米ホワイトハウスの公式SNSは1月24日未明、トランプ大統領がペンギンと手をつないでグリーンランドに上陸しているAI合成画像を投稿した。これはトランプ氏が依然として同島の土地や鉱物資源を虎視眈々と狙っていることを示唆するものと受け止められている。しかし、英米の研究者らは、インフラの欠如や進行する地球温暖化を背景に、同島での資源開発は安全面でも経済面でも「割に合わない」と冷ややかな視線を送っている。
なぜグリーンランドの資源は「無用」なのか?
トランプ氏がグリーンランドへの関心を公言して以来、同島に眠る膨大な天然資源は常に議論の的となってきた。だが、英サセックス大学(University of Sussex)グローバル・スタディーズ学部のルカス・スロトゥース(Lukas Slothuus)博士研究員は、その豊富な資源が必ずしも巨額の利益にはつながらないと分析する。
スロトゥース氏は先ごろ、欧米の学術交流サイト「ザ・カンバセーション(The Conversation)」への寄稿で次のように指摘した。首都ヌークを除けば、島内には道路インフラがほぼ存在せず、大型タンカーやコンテナ船が停泊できる深水港も極めて限られている。そのため、最初の鉱物を掘り出し、最初の一バレルの石油を得るだけでも、莫大な設備投資が必要となる。
さらにスロトゥース氏は、原油・天然ガス価格の変動リスクに加え、過酷な気候条件やインフラの課題を挙げ、「たとえ米国がグリーンランドを完全に掌握したとしても、現地での化石燃料生産は非現実的だ」と断じた。
スロトゥース氏の分析によれば、トランプ政権が北極圏の主導権を握りたい最大の理由は、ロシアや中国との競争における優位性確保であり、資源開発そのものが核心的な目的で ある可能性は低いという。 また、米国はすでにデンマークとの防衛協定に基づき島内に軍事基地を有していることから、スロトゥース氏は近年の米国の動きについて、「帝国主義的野心が再燃していることを示す一例に過ぎない」と結論付けた。

地球温暖化が「資源の価値」を奪う?
米バーモント大学(University of Vermont)のポール・ビアマン(Paul Bierman)教授(天然資源・環境科学)も同様に寄稿し、地球温暖化の影響で氷河の融解やフィヨルドでの地滑りが頻発しており、トランプ氏が狙う石油や鉱物の採掘は極めて危険であると警告した。
ビアマン氏は、2025年に行われた米議会公聴会に言及した。そこでは議員や専門家が、重要鉱物、化石燃料、水力発電といった同島の戦略的価値を熱心に議論したものの、開発に伴う不可避のリスクについては誰も触れなかったという。「そのリスクの多くは、人為的な気候変動によって悪化しているにもかかわらずだ」と氏は指摘する。
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ビアマン氏はこう続ける。北極圏の温暖化スピードは地球上のどの地域よりも速い。「この急速な温暖化は、現地の住民や労働者、資源開発業者、そして世界中の人々に、すでに甚大な経済的・人的リスクをもたらしている」と批判した。
















































