今週末8月23日には、国民党所属の立法委員7人に対するリコール投票と、台湾第三原発(核三)再稼働の是非を問う公投が行われる。公投については成立が困難との見方が大勢を占める一方、7人の国民党立法委員はいずれもリコールを免れる公算が大きい。党内では、これが朱立倫主席の再任を後押しする材料になるとの受け止めが広がっており、近ごろは党内で朱氏を支持する声も高まっている。さらに、党務主管会議において朱氏自ら「823投票後に台中市の盧秀燕市長と懇談する」と強調したとされ、混迷する党主席選挙において朱氏が続投できるか否かは依然として不透明な情勢である。
《風傳媒》の取材によれば、盧秀燕氏が党主席選への不出馬を報じられた後も、反朱派はなお擁立を働きかけていた。しかし、盧氏は最近、複数回にわたりメディア幹部を招いた席で「出馬する意思はない」と明言しており、説得には応じなかった。このため反朱派は盧氏擁立を断念し、国民党を率いる資格と勝算を兼ね備えた新たな候補の擁立を模索している状況である。
さらに、中南部の党関係者によれば、最近党内では突如として朱立倫氏を支持する声が強まっているという。多くの党員は「朱氏は主席として功績がなくとも苦労はしてきた」と評価し、2022年の地方選挙での大勝、2024年の立法委員選挙で国会第一党となった実績、そして2025年7月26日のリコール投票で24対0の全勝を挙げたことを挙げている。こうした流れを踏まえ、党内では「8月23日のリコール投票も7対0で全勝する可能性が高い」との見方があり、二度続けての圧勝となれば朱氏の党内基盤は回復し、反朱派も攻撃の大義を失うだろうとの声が広がっている。この状況では、朱氏が主席再任を果たす可能性は決して小さくないとの見立てが出ている。
一方、盧秀燕氏は17日に朱氏と同じ壇上に立ち、朱氏の働きを「とてもよくやっている、ママからいいねを押してあげる」と称賛した。これが朱氏再任への支持と受け止められたが、その後一部報道では「単に朱氏の苦労をねぎらい、母親のような立場から慰めたにすぎない」として、過度な解釈だと伝えられた。ただし《風傳媒》の取材によれば、今週の国民党主管会議で朱氏は「8月23日の投票後に盧氏と改めて深く話し合う」と述べたものの、自らの再任については言及しなかったとされる。したがって、党主席選の行方はなお流動的で、今後の展開次第で変化する可能性がある。
編集:柄澤南 (関連記事: 舞台裏》台湾・国民党主席選 盧秀燕台中市長は出馬せず 朱立倫主席への反発強まる | 関連記事をもっと読む )
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