米中首脳会談、台湾は取引材料になるのか 関税と選挙を巡る駆け引きにアジア警戒

2025年10月30日、韓国・釜山で会談する米大統領・トランプ氏(左)と中国国家主席・習近平氏。(写真/AP通信提供)
2025年10月30日、韓国・釜山で会談する米大統領・トランプ氏(左)と中国国家主席・習近平氏。(写真/AP通信提供)

米国とイランの戦争が終結を見せない中、今年初となる米中首脳会談が14日に北京で開催される。米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は8日、関連報告書を発表した。同報告書は、米大統領のトランプ氏が対中貿易の受注拡大やイラン停戦の恩恵を引き出し、国内の有権者に成果をアピールすることを急いでいると分析。一方、中国国家主席の習近平氏は、この首脳会談を国内向けの宣伝の舞台として活用し、予測困難な関税政策を安定させるとともに、中国政府が米国の圧力に耐え抜いたことを世界に誇示しようとしていると指摘している。

しかし、米中両大国が利益を交換する裏で、アジアの同盟国は深い懸念を抱いている。台湾や南シナ海といった中核的利益が、交渉のテーブルで取引材料にされる恐れがあるためだ。この大国間の駆け引きは、緊張緩和の契機となるのか、それとも権力再編の幕開けとなるのか。世界が固唾をのんで見守っている。

トランプ氏の狙いとは、個人関係をテコにした実質的利益の獲得

​米大統領による訪中は9年ぶりとなり、トランプ氏が今回の北京訪問でどのような成果を持ち帰るのかに世界の耳目が集まっている。CSISの最新報告書によると、トランプ氏が習氏との会談を急ぐ最大の目的は、自身と習氏との「個人的な関係」が、米国に実質的な経済的利益と安全保障上の恩恵をもたらすことを国内の有権者に証明することだ。現在、トランプ氏を最も悩ませているのは、イラン情勢の悪化によるホルムズ海峡の封鎖である。トランプ氏は会談で中国の支持を取り付け、中国政府のイランに対する影響力を利用して合意を引き出し、この世界のエネルギー供給の動脈を正常化させたい考えだ。

経済分野において、トランプ氏は長らく米中経済関係が「中国に有利すぎる」と主張しており、この機会を利用して自身がもたらした公平性と相互主義をアピールしたい考えだ。11月の中間選挙を控え、トランプ氏は中国に対して米国産品の購入拡大を約束させることを強く求めており、特に農家や地方産業が即座に恩恵を実感できるような大型受注を必要としている。2020年の「第1段階の貿易合意」で中国側が履行を怠った経緯を踏まえ、トランプ氏は今回、双方の高官で構成される「貿易委員会」を直ちに設立し、履行状況を厳格に監視する方針だ。これにより、中国に二度と約束を反故にさせないという強い意志を内外に示そうとしている。
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さらに、トランプ氏は先端技術の命綱であるレアアースの供給にも目を光らせており、昨年の釜山会談での合意事項を履行するよう中国に求めるとともに、合成麻薬フェンタニルの原料となる化学物質の輸出規制強化を迫る構えだ。また、米国は人工知能(AI)の安全管理枠組みの構築も視野に入れている。トランプ氏は習氏の「レッドライン」を見極めようとしており、ロシアとウクライナの停戦合意に向けた中国政府の支持を取り付けることや、北朝鮮との対話再開に向けた仲介を習氏に打診する可能性もある。ただし、CSISはウクライナ問題に関し、中国政府は今後も水面下でロシアの強力な後ろ盾であり続ける可能性が高いと指摘している。

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