台湾メディア、美麗島電子報が4月に行った国政に関する世論調査で、「台湾が中華人民共和国の一つの省や特別行政区となり、中国と香港やマカオと同様の関係を結べば、両岸(中台)間で今後戦争が起きることはなくなるという理由で、中国政府の提案する『平和統一』を受け入れられるか」と質問した。
その結果、「非常に受け入れられる」が5.2%、「まずまず受け入れられる」が17.2%と、合計22.4%の市民が「受け入れられる」と回答した。この数値を基にすれば400万人以上が統一を容認していると推定される。これに対し、台湾大学政治学部の明居正・名誉教授は、風傳媒のインターネット番組「下班瀚你聊」で、「彼らは本当に香港の現状を理解しているのだろうか」と疑問を呈した。
明氏は過去の世論調査を実施した経験に基づき、一般市民は政治問題をよく理解しているとは言えないため、世論調査を受ける際、質問の表現に誘導されやすい、また、市民は直近2週間で起きた出来事を例として判断する傾向があると指摘。その上で「平和」や「戦争が起きることはない」という表現を見れば、直感的にそれを良いことだと捉えるとの見方を示した。
さらに、「平和統一」に対する過去の支持率は2022年の28.4%から2024年には24.8%に低下し、今回はさらに22.4%まで下がっており、低下傾向が続いていると指摘した。同時に、「平和統一」に反対する市民はその3倍以上に上ると強調した。
明氏は、蔡英文・前総統(民進党)の任期中の支持率が一時18%まで落ち込んだものの、2019年に香港で広がった逃亡犯条例改正案反対デモ(反送中運動)を挟んで、支持率は39%まで急上昇。最終的に蔡氏は2020年の総統選挙で57%の票を得て再選を果たしたと指摘する。また与党(民進党)関係者への聞き取りで、蔡氏の支持率浮上は、香港のデモに連帯を示したことがきっかけだったと知ったと述べ、「言い換えれば、当時『香港のようになりたいか』と尋ねていたら、市民の反応は現在と異なっていたはずだ」と語った。
「香港から50万人超が脱出」
明氏はさらに、市民が現在の香港の状況を詳しく理解していれば、回答も異なっていたはずだと主張する。2019年から現在に至るまで、香港から「脱出」した者の数は40万~50万人に上り、空港では生き別れの光景が繰り返されてきたという。これは1949年にわれわれの先人たちが大陸から(台湾に)逃れてきた際と全く同じ状況だとした上で、「これらの人々は共産党の本質を理解している」と語った。
明氏によると、香港を離れた人々は共産党を理解しており、一旦離れれば二度と戻れないと知っていた一方、離れなかった人々は、自身が高齢でどうしようもないと考えて脱出者との生き別れを選択したという。なお香港を脱出した人々は中流以上のエリート層が大部分を占めているそうだ。
明氏は、現在の香港では資金の大規模な流出と多数の外資系企業の撤退が起きており、経済が大幅に後退していると指摘した。最も具体的な指標として、香港株式市場と不動産価格がともに半減していることを挙げた。しかし現在、香港の経済指標は再度上昇に転じているが、これは中国人が移住し、香港で不動産を購入しているためで、「彼らは大陸に住むより香港に住む方がましだと考えている」と説明した。
明氏は、香港では既にあらゆる自由が失われたとし、平和統一を支持する人々に対し、「本当に香港がどうなったかを理解しているのか。真に理解しているなら、このような選択はしないだろう」と疑問を投げかけた。
上記の世論調査は、美麗島電子報が世論調査の専門家、戴立安氏に質問票の設計と分析を、畢肯市場研究に電話調査の実施を委託して行われた。調査期間は2026年4月22日から24日で、対象地域は全土22県市、対象者は同地域に戸籍を持つ20歳以上の市民。調査方法は固定電話と携帯電話のデュアルフレーム・サンプリング法を採用した。有効回答数は1074人(固定電話698人、携帯電話376人)で、信頼度95%における標本誤差の最大値は±3.0%。
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編集:平松靖史 (関連記事: 米中首脳会談、台湾は取引材料になるのか 関税と選挙を巡る駆け引きにアジア警戒 | 関連記事をもっと読む )

















































