国際情勢がわずか数日の間に急激な温度上昇を見せている。イランのデモに端を発する人権危機、不透明なシリア情勢、そしてグリーンランド問題を巡る米国の強硬姿勢は、NATO(北大西洋条約機構)やEU、そして世界市場の神経を逆撫でし続けている。
地政学的リスクと貿易摩擦が複雑に絡み合い、株式市場の急落とリスク回避(リスクオフ)ムードを誘発。国際社会において安全保障、人権、経済への不安が拡散している。複数のフロントで同時にリスクが高まる中、各国の外交政策はどう変化するのか。「風傳媒(Storm Media)」取材班が、今押さえておくべき国際ニューストップ5を解説する。
1. 国連人権理事会が緊急会合へ イランの「暴力弾圧」に焦点
国連人権理事会は、イラン国内で続く空前のデモと政府による暴力的な鎮圧を議論するため、1月23日(金)に緊急会合を開催することを決定した。この会合はドイツ、英国、アイスランドを含む21カ国の共同提案によるもので、「衝撃的な暴力行為」と国際人権法違反の疑いを追及する狙いがある。
イラン当局はデモによる死傷者が数千人に上ることを確認しているが、暴力の源泉は治安部隊への武装攻撃にあると主張している。これに対し、フォルカー・ターク国連人権高等弁務官は平和的な抗議者への暴力を強く非難。危機の徹底的な調査と基本的人権の保護を求めた。ヒューマン・ライツ・ウォッチなどの国際組織も、被害者の正義を実現するため、調査規模の拡大を訴えている。
2. トランプ大統領「後戻りできない」 グリーンランド問題でNATO関係悪化
トランプ米大統領は世界経済フォーラム(ダボス会議)を前に、グリーンランド問題に対する強硬姿勢を改めて示した。同自治領の管理計画について「もはや後戻りできない(不可逆的である)」と述べ、安全保障上の必要性を強調。あらゆる選択肢を排除せず、武力行使の可能性さえ示唆したことで、NATO同盟国に動揺が走っている。
フランスのマクロン大統領を含む欧州の指導者たちは、米国の動きを「新植民地主義」と激しく非難。カナダのトルドー首相も、グリーンランド関連商品への関税賦課に強く反対している。米政府高官は同盟国に対し報復関税を避けるよう呼びかけているが、市場と政治の緊張は高まる一方だ。この問題はダボス会議の主要議題となっており、EUは政治・安全保障面でより断固とした立場を取ると予想される。
3. 地政学リスクと貿易摩擦で世界株安 投資家心理が冷え込む
トランプ政権によるグリーンランド強硬発言と、対EU高関税の脅威を受け、1月20日の国際金融市場は大きく動揺した。米国株式市場の主要3指数はいずれも過去3ヶ月で最大の下落幅を記録し、投資家の地政学リスクへの懸念が浮き彫りとなった。 (関連記事: トランプ版「新国連」に中国も参加か 1億ドルの「会員権」めぐる米「平和委員会」、中国が招待認める | 関連記事をもっと読む )
欧州およびアジア市場も全面安の展開となり、米ドルの下落に伴い、金や銀などの安全資産(セーフヘイブン)が買われた。市場アナリストは、貿易摩擦に関連する不確実性がリスク資産を直撃し、ボラティリティ(変動率)指数を押し上げたと分析している。米政府高官は「最終的には双方が満足する解決策に至る」と市場の沈静化を図っているが、資本市場の圧力は短期的には解消されない見通しだ。













































