2025年「日台観光サミット in 鳥取」開催 台湾からの訪日客が最多更新、『鳥取宣言』も発表

2025-06-02 19:07
2025年日台観光サミット in 鳥取。(写真/黃信維撮影)
2025年日台観光サミット in 鳥取。(写真/黃信維撮影)

第16回「2025日台観光サミット in 鳥取」は、5月29日から6月1日にかけて鳥取県で開催された。台北駐日経済文化代表処代表(駐日大使)の李逸洋氏は、30日に会場で行われたインタビューの中で、「現在の円安の影響により、日本人の訪台意欲はやや低下しています」と述べた。

しかしながら、李氏は「台湾には多彩な祭りや文化体験があり、観光テーマも豊富で、日台両国の国民は互いに好感を持っています」と強調した。その上で、「今後円高が進めば、日本人の台湾旅行への意欲向上につながることが期待されます」との見解を示した。

台日観光サミット。(黃信維)
2025日台観光サミット in 鳥取。(写真/黃信維撮影)

李氏は、今回のサミットが鳥取で開催されたことに特別な意義があると強調した。鳥取県は現在の首相・石破茂氏の故郷であり、そうした地での開催は象徴的であると語った。また、台湾駐在歴18年の代表処職員に「鳥取に来たことがありますか」と尋ねたところ、「今回が3回目です」と答えたという。李氏は、訪問の機会が少ない地に多数の台湾旅行業者が集結したことは、台湾が日本の地方観光との連携を重視していることの表れであるとし、「日本各地には魅力的な地域が多く、今回の機会を通じて台湾の魅力も広く紹介したいですと語った。

台日観光サミット。(黃信維)
2025日台観光サミット in 鳥取。台北駐日経済文化代表処代表であり駐日大使の李逸洋氏。(写真/黃信維撮影)

観光大使の倪暄氏と曲羿氏は、イベント全体に熱心に参加し、InstagramなどSNSを通じて積極的に情報を発信し、その役割を十分に果たしていた。

観光大使を務める倪暄氏と曲羿氏は、イベントの全体を通じて熱心に参加し、InstagramなどのSNSで積極的に情報を拡散するなど、その役割を存分に果たしていた。黃信維
観光大使の倪暄氏と曲羿氏は、イベント全体に熱心に参加し、InstagramなどSNSを通じて積極的に情報を発信し、その役割を十分に果たしていた。(写真/黃信維撮影)

日台観光のサミット交流報告パートでは、日本政府観光局(JNTO)理事の伊與田美歴氏が、現在の日台観光交流の状況について詳しく説明した。2024年の訪日外国人観光客は合計3,687万人に達し、過去最高を記録。3月には月間1,000万人を突破、4月には390万人と、観光市場の急速な回復が示された。

台湾市場では、2024年の訪日台湾人旅行者数が604万人に達し、こちらも過去最高を更新。伊與田氏は、長年にわたる台湾旅行業界の支援に感謝の意を表し、現在、台日間の航空ネットワークはコロナ禍以前を超えるレベルにまで回復しており、今年の夏には台北・高雄・台中と日本の25都市を結ぶ週656便が運航され、地方都市間の観光交流に更なる可能性があると述べた。

台日観光サミット。(黃信維)
2025日台観光サミット in 鳥取。(写真/黃信維撮影)

特に、5月29日に就航した「鳥取米子-台湾桃園」直行便が注目されており、関係各所への謝意も示した。統計によれば、訪日台湾人旅行者の約8割がリピーターで、そのうち4分の1は10回以上日本を訪れているディープトラベラーである。この層が地方での宿泊需要を牽引し、台湾は外国人市場で日本の地方都市における宿泊数・宿泊割合ともにトップである。2024年の延べ宿泊数は868万泊に達し、2019年比で14.7%増加。宮崎や新潟など再就航地域では宿泊数が倍増し、航空路線の復活が地方観光を押し上げている。 (関連記事: 「2025日台観光サミットin鳥取」開催 米子~台北直行便が同時就航、官民連携で日台観光が新段階へ 関連記事をもっと読む

一方で、観光客急増による「オーバーツーリズム」への懸念も示された。日本観光庁は高付加価値型体験コンテンツや限定イベントを推進し、観光の質向上と圧力のかかる地域への支援を進めている。

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