日本相撲協会はこのたび、24歳の力士・大の里泰輝が第75代横綱に正式に昇進したことを発表した。これは2017年の稀勢の里以来、8年ぶりとなる日本出身横綱の誕生だ。
《共同通信社 》の報道によれば、大の里は本名・中村泰輝。石川県出身で身長192cm。2023年5月にプロデビューを果たし、わずか2年で相撲界の最高位に上り詰めた。そのスピードは驚異的で、たった13場所での横綱昇進は、現行の6場所制が導入された1958年以降では史上最速となる。
Japan has a new sumo grand champion — or yokozuna — and the big news is he's Japanese. Onosato, the new grand champion, weighs 421 pounds and he is the first Japanese competitor to reach the top rank since 2017.https://t.co/MiLZcw3rgW
— CBS News (@CBSNews)June 1, 2025
これまでの最速記録は、同じく石川県出身の第54代横綱・輪島による21場所だった。大の里はこの記録を大きく塗り替えることとなった。
大の里は東洋大学時代からアマチュア相撲で活躍し、2023年に幕下からプロ入り。無敗のまま番付を駆け上がり、9場所目で大関に、そして13場所目で優勝とともに横綱に昇進した。昇進が決まった記者会見で、大の里は「これからはすべてがもっと重くなる。集中して努力を続けたい。横綱の名に恥じぬよう精進し、唯一無二の横綱になりたい」と決意を語った。


横綱は相撲界で唯一、降格のない地位。しかし、成績が伴わなければ事実上の引退を迫られる厳しい立場でもある。これまで最も短命だったのは、1947年に就任した第37代横綱・前田山英五郎で、わずか6場所で引退に追い込まれた。一方、最長記録を持つのは第69代横綱・白鵬翔(モンゴル出身)で、2007年から2021年まで79場所にわたり在位した。
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ここ数十年、日本の相撲界ではモンゴル出身力士が圧倒的な強さを見せてきた。1998年から2017年までの約20年間、日本出身の横綱が不在だった時期もある。過去7人の横綱のうち6人がモンゴル出身、残る1人はアメリカ出身の曙太郎氏だった。
