風傳媒現地レポート》DSEI JAPAN 2025開幕 第6世代戦闘機模型が世界初公開 F-35を超える性能に注目

2025-05-26 18:58
日本最大防衛装備展「DSEI JAPAN 2025」開催、風傳媒が現場から各国大手企業の軍事装備を直撃取材。(黄信維撮影)
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日本最大級の防衛装備展示会「DSEI JAPAN 2025(Defence and Security Equipment International、国際防衛・安全保障装備展)」が、2025年5月21日から23日まで開催された。《風傳媒》は現地で各国大手企業による重装備の展示を取材。会期2日目には、日本の石破茂首相が登壇して基調講演を行い、また、米国大使も米国パビリオンのオープニングセレモニーに出席した。

日本の防衛装備庁と自衛隊は、政府主導で最先端の防衛技術を多数展示し、迅速な対応力や長距離打撃能力への重視を明確に示した。今回の軍事装備展では、未来の戦争に用いられる兵器の姿が垣間見えた。

DSEIは2年に一度開催される国際的な防衛装備展示会で、各国政府、軍、産業界、学術関係者の交流を目的としている。主な展示はロンドンで行われており、2025年の「DSEI JAPAN」は「先進技術によるインド太平洋地域の安全保障強化」をテーマに掲げた。日本国内で唯一の大規模な総合防衛・安全保障展示会であり、インド太平洋情勢が緊迫する中、複数の国の政府機関や軍が直接参加した点でも特異性が際立った。

20250522-外媒レポートで石破茂が中国による東シナ海と南シナ海での“一方的に現状を変える試みの継続”を指摘した。(取自James Spicer/DSEI Japan)
石破茂首相が「DSEI JAPAN 2025」で基調講演を行い、中国による東シナ海および南シナ海での「一方的な現状変更の試みが続いている」と明言した。(出典/James Spicer/DSEI Japan)

全面アップグレード 日本軍が次世代防衛技術を披露

今回、日本の防衛装備庁と自衛隊は、次世代防衛技術を数多く展示した。中でも、迅速な戦術対応力と長距離打撃能力への関心の高さがうかがえた。日本は、改良型の12式艦対艦ミサイル、ASM-3A超音速対艦ミサイル、極超音速滑空弾、さらには電磁レールガンやレーザー兵器といった装備を披露し、軍備の近代化と抑止戦略の方向性を示した。

また、会場では無人化・モジュール化された戦力プラットフォームも展示され、多機能無人水上艦(USV)や高機動型の19式装輪自走榴弾砲、改良型03式中距離地対空ミサイルなどが並んだ。これらは、複数の目標に同時対応できる能力の重要性を訴求する内容となっていた。

最新型護衛艦「FFM」も登場し、ステルス性を考慮した設計と高度な自動化編成が特徴で、海軍艦艇が高効率・多任務型へと進化していることを象徴していた。航空分野では、新型のP-1哨戒機やUS-2水陸両用救難飛行艇に焦点が当てられ、海空域における持続的な監視および迅速な対応能力の強化がアピールされた。

さらに、強化型の空中監視レーダーも展示され、極超音速目標の追跡が可能であるとされた。C-130HおよびC-2輸送機に搭載可能な第二世代の空中医療モジュールと組み合わせることで、戦場での搬送時にICU(集中治療室)レベルの医療支援を提供でき、日本の防衛体制における機動性、精密性、包括的支援体制の向上を体現していた。 (関連記事: 中国軍「ドローン攻撃」を阻止できるのはいつ? 台湾海峡での実現に向け、台湾ドローン産業の奮起が急務―ブルームバーグ報道 関連記事をもっと読む

日本軍方が次世代防衛技術の陣容を展示。(黄信維撮影)
日本の防衛装備庁と自衛隊が次世代防衛技術の装備群を展示。(写真/黄信維撮影

日英伊の三カ国が共同開発 次世代戦闘機が注目の的に

また、会場では日本、英国、イタリアの三カ国が共同開発を進めている「次世代戦闘機」の10分の1スケールの模型が初公開され、本展示会の目玉として大きな注目を集めた。