イーロン・マスク氏「薬物依存」疑惑 NYTが実名報道、本人は全面否定

2025-06-02 15:16
2025年1月19日、トランプ氏がアメリカ第60回大統領就任式前の集会で演説し、マスク氏も同席した。(AP通信)
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『ニューヨーク・タイムズ』は5月30日、長編の報道記事を発表し、同日に政府効率部の職務を辞任したイーロン・マスク氏が薬物乱用者であることを明らかにした。ケタミンやMDMA(通称:エクスタシー)、マジックマッシュルームなど、あらゆる薬物に手を出しており、マスク氏は昨年のトランプ氏による米大統領選キャンペーン開始以降、薬物への依存が深刻化し、私生活も一層混乱していると報じられている。しかし、マスク氏は翌日にX(旧Twitter)で「『ニューヨーク・タイムズ』は全くデタラメを言っている」と反論した。

電気自動車、衛星、ロケットで財を成した世界の大富豪、イーロン・マスク(Elon Musk)氏は昨年トランプ政権の核心メンバーに食い込んだ。このいつも過激な発言と気まぐれな性格で知られる技術の巨人の指導者を、多くの支持者は変わり者の天才と見なしており、その大胆な経営スタイルに共感している。ただし、彼が政界入りすると、頻繁な薬物使用、感情の起伏、子供を増やすことへの執念に友人たちは懸念を抱くようになり、何人かの古い友人は彼の公開発言を不支持の理由で距離を置いた。『ニューヨーク・タイムズ』は彼と仕事をしたり知り合ったことがある十数人へのインタビューを通じて、これらの行動の詳細を明らかにした。

『ニューヨーク・タイムズ』は事情通の話として、イーロン・マスク氏が昨年トランプ氏の最も重要な盟友となった後、薬物使用の頻度は公表されているよりもはるかに頻繁だったと報じている。大量のケタミン(通称K)を使用したことで膀胱に異常が生じたほか、MDMA(いわゆるエクスタシー)やマジックマッシュルームも服用していたという。側近の証言によると、マスク氏が常に持ち歩いている薬ケースには約20錠の薬が入っており、その中には注意欠如・多動症(ADHD)の治療薬で、アンフェタミン系成分を含むアデロールも含まれていたという。また、『ニューヨーク・タイムズ』は、マスク氏がホワイトハウスの常連となった後、閣僚を罵倒したり、ナチス式のジェスチャーを行ったり、事前にリハーサルされたインタビューで支離滅裂な発言をするなど、異常な言動が複数確認されているとも報じている。 (関連記事: イーロン・マスクが「トランプ政府からの離脱」を発表!意見の相違を認める:非常に失望 ホワイトハウスが確認 関連記事をもっと読む

マスク氏は『ニューヨーク・タイムズ』の取材要請には応じていないが、過去に医師から処方されたケタミン(Ketamine)をうつ病治療のために約2週間に1度服用していると明かしている。また、自身の伝記執筆者には「違法薬物の使用は本当に好まない」と語っている。『ニューヨーク・タイムズ』によれば、マスク氏の宇宙開発企業スペースXは、大手政府請負業者として職場の薬物フリー環境を維持する義務があり、社員には抜き打ちの薬物検査が実施されているという。しかし関係者によると、マスク氏は薬物検査の通知を事前に受け取っているとされ、スペースX側はこの件に関してコメントを控えている。一方、トランプ前大統領は5月30日夜、大統領専用機エアフォースワンの前で記者団に対し、「イーロンが定期的に薬を使っているという話は知らない。彼について何一つ心配していないし、彼は素晴らしいと思う」と述べた。