7月26日に行われた国民党所属の立法委員24人と新竹市長・高虹安氏のリコール案は、いずれも成立しなかった。第2波として本日(23日)、国民党立法委員7人に対するリコール案と「第三原発再稼働」の住民投票が同時に実施され、夜になって開票結果が明らかになった。午後5時20分時点で、台中市第2選挙区の国民党立法委員・顏寬恒氏に対するリコール案は、不同意票が7万票を超え、同意票を大きく上回った。最終的な票数は中央選挙委員会の正式発表を待つ必要がある。顏氏は、「郷親の皆さんの支えと同行に心から感謝する。国会の監督機能を守り抜き、民進党の独断場にはさせなかった」と述べたうえで、与党に対し「そろそろ目を覚まし、経済を立て直し、民生を守るべきだ」と呼びかけた。さらに、今後の内閣改造が「国民が信頼できるリーダーチームとなることを期待する」と語った。

台中市沙鹿出身の顏寬恒氏は、父が有力な黒派の大物であり、大甲鎮瀾宮董事長も務める顏清標氏で、現在は「台中黒派の少主」と目されている。2013年、当時立法委員であった顏清標氏が飲酒接待を公費で処理するなどの汚職事件で公民権を剝奪され職務を失ったことを受け、顏寬恒氏が父の後を継いで台中市第2選挙区の補欠選挙に立候補し、当選を果たした。その後、顏清標氏は徐々に政界から退き、2016年には顏寬恒氏が立法委員に再選された。
「中二選挙区」は近年、選挙情勢が特に注目される地区である。長年、黒派の勢力が基盤を築いてきたため、民進党にとっては「難攻不落の区」とされてきた。しかし2020年、顏氏は台湾基進の候補だった陳柏惟氏に敗北。ところが1年余り後、「3Q」陳氏はリコールで失職し、その補欠選挙で顏氏は民進党の林靜儀氏と対決したが、8000票余りの差で敗れた。さらに2024年の立法委員選挙で再び林氏と激突し、ついに「王子の復讐」を果たして立法院に返り咲いた。
なお、「公職人員選挙罷免法」によれば、リコール案は有効投票のうち同意票が不同意票を上回り、かつ同意票数が選挙区有権者総数の4分の1以上に達した場合に成立する。一方、不同意票が多い場合や同意票が規定数に満たない場合は否決となる。今回のリコールは住民投票と同時に実施されたため、公投には宣伝規制がないことを踏まえ、中選会は「投票日当日に公投宣伝に便乗してリコール宣伝を行うと違法となる可能性がある」と注意を呼びかけている。
編集:柄澤南 (関連記事: リコール開票》台湾・新竹県第2選区の林思銘立法委員、リコール成立せず 「社会は和解し、対立を超えるべき」と呼びかけ | 関連記事をもっと読む )
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