自動車部品大手のデンソーと半導体メーカーのロームは8日、半導体分野における戦略的パートナーシップの構築に向けた基本合意に達したと発表した。両社は2024年9月から協議を重ねており、今回の合意で関係をさらに強化していく方針だ。

近年、電動化や自動運転といった次世代車両の実現に向けて、半導体の重要性は急速に高まっている。カーボンニュートラルの実現や交通事故ゼロ社会を目指す中で、半導体は欠かせない基幹技術となっている。
デンソーとロームは、これまでも車載用半導体の取引や開発で長年の協力実績がある。今後は、デンソーが持つ高度な自動車システム構築技術と、ロームがコンシューマー市場で培った先進的な半導体技術を組み合わせることで、特にアナログICなどの高品質デバイスの拡充を目指す。
さらに、両社の半導体事業で親和性の高い分野での幅広い連携についても検討を進める予定だ。共同開発を通じて生まれる製品をグローバルに展開し、自動車分野での技術革新と持続可能なモビリティ社会の実現に貢献していくことを目指す。
両社は今後、資本関係の強化についても引き続き協議していくという。
デンソーの林真之介社長は、「ロームとの協業をさらに深め、安定供給と製品価値の向上を通じて、モビリティ社会の発展に貢献できると確信している」とコメントしている。
一方、ロームの東勝巳社長は、「今回のパートナーシップは、サプライヤーとしての関係を超えた広範な協業の第一歩であり、電動化や自動運転、コネクテッドカーに対応したアナログICの開発をはじめ、今後も多岐にわたる分野での連携を進めていきたい」と語った。
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