建築家・藤本壯介氏(1971年生まれ、北海道出身)のこれまでの軌跡と建築思想を紹介する大規模個展「藤本壯介の建築:原初・未来・森」が、東京・六本木の森美術館(港区、六本木ヒルズ森タワー53階)で2025年7月2日から11月9日まで開催される。

藤本氏は、東京、パリ、中国・深センを拠点に活動し、個人住宅から大学、ホテル、商業施設、複合施設に至るまで、多岐にわたるプロジェクトを世界各地で展開してきた。2000年の「青森県立美術館設計競技案」で注目を集め、以降、「武蔵野美術大学美術館・図書館」(2010年、東京)、「サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013」(ロンドン)などを手がけた。近年では、フランス・モンペリエの集合住宅「ラルブル・ブラン(白い樹)」(2019年)や、ハンガリー・ブダペストの音楽複合施設「ハンガリー音楽の家」(2021年)を完成させ、国際的な評価を高めている。
現在は、2025年大阪・関西万博において、会場全体のデザインプロデューサーを務めており、国内外からの注目が集まっている。
今回の展覧会は、藤本氏にとって初の大規模個展となる。初期の構想から最新の進行中プロジェクトまでを網羅し、四半世紀にわたる活動の全貌とその建築思想を紹介。模型や設計図、竣工写真のほか、実際に空間を体験できる大型模型や試作プロトタイプ、インスタレーションなども展示される。
来場者は、建築や都市が担う役割を藤本氏の建築を通して再考する機会となる。環境問題やテクノロジーの進化、変わりゆく人間関係、分断されたコミュニティの再接続といった今日的な課題に対し、建築がいかに応えうるかが問われる中、本展では未来都市への提案も提示される。
森美術館は、「建築に関わる専門家はもちろんのこと、一般の方々にも藤本建築の魅力を体感していただける展覧会を目指したい」としている。
【会期】2025年7月2日(水)〜11月9日(日)
【会場】森美術館(東京都港区六本木6丁目10−1 六本木ヒルズ森タワー53階)
編集:梅木奈実 (関連記事: 大阪・関西万博》藤本壮介氏が「大屋根リング」設計思想を語る 分断の時代に世界が繋がる場所を目指して | 関連記事をもっと読む )
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