台湾、米国との「ゼロ関税」交渉に農業団体が猛反発 「台湾人がすべて負担?絶対に同意できない」

2025-06-03 18:26
248農学市場招集人の楊儒門氏は、台湾農業のゼロ関税には絶対に同意できないと述べた。(資料写真、顔麟宇撮影)

アメリカとの対等な関税交渉に対応する形で、頼清徳総統は「米双方のゼロ関税」構想を打ち出した。しかし、台湾のコメ産業はこれにより深刻な打撃を受けると懸念を示している。これについて、農業団体「248農学市集」の召集人である楊儒門氏は、YouTube番組『中午來開匯』に出演し、「ゼロ関税となれば、すべての追加コストを台湾側が負担することになるのか? 台湾がすべてを吸収しなければならないのか?」と疑問を呈した。その上で、「関税については、台湾が負担できる最低ラインを明確にするべきだ。そうでなければ、台湾人がアメリカの農民に資金を提供するようなものだ」と強く批判し、「私たちはゼロ関税には絶対に同意できない」と断言した。

また、関税を完全に阻止できない場合には政府にどのような対応を望むのかという問いに対して、楊氏は「簡単に言えば、今後の大規模なリコール運動や来年の地方選挙もすべて票に関わる問題だ。政府が(ゼロ関税を)止められないのであれば、自分たちが来年選挙でどうなるかをよく考えてほしい」と述べ、政権への警鐘を鳴らした。

楊儒門氏は、「たとえ関税を完全に守れないとしても、最低限の要求は必要だ」と強調した。さらに、「ゼロ関税になれば、すべての追加コストを台湾が負担することになるのか? 台湾がすべてを吸収しなければならないのか? 関税の最低限のラインを明確にすべきだ。そうでなければ、台湾人がアメリカの農民にお金を払うことになる」と警鐘を鳴らした。

また楊氏は、自身が20代の頃から一貫して農業政策に抗議してきたと述べ、「これは本来、社会全体の共通認識であるべきだ」と語った。その上で、「もし社会全体の世論が一つになれば、たとえトランプ元大統領が台湾に来て政府と交渉したとしても、政府は一歩も引けなくなる。なぜなら、一歩引けば来年(の政権)はない」と指摘し、台湾社会の一致した民意こそが最も重要だと訴えた。

楊儒門氏は「私たちは絶対にゼロ関税には同意できない」と断言した。その理由として、現在台湾の多くの農産物には輸入割当(クオータ)が設けられており、その割当内ではもともと関税がゼロであることを挙げた。この割当の数値こそが、台湾が受け入れ可能な最低限のラインであるという。さらに楊氏は、輸入品の表示義務についても「絶対に撤廃できないし、すべきではない」と強調した。これは法律で定められているものであり、「まさか法律をすべて廃止しろというのか」と疑問を呈した。また政府に対しては、「台湾の法律や規則に基づいて、輸入品の表示義務を堅持するべきだ」と強い姿勢を求めた。 (関連記事: 半導体は本当にゼロ関税? 米台「10%合意」説を検証 事実確認機関が調査報告 関連記事をもっと読む

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編集:柄澤南

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