1970年の大阪万博をきっかけに世界へ広がった「よさこい」が、この夏、大阪・関西万博に戻ってきた。8月22日と23日の2日間、EXPOアリーナ「Matsuri」を中心に「EXPO2025 高知の祭典 WORLD YOSAKOI DAY」が開催され、国内外17チームが演舞を披露した。高知大学や高知県立大学の学生を中心とするサークル「旅鯨人」は、新作『25 錦音』を会場の二つのステージで計3回披露し、若さあふれる熱演で観客を魅了した。《風傳媒》は現地で産業ブースも取材し、文化と産業の両面から高知の魅力を伝える。

学生チーム「旅鯨人」の活躍
学生チーム「旅鯨人」は1995年、札幌のYOSAKOIソーラン祭りに参加した学生が「学生自ら祭りを企画・運営する姿」に刺激を受けて結成。当初は「高知学生チーム」と名乗っていたが、「よさこいを通じて各地を旅し、鯨のように大きな存在になりたい」という思いから現在の名に改めた。現在は高知大学赤レンガ広場で週3回練習を重ね、県内外で活動を続けている。今回のステージでは、学生らしいエネルギーと自由な発想を盛り込んだ振り付けで、会場を大いに盛り上げた。

祭典には帯屋町筋、高知市役所踊り子隊、TACYON、とらっくよさこい(ちふれ)、高知工科大学よさこい踊り子隊、よさこいチーム炎~ほむら~、関西からは大阪泉州よさこい連 彩~sai~や泉州ソーリャ踊り子隊、夢源風人、舞乱~MAIRAN~、香川大学よさこい連 風華、同志社大学よさこいサークル よさ朗などが出演。さらに北米やベトナムからも国際チームが参加し、舞台は国際色豊かに彩られた。

観客と踊り子が一体となる「総踊り」も実施され、万博会場全体が熱気に包まれた。また、300年以上の歴史を誇る高知の日曜市を模した「街路市」も会場に再現され、芋けんぴ、ぼうしパン、ゆずドリンク、アイスクリン、土佐茶、土佐田舎寿司などが並んだ。県内全市町村や実際の日曜市の出展者が参加し、来場者は食べ歩きや買い物を通じて高知の味と人情を楽しんだ。

22日午前にはインド館で「Kochi Day」が開かれ、駐日インド大使シビ・ジョージ氏、在大阪インド総領事チャンドル・アッパル氏、副領事デビンドラ・クマール氏とともに、高知県の濵田省司知事が登壇。インド・ケララ州の港町コーチと日本の高知という「二つのKochi」をテーマに舞踊や伝統文化を通じた交流が展開され、両国の友好を象徴する催しとなった。 (関連記事: よさこい発祥の地・高知、万博で文化と観光を世界に発信 『WORLD YOSAKOI DAY 』 | 関連記事をもっと読む )

革製品工房TAIL― 狩猟革を活かした一点物
《風傳媒》は万博会場で高知の産業ブースも取材した。まず、狩猟で得られるイノシシ革を再利用する革製品工房TAILの出展者は、2年前に起業し、廃棄されていた皮をなめし革に加工して製品化していると語った。革づくりには約1か月を要し、その後のデザインや制作にさらに時間をかけてバッグや名刺入れなどを仕上げる。