【独占】「クラブを見るだけで手が震えた」元女子ゴルフ世界1位ヤニ・ツェン、11年越しの復活劇 地獄から救ったのは“左打ち”と“自分との対話”

2026-01-21 12:25
(写真/Leon Hung 提供)
(写真/Leon Hung 提供)

かつて世界を制した女王が、長い沈黙を破り再び頂点へ。11年間の苦悩と、それを乗り越えさせた「ゴルフへの愛」に迫る独占取材。

人は、愛するそのことのために、どれほど長く耐え抜くことができるだろうか。

11年前の頂点から、長い時を経て再び掴んだ栄光。「その長い歳月は、まるで天候の変わりやすい試合のようだった」——ヤニ・ツェン(曾雅妮)はそう静かに振り返る。

2025年10月、ウィストロン・レディース・オープン(Wistron Ladies Open)。その数日間、コースは深い霧に包まれていた。ウォーミングアップを終えた直後に天候不良による順延が告げられる。その繰り返される循環は、まるで彼女の選手キャリアそのもののようだった。待機、準備、期待、そして落胆。彼女は10年以上の時を費やし、再び高みへと戻ってきた。

今回、私たちは「微笑みの女王」ことヤニ・ツェンと対面し、決して諦めることのなかった夢への追走劇について語り合った。

久々の晴天、伝説との再会

取材当日は、まぶしいほどの太陽が降り注いでいた。高速鉄道の駅を出ると、暖かい空気が肌を包む。「なんて良い天気だろう、久しぶりの晴れだ」。そう心の中で呟きながら、車はゴルフ場へと向かう。窓の外にはのどかな田園風景が広がり、陽の光を浴びて輝いている。いくつもの小さな丘を越え、目的地に到着した。

コースに近づくと、遠くで一心不乱にクラブを振る人影が見えた。近づくと、彼女はこちらに気づき、少しはにかんだような笑顔を見せて挨拶をしてくれた。彼女こそが、本日の主役、ヤニ・ツェンだ。

ゴルフファンならずとも、その名を知らぬ者はいないだろう。史上最年少でメジャー4大会を制覇(キャリア・グランドスラム)し、台湾の国民的スターとなった伝説のプレーヤー。しかし、彼女はその輝かしい記録の後、長いスランプを経験することになる。それでも、彼女は心から愛するゴルフを手放そうとはしなかった。

「愛しているからこそ、諦めなかった。スランプのまま終わりたくない。自分が一番好きな姿で、コートを去りたいから」

彼女は力強い眼差しでそう語った。その言葉通り、彼女はついに霧を抜け出し、再び朝日を浴びることとなったのだ。

11年ぶりの優勝ロード 悪夢と現実の狭間で

この11年間、彼女は何度も夢を見た。ティーショットを打ち、スコアボードを見上げ、フィールドに立つ夢を。しかし、その直後に悪夢で目を覚ます。頂点から陥落した後、再び優勝カップを手にするまでに11年という歳月を要した。今回の優勝までの道のりもまた、彼女のキャリア同様、未知数な変数に満ちていた。

10月のあの試合を振り返り、彼女は正直に明かす。「最初は決して理想的なスタートではなかった」。緊張に加え、マイクのハウリング音というアクシデントもあり、最初のティーショットは大きく曲がり、体の動きも硬くなっていたという。 (関連記事: 独占インタビュー》「最も美しいNBA日本人記者」 宮河マヤさんの素顔 関連記事をもっと読む

「その時、自分に言い聞かせ続けたんです。『緊張しないで、まだ始まったばかり。あと18ホールあるんだから、試合に集中しよう、影響されるな』と」

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