在日台人Lulu氏、風傳媒インタビュー 偶然たどり着いた不動産業で「日本への帰属感」

2025-06-04 21:12
不動産業界で活躍する在日台湾人のLulu氏が、《風傳媒》のインタビューに応じた。(黃信維 撮影)
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ワーキングホリデーをきっかけに来日し、コロナ禍の困難を乗り越えた後、偶然にも不動産業界へ転職した在日台湾人のLulu氏が《風傳媒》のインタビューに応じた。当初日本に来た目的は、次のキャリアに進む前に異なる人生を体験したいという思いからだったが、今では日本に対して強い帰属意識を抱くようになったという。日本での仕事も順調に進み、旅行を通じて日本各地の環境や文化にさらに愛着を深めた。東北や北海道を訪れたことで、日本での生活を心から楽しんでいると改めて実感したと語った。

来日の経緯とコロナ禍での挑戦

日本に来た当初は、ワーキングホリデービザを利用していた。台湾では栄養士として病院で6年間勤務していたが、キャリアチェンジを決意し、30歳になる前に海外で異なる環境を体験しようと考えた。当時、ワーキングホリデーは非常に人気で、多くの友人たちは欧米やオーストラリアへ向かっていたが、Lulu氏は西洋料理に馴染みが薄く、日本食を特に好んでいたため、日本を選んだという。日本のアイドル文化に特に興味があったわけではないが、日本のドラマを通して好印象を持ち、日本への憧れが芽生えた。

来日後、最初の仕事は友人に紹介された台湾料理店でのアルバイトだった。当時は日本語力が十分ではなかったため、店側が用意した「カンペ」を持ち帰って暗記し、顧客対応に備えた。彼女は、適応期に親切なオーナーに恵まれたことを「非常に幸運だった」と振り返る。しかしその後まもなくコロナ禍が発生し、街にはほとんど人がいなくなり、店舗の客足も大幅に減少した。同僚たちが次々と台湾へ帰国する中、Lulu氏は日本に残り、長時間働くことで安定した収入を得ることができた。そして、ワーキングホリデー期間を終えた後、飲食業以外の仕事を経験することなく、直接不動産業界へ転職することになった。

不動産業界への偶然の転身

ある日、台湾人の顧客との何気ない会話の中で、相手の会社に求人があるかどうかを尋ねたところ、「空きがある」との返事を受け、履歴書を送ることになった。飲食店のオーナーに「どんな職種か確認した方がいい」とアドバイスされ、そこで初めて不動産関連の仕事だと知ったという。彼女自身、「まるで偶然、間違って飛び込んでしまったようなものだった」と振り返るが、今では不動産業界で約4年間働いている。

当初、営業職には大きな抵抗感があった。もともと押し売りが嫌いで、商品やサービスは自分で体験して納得したものだけを人に紹介したいタイプだったからだ。しかし、不動産営業ではこのスタイルが通用せず、最初は大きな不安を抱えていた。 (関連記事: 北海道で震度4以上の地震が相次ぐ 専門家「巨大地震への備えを」 関連記事をもっと読む

それでも、家族や友人、同級生たちは「あなたの性格は営業に向いている」と口を揃えた。彼女は過去にこの分野に携わった経験がなかったため、恐れを感じていたという。しかし幸運にも、コロナ禍で市場が低迷していた時期に業界に入り、会社の先輩たちも比較的時間に余裕があったため、じっくりと知識を習得できた。社内の同僚たちにすぐ質問できる環境が整っていたこともあり、基礎をしっかり築くことができた。そして、少しずつ顧客対応への恐怖心も克服し、自信を深めるようになった。