半導体サプライチェーン1》米中対立下における半導体サプライチェーン再編成 米日欧代表と台湾企業の大計画

2025-05-30 20:03
米日欧の各国駐台代表と700名以上の産業専門家が、グローバル半導体サプライチェーンパートナーフォーラムに集結。(総統府公式サイトより)

米中技術冷戦が続く中、チップは単なる演算ツールにとどまらず、国際的に「信頼できる技術パートナー」への需要がかつてないほど高まっている。特に地政学的リスクの高まりやサプライチェーン再編の圧力が続く中、台湾は世界半導体サプライチェーンの重要なハブとして再び嵐の中心に立っている。

このような歴史的な瞬間において、台湾はどのようにして技術的優位性を固め、それを制度的エネルギーに転換するのか。23日には工業技術研究院主催で、経済部・国科会・国発会および外交部が共同支援する「グローバル半導体サプライチェーンパートナーフォーラム」が開催され・米国・日本・ヨーロッパ各国の台湾駐在代表および700人以上の業界専門家が一堂に会した。これは単なる技術と産業のフォーラムではなく、「制度設計」「価値観の一致」「戦略的連携」の交差点である。

頼清徳:台湾は制度型技術ハブに昇格する

総統頼清徳はフォーラムの開幕演説で、台湾は単に世界の重要なチップ製造地であるだけでなく、人工知能と先端技術の時代における「支点」となるべきだと明確に述べた。彼は強調し、「プロセスダンピング、技術独占、極端な気候といった挑戦に直面し、半導体サプライチェーンはもはや孤立した体系ではなく、多国間協力の成果でなければならない」と述べた。

政府はすでに2つの大きな方向性を採り、強化を図っている。一つは、政策支援が租税優遇措置や金融ツールにとどまらず、基盤施設投資にも及ぶことである。台南沙崙や科学園区のスーパーコンピュータおよびデータセンターが近年中に順次完成し、AI計算と高度応用開発を支援する予定である。もう一つは、理念が近い国との制度的なつながりを強化し、二国間協定や多国間フォーラムを通じて「民主サプライチェーン」のアライアンス化を推進することである。

「我々が求めるのは単なる生産能力ではなく、制度上の信頼と一致である。」という頼清徳の言葉は、台湾の未来に対する深い計画を指摘している。

20250520-総統頼清徳20日出席「2025年台北国際コンピュータ展(COMPUTEX)開幕式」。(柯承惠撮影)
​頼清徳総統が20日、「2025年台北国際コンピュータ展(COMPUTEX)開幕式」に出席。(柯承惠撮影)

経済部長郭智輝はさらに、台湾がこの世界的なサプライチェーン再編におけるルートマップを描いた。彼は4つの主要戦略軸を提案した:1. サプライチェーンの回復力とリスク耐性の強化、2. 供給源の多様化と集中化の解除、3. AIチップアライアンスと応用エコシステムの構築、4. 共有型高機能チッププラットフォーム制度の構築である。

これは単なる産業戦略ではなく、価値を中核とした対外連携の構造であると郭智輝は指摘。「我々は各国のサプライチェーンパートナーと共に価値連鎖を構築し、ドローン、大健康、次世代通信といった新しい応用場面に拡張し、才能、革新および制度を骨幹とする技術アライアンスを構築する。」 (関連記事: 最強AIモデル「ChatGPT o3」がシャットダウン拒否、プログラムコードを「自己改変」か マスク氏も懸念表明 関連記事をもっと読む

工研院:信頼できるプロセスとトレーサビリティ標準制度の推進

郭智輝は特に、経済部が国際的人材交流のメカニズムを推進し、二国間協定を通じて高度なエンジニアや研究スタッフを台湾に招いて開発を進め、国内の高等教育機関と協力して国際的視野を持つAI半導体の専門家を育成することを計画していると述べた。