を大幅刷新 皮膚トラブル防止と「世界最小級」のコンパクト化で現場の負担を軽減
元陸自・五ノ井里奈さん、国と和解成立「自らの足で歩むスタート」 性被害訴訟が終結、新団体設立も発表
テスラ、Model S・Xの生産終了を正式表明 マスク氏「車は過渡期」、人型ロボット「Optimus」に社運を賭ける
3兆円の巨額投資、日本が水素エネルギーに「国運」を賭ける理由
台湾の至宝・徐若熙がソフトバンク入団会見 背番号「18」を背負い「毎年10勝」、3年後のメジャー挑戦を宣言
【独占インタビュー】「米国は恩人、中国は身内」国民党・鄭麗文主席の新路線を読み解く 蕭旭岑副主席が語る「鄭・習会談」の行方と孤立する頼政権
【評論】米中対立下で中国貿易が過去最高を記録 米国の「封じ込め政策」は失敗か
【衆院選2026】高市首相が仕掛けた「二者択一」の究極の戦略 台湾学者が読み解く「自民単独過半数」のシナリオ
ベッセント長官「介入否定」で円急落 専門家が警告する「高市リスク」と2026年のインフレ衝撃
保温ボトルにコーヒーや茶は危険?医師が警告、重金属が溶け出す「2つのNG習慣」と正しい買い替え時期
米国、「米中首脳会談」に向け対中軟化へ?新戦略から「台湾」消失の衝撃 「トランプ2.0」新国防戦略が描く米中台の激変シナリオ
【掲仲コラム】張又侠氏「粛清」の深層と衝撃 習近平氏が恐れた「2つのレッドライン」とは
【インタビュー】ドゥ・ジエ監督最新作『椰子の高さ』2月6日公開 世界的撮影監督が足摺岬の自然と「測り得ない意識」を捉えた渾身の一作
【2026 WBC】日本代表新ユニフォームが登場 大谷翔平・村上宗隆ら15選手のグッズ、30日より先行予約開始
韓国大統領が警告する半導体価格「倍増」のシナリオ 「100%関税」の脅しは米AI産業への自爆テロか
張又侠氏失脚は台湾侵攻を遠ざけるのか、近づけるのか?専門家が指摘する「独裁者の暴走」と「判断ミス」の恐怖
「中国も真似する?」ベネズエラ斬首作戦が逆に台湾侵攻を止める理由 ルビオ米国務長官「世界で米国にしかできない」
東京都、「水素がうごかす未来シティ」開催へ ゆうちゃみと学ぶ水素エネルギー、高輪ゲートウェイシティで無料体験
【アルバート・リュウの視点】台湾はもはや「善意」で世界を解釈してはならない 半導体流出とグリーンランド騒動の点と線
政府、尖閣漁船に「水面下」で自粛要請 高市首相「台湾有事」発言でトランプ氏介入も
【春節】中国人の旅行先トップは日本から「あの国」へ 日本は60%減の衝撃予測、外交摩擦がインバウンド直撃
「高給清掃員」契約のはずが戦場の最前線へ ロシア軍の「捨て駒」にされたバングラデシュ人男性の告白
関西初!「GREEN×EXPO 2027」常設公式店が神戸・三宮に1月30日オープン マスコット撮影会も
張又俠氏の失脚は「台湾海峡の危険信号」か?米在住の翁履中氏が指摘「中国は“滑走路”を整備中」、台湾が最も恐れる「一点」とは
もはや習近平氏の台湾侵攻を止める者はいないのか?張又侠氏ら軍トップ失脚の衝撃 研究者が読み解く中国軍の「次の一手」
台湾元総統・陳水扁一家の「3億ドル着服」疑惑、渦中の人物・余金宝氏の正体 国民党マネーを動かす「政商」の闇
「韓国国会はなぜ批准しないのか」トランプ氏、米韓協定を破棄、25%の報復関税を即時適用へ
【舞台裏】「自由はタダではない」米国の圧力に揺れる台湾野党 1.25兆台湾ドルの巨額軍事予算、国民党の苦悩と決断
中国共産党、1年で約100万人を処分 軍トップ張又俠氏も標的か 習近平氏が抱える「権力の焦り」と統治のジレンマ
高市首相、与党過半数割れなら「即刻辞任」を明言 衆院選へ背水の陣
「ヤマザキビスケット、映画ドラえもん『新・のび太の海底鬼岩城』オリジナルパッケージの製品を2月から順次発売!「どらやき風ノアール」も登場
台北101を「命綱なし」で制覇 米オノルド氏の偉業とNetflix生中継が問う「死のリスク」と報道倫理
台湾華語教育、世界100カ所体制へ 徐佳青・僑務委員長が仙台の学習センター開所式に出席
米主導の「対中包囲網」に風穴 EU・カナダが中国と相次ぎ和解、揺らぐEVデカップリング
「日台友情の象徴」李琴峰氏や東山彰良氏の作品など3万冊 日台交流協会が寄贈、2026年開館の台南新国家図書館分館に収蔵へ
【舞台裏】台湾軍「サイバー部隊」に戦力空白の危機?中国の指名手配が示す実力と、組織再編の真実
トランプ氏、ペンギン画像で「グリーンランド執着」示す?英米研究者が指摘する「資源開発」の不都合な真実
2026年こそ「運命の分岐点」?習近平の焦燥とトランプ外交の空白が招く、台湾有事「3つの引き金」
中国、日本渡航制限の次は「台湾旅行解禁」か 憶測呼ぶ契約更新、台湾当局は「定例事務」と一蹴
【特別寄稿】映画『国宝』の狂気と高市早苗の覚悟 映画と政治が共振する「日台運命共同体」の行方
命綱なしで台北101の頂へ アレックス・オノルドはいかにして「恐怖」を飼いならしたか?王者が語る極限の心理と死生観