中国空母「遼寧」が宮古島沖で艦載機訓練 日本・台湾周辺で軍事的圧力強化

2025-05-29 15:23
画像はアメリカ海軍のニミッツ号航空母艦。(資料写真/AP通信)

中国共産党の北部戦区に所属する航空母艦「遼寧りょうねい)」は、台湾の東南海域に出現し、周辺海域での活動を展開している。日本防衛省統合幕僚監部が5月25日および27日に発表した情報によると、同期間中に中国軍北部戦区の空母「遼寧」を中心とした打撃群が編成され、055型駆逐艦(艦番号101、104)、052D型駆逐艦(艦番号121、122)が参加した。

さらに、東部戦区海軍からも052D型駆逐艦(艦番号131、155)、054A型フリゲート(艦番号599、515)が加わり、東シナ海から日本の宮古島東南にかけての海域で順次活動を展開した。今回の中国軍の海上戦力は極めて強力であり、とりわけ空母による艦載機の離着艦訓練が日本周辺海域で行われたことで、日本の海空自衛隊は高度な警戒態勢を敷いて対応した。

一方、5月27日に中国軍北部戦区の空母「遼寧」が宮古島の南東海域で艦載機の離着艦訓練を実施していたのと同時に、東部戦区の海空戦力は早朝から台湾周辺の海空域において「合同戦備警戒巡回」任務を行っていた。

また、米海軍の空母「ニミッツ」打撃群は、5月26日にマレーシア・ポートクランへの訪問を終えた直後、マラッカ海峡を通過して南シナ海に進入した。現在、中国軍は北部戦区および東部戦区の主力海軍戦力を動員し、台湾と日本の間に位置する第一列島線・宮古海峡周辺海域で演習を行っており、国際社会の強い注目を集めている。

まず、日本防衛省統合幕僚監部が5月25日および27日に発表した中国軍「遼寧」空母打撃群および東部戦区海軍の作戦艦の動向は以下の通りである。

5月25日午前7時頃、中国海軍の空母「遼寧」(艦番号16)および作戦艦4隻(艦番号121、122、515、599)を含む計5隻が、沖縄県久場島(中国名:黄尾嶼)の北約200キロの海域を航行し、艦載戦闘機およびヘリコプターの離着艦訓練を実施した。

同日午後8時頃、「遼寧」と作戦艦3隻(艦番号101、155、599)が久場島の北約240キロの海域で活動を行った。さらに5月26日午後8時頃には、「遼寧」と作戦艦3隻(艦番号101、131、599)が久米島北西約190キロの海域で活動し、この期間中に空母から戦闘機約90機次、ヘリコプター約30機次、合計約120機次の離着艦が行われた。

5月26日午後6時頃、「遼寧」と作戦艦3隻(艦番号104、121)は東シナ海から宮古海峡を通過し、西太平洋に進出。翌27日午前10時には、「遼寧」と作戦艦2隻(艦番号101、121)が宮古島南東約190キロの海域で艦載機の離着艦訓練を実施した。 (関連記事: 中国軍「ドローン攻撃」を阻止できるのはいつ? 台湾海峡での実現に向け、台湾ドローン産業の奮起が急務―ブルームバーグ報道 関連記事をもっと読む

この「遼寧」打撃群の構成メンバーは、山東省青島に駐屯する第1駆逐艦支隊に所属する055型駆逐艦「南昌」(艦番号101)、同じく055型「無錫」(艦番号104)、および遼寧省大連に駐屯する第10駆逐艦支隊の052D型駆逐艦「チチハル」(艦番号121)、「唐山」(艦番号122)である。

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