石破首相「中国の現状変更に強く警戒」 DSEI Japanで防衛装備協力の推進を明言

石破茂首相が東シナ海と南シナ海における中国の「一方的な現状変更の企図」を明確に指摘したと報じている。(ジェームズ・スパイサー氏提供/DSEI Japan)

石破茂首相は22日、千葉市で開催された防衛装備品と兵器の展示会「DSEI Japan 2025」で演説を行い、中国が東シナ海や南シナ海で「一方的な現状変更の試みを継続している」と明言した。『共同通信』の報道によると、石破首相は地域の安全保障上の脅威に直面する中、日本として同盟国や友好国と連携し、防衛装備協力を積極的に進めていく方針を示した。

石破首相は「装備品の移転、共同開発、共同生産などの協力を推進することは、日本および地域の平和と安定の実現に極めて重要である」と強調。また、北朝鮮による弾道ミサイル発射や、ロシアと北朝鮮の軍事協力にも言及し、「安全保障環境は一層厳しさを増している」と述べた。そのうえで、「装備協力はわが国の防衛力を高めるだけでなく、同盟国や志を同じくする国々との抑止力を強化するための重要な手段でもある」と語った。

また、防衛大臣の中谷元氏も昨日(21日)に会場を訪れ、講演を行った。中谷防衛大臣は「日本は官民一体となって防衛装備品の移転を推進する」と述べ、政府と産業界が連携して取り組む姿勢を示した。「これらの取り組みによって、地域の平和と安定に貢献していく決意である」と力を込めた。

「DSEI Japan 2025」は2023年に続き、今回で3回目の開催となる。過去最大規模となった今回の展示会には、国内外から計471の企業や団体が参加。そのうち日本の出展者は全体の約4割を占めており、中小企業やスタートアップ企業向けの特設エリアも設けられ、日本の技術力を国際社会にアピールする場となった。

さらに今回、防衛省は初めて、電磁力を用いて高速で弾体を発射する「レールガン(電磁軌道砲)」の模型を展示したほか、改良型の12式地対艦誘導弾も披露し、新たな軍事技術分野で着実に進展している様子が示された。

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