台北大衆捷運(台北メトロ)は、路線網の拡張および増加し続ける乗客需要に対応するため、約59億台湾元を投じ、韓国の現代ロテム(Hyundai Rotem)から高輸送力型の通勤電車10編成を追加調達した。その第1編成が3日間、約1200キロに及ぶ海上輸送を経て、このほど韓国・馬山(マサン)港から台北港に無事到着した。「人間中心の交通(人本交通)」をコンセプトに掲げるこの次世代型車両は、厳格なテストを完了させた後、2027年半ばに本格的な営業運転を開始する予定であり、開業30周年を迎える台北メトロにとって起爆剤となることが期待されている。
海を渡る輸送の舞台裏、厳重な防湿梱包、重さ42トンの車両を深夜に陸送
海外から到着した新たな戦力となる同車両だが、各車両の輸送プロセスはまさに精密なエンジニアリングの連続であった。車内の精密な機械・電気システムを海上輸送中の高塩分や湿気から守るため、台北メトロとメーカー側は最高レベルの防護措置を採用した。各車両は緩衝用フォームとシュリンクフィルムで隙間なく覆われ、最外層には防水・防塵仕様のシートが被せられた。
車両は1両あたり重量約42トン、全長24メートルに達するため、クレーンでの吊り上げ作業では車体構造を損なわないよう、重心を正確に把握する必要があった。台北港への到着と通関手続き完了後、その巨大なサイズゆえに一般的なトレーラーでは積載が困難であることから、台北メトロは特別仕様のトレーラーを手配し、1両ずつ輸送を行った。
日中の交通への影響を避けるため、輸送チームは幾度も現地調査を実施し、沿線の回転半径や高さ制限を綿密に計算した。その結果、深夜帯に厳重な監視体制のもとで陸送が行われ、巨大な車両は無事に北投車両基地へと運び込まれ、組み立て作業へと移行した。
内装を大幅刷新、全席に「ロングシート」を採用し車内動線を最適化
韓国の現代ロテムが製造を手掛けたこの次世代型車両は、1編成(6両)あたりの建造費が5億9000万台湾元に上る。従来の一部クロスシート(対面式座席)の配置とは異なり、新型車両の内装はすべて「ロングシート」へと変更された。これにより乗車動線が効果的に広がり、車内空間にゆとりが生まれ、ラッシュ時の混雑感の緩和が期待されている。
座席配置の見直しに加え、旅客案内表示や運転制御システムも強化されている。台北メトロによると、今回の新型車両はより快適で直感的な乗車環境を提供することを設計の核心に据えており、通勤・通学のプロセスにおいて「人間中心の交通」の進化を体感できる仕様となっているという。現在、どの路線に投入されるかは最終的な調整段階にあり、各路線の輸送力逼迫状況やシステムとの互換性が優先的に考慮される見通しだ。
稼働に向けた厳格なテスト段階へ、1日平均210万人の輸送需要に対応
台北市主計処の最新の統計によると、台北メトロの利用客数は5年連続で増加傾向にあり、昨年の1日平均乗客数は210万2000人に達し、年間の営業収益は185億台湾元を突破した。輸送量の急増という課題に直面する中、新型車両の投入は急務となっている。
第1編成が北投車両基地に到着した後、直ちに以下のような長期にわたる「健康診断」プロセスが開始される。
- 静的テストおよび基地内テスト:車両の連結、組み立て、ならびに静止状態での機能検査を実施する。
- 本線での動的テスト:新型車両と既存の信号、電力供給、軌道システムとの互換性を検証し、「100%」の接続誤差ゼロを確保する。
- 本線試運転:オフピークの時間帯を利用し、乗客を乗せない状態での本線走行テストを行う。
台北メトロは、すべての安全指標が基準をクリアして初めて新型車両を正式に運用ラインに投入すると強調している。2027年半ばには、この新型車両が正式に大台北地区(台北首都圏)の地下を駆け抜け、市民により質の高い輸送サービスを提供することになる。
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編集:柄澤南 (関連記事: 「伝説のブルーライン区間車」一日わずか10本未満 途中で全員下車、謎の南港基地へ 台北メトロが明かした「幻のルート」とは? | 関連記事をもっと読む )
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