不動産暴落・失業率17%の中国で「年収3000万」を独占 共産党が「創業パートナー」のAIエリート「弄潮児」の正体とは

AI拠点を視察する中国の習近平国家主席(左)(写真/AP通信提供)
AI拠点を視察する中国の習近平国家主席(左)(写真/AP通信提供)

午(うま)年の春節(旧正月)が過ぎ、多くの中国国民が住宅価格の2割下落や若年失業率17%という現実に直面し、「寝そべり(タンピン)」の不安に苛まれる中、習近平氏に「弄潮児(ろうちょうじ・時代の波に乗る者)」と名指しされた一団が、AI(人工知能)とロボット工学の波に乗り、巨額の富を手にしている。

英誌『エコノミスト』は、この35歳未満の勝者たちの多くが「985工程」と呼ばれる名門大学出身であり、高度な技術力を武器に富を独占していると指摘した。彼らは規制に挑戦するかつての野性味あふれるスタイルを捨て、政府を最強の後ろ盾と見なし、国家による数千億元規模の基金注入を受け、一般的なホワイトカラーの10倍もの年収を得ている。国家が自ら「勝者を選別する」このゲームは、現代中国における富のルールを根本から書き換えつつある。

住宅価格が5分の1蒸発、デフレ時代に誰が富を築いているのか?

2026年2月17日、「丙午(ひのえうま)」の年が正式に幕を開けた。本来であれば飛躍を象徴する年だが、多くの中国人にとって、新春は予想された「万馬奔騰(多くの馬が走るような勢い)」をもたらさなかった。不動産市場の崩壊と長期化するデフレの影が、人々の資産、収入、そして未来への期待を無慈悲に蝕んでいる。

かつて不動産購入は中国の家庭にとって資産の大半を蓄える手段だったが、2021年以降、住宅価格は平均で5分の1が蒸発した。賃金の伸び悩みや、17%の高水準で推移する若年失業率も重なり、多くの卒業生が不安定なギグ・エコノミー(単発の仕事)市場への参入を余儀なくされている。また、就職活動自体を諦め、「寝そべり」によって現実に消極的な抵抗を示す若者も増えている。

しかし、この悲惨な景気後退の波の中で、逆境を覆し成功を収めている集団が存在する。『風傳媒』が引用した『エコノミスト』の24日付報道によると、中国の指導者・習近平氏から「弄潮児」と呼ばれたこの新興富裕層は、経済転換の潮流を的確に捉えたという。現在、その波はAIやロボット工学などの戦略的技術分野に全面的に押し寄せており、これらの分野は中国が科学技術の覇権を争う「五カ年計画」において主導的な地位を占めている。

この聡明で若く、その多くが平凡な家庭出身である「弄潮児」たちは、先輩世代とはスタイルが大きく異なる。彼らはポルシェに乗って富を誇示することを好まず、目立たない国産の電気自動車(EV)を好む。最も顕著な変化は、この新興富裕層が政府を「避けるべき規制当局」ではなく、「最も重要な創業のパートナー」と見なしている点だ。春節の前夜には、習氏が彼らと公の場で面会し、自らこの「後の波」を後押しする姿勢を見せたほどである。 (関連記事: パナソニックが欧米テレビ事業を中国大手に移管、ソニーに続き事実上の撤退 関連記事をもっと読む

「985」の学位がなければ、土俵にすら上がれない?

この「弄潮児」たちと過去数十年の「土豪(成金)」を比較した際、最大の違いはその学位証書の価値にある。中国経済の台頭の過程を振り返ると、チャンスは至る所に転がっていた。2000年代初頭の低価格製造業、2010年代のEコマース(電子商取引)ブーム、そして2021年まで続いた不動産熱などである。どの波も無数の百万長者や億万長者を生み出し、当時は三流大学の卒業証書であっても、度胸と運さえあれば巨万の富を築くことができた。2017年の調査によると、中国のトップ起業家2000人のうち、半数が大学の学位さえ持っていなかったという。

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