台湾の今年度国防予算9495億台湾ドル(約4兆7,475億円)および国防特別予算1兆2500億台湾ドル(約6兆2500億円)が立法院(国会)で審議入りできず停滞している中、林佳龍外交部長(外相)は22日、メディアのインタビューに応じた。 林氏は、トランプ米政権下での米台関係における重要要素として「関税」と「武器売却(国防予算)」の2点を挙げ、トランプ大統領の発言については「一語一句を翻訳するのではなく、その背後にあるビジネスロジックや真意を読み取るべきだ」と述べ、野党に対し国防予算の審議入りを強く求めた。
同日には米国在台協会(AIT)のレイモンド・グリーン所長も講演を行い、「米国が支援できる度合いは、台湾自身の自助努力にかかっている」と警告を発している。
米台関係を左右する「2つの要素」
林氏はラジオ番組のインタビューで、トランプ大統領の就任から1年が経過した現在の米台関係について分析した。 「関税」と「武器売却」が双方向の関係に影響を与えているとし、関税交渉は投資を含む相互利益(ウィンウィン)の創出にあると指摘。一方で、武器売却については「天は自ら助くる者を助く(自助人助)」の原則に基づき、台湾が自己防衛の決意を示す手段であると説明した。
林氏は「国防予算や特別予算は、この決意を具体的に示すものであり、米台関係にとって極めて重要だ」と強調した。
「トランプ氏はビジネスマン」言葉の裏を読む必要性
林氏は、トランプ氏を徹底した「ビジネスマン」であると評した。もし台湾が応分のコストを支払わず、国防予算も増やさなければ、トランプ氏は台湾防衛の必要性に疑問を抱くだろうと分析する。
「トランプ氏の発言を聞く際は、単に逐語訳をするのではなく、彼が何を意図しているのか、その『意味』を理解する必要がある」
林氏はそう述べた上で、トランプ政権が発表した「国家安全保障戦略」や「台湾保証実施法」への署名などの実績を挙げ、「実際にはバイデン前政権以上に台湾を重視している部分もある」と評価。「米国がこれだけ動いている以上、我々も当然、自らの役割を果たさなければならない」と訴えた。
AIT所長も警告「自由はタダではない」
同日、国防安全研究院の座談会に出席したAITのグリーン所長も、台湾の防衛努力について言及している。グリーン氏は「自由は天から降ってくるものではない」とし、米国がパートナー国を支援できる程度は、その国が自身の安全のためにどれだけ努力するかに比例すると指摘。「米国単独で第一列島線の防衛を担うことは不可能であり、すべきでもない」と述べ、台湾を含む同盟国に国防投資の増額を求めた。
周辺国も増額、「台湾だけ増やさない」は通用せず
林氏は、米国がインド太平洋の第一列島線を単一の戦区として捉えている現状にも触れた。 「日本、韓国、フィリピンといった周辺国も軒並み国防予算を増やしている。台湾を守ろうとしている米国自身も予算を増やしている中で、当事者である我々が増やさないわけにはいかない」
林氏は、野党が特定の予算項目に疑義を持っているとしても、「まずは委員会に付託し、審議の中で不必要な項目を削除すればよい」と主張。国防予算案を速やかに審議のテーブルに乗せることが、台湾の国益と外交にとって不可欠であると呼びかけた。
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編集:柄澤南 (関連記事: 台湾奪取は「最も困難な軍事作戦」になる トランプ流の現実的戦略へ「日韓・比豪」と連携し台湾を守る、米国が第一列島線に最先端防衛力を配備 | 関連記事をもっと読む )
















































