AIバブル到来か?米国経済の成長を支える一方、95%の企業が淘汰の危機

2025-08-21 14:40
2023年12月8日。ChatGPTのDall-Eモデルが生成したイメージの前に、スマートフォンの画面にはOpenAIのアイコンが表示されている。(写真/AP通信提供)
2023年12月8日。ChatGPTのDall-Eモデルが生成したイメージの前に、スマートフォンの画面にはOpenAIのアイコンが表示されている。(写真/AP通信提供)
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アメリカ経済は「AIブーム」に突き動かされている。データセンターの大規模拡張やテクノロジー企業による巨額投資が相次ぎ、AIはGDP成長を押し上げる主力となり、その寄与度は全体の約4割に達している。しかし、8月18日の『エコノミスト』の分析によれば、この熱狂には高い代償が伴うと指摘した。高金利に加え膨大な電力需要が電気料金を押し上げ、不動産市場や伝統産業への投資を圧迫し、「繁栄の後に崩壊が訪れる」バブルの火種となりかねないという。同時に、MITの最新調査では、生成AIプロジェクトの95%が失敗に終わり、実際に収益を上げられる事例はごくわずかにとどまることも明らかになった。

AIブーム、全米を席巻し、データセンターが盛んに建設される!

アメリカ経済をいま最も力強く押し上げている原動力は人工知能(AI)である。そしてAIの「本拠地」と呼ぶべき場所があるとすれば、それはバージニア州北部のアッシュバーンだろう。首都ワシントンやダレス国際空港に近いこの地域を上空から見下ろすと、白い屋根の箱型建物が郊外住宅と並び立つ光景が広がる。それこそが世界最大規模のデータセンター集積地であり、昨年だけでバージニア州主要電力会社の電力供給量の4分の1を消費した。

高金利や関税が米国の多くの産業を苦しめるなかでも、AIインフラ整備の勢いは止まらない。『エコノミスト』によれば、過去1年間の米国の実質GDP成長率は約2%であり、そのうち6分の1は半導体や通信機器、データセンターなどAI関連投資によるものだった。さらに送電網の改修やソフトウェアの知的財産価値まで加えると、GDP成長の寄与度は実に4割に達するという。

この投資熱は従来の景気循環とは性質が異なる。かつてテック大手は潤沢なキャッシュフローを背景にデータセンターを建設していたが、いまや規模が拡大しすぎて借入に頼らざるを得なくなっている。彼らの信念は単純だ。数年以内にAIが爆発的な需要を生み出すと確信しており、リスクや借入コストを顧みず「先に建てる」ことを優先している。これは住宅や工場建設とは違い、高リスク・高リターンで「勝者総取り」の市場であるためだ。

その結果、金利上昇も電力料金の重荷も大手企業の勢いを抑えることはできない。いま最も注目されるのは、電力消費が容易に「ギガワット級」に達するデータセンター計画である。これは原子力発電所1基、あるいは小規模都市全体に匹敵する電力需要にあたる。 (関連記事: OpenAIアルトマンCEOが警告 AIバブルはすでに過熱?「イエス」と断言 関連記事をもっと読む

電気料金の高騰と投資の不均衡

現在のAI投資熱は、1990年代のインターネットバブルを想起させる。米国は当時、ネットワーク基盤の整備に長年をかけて巨額の資金を投じ、そのGDP押し上げ効果は現在のAIを上回るほどであった。『エコノミスト』は指摘する。今回のAIブームは当時よりもはるかに速く、そして強烈に進んでいる。シリコンバレーが描くAIの未来像は「大規模な自動化」と「超高速の経済成長」であり、まるでAIを次なる経済の奇跡として扱っているかのようである。

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