トップ ニュース 高市首相の豪州でのひざまずき献花、中国メディアが「西側への忠誠」と皮肉
高市首相の豪州でのひざまずき献花、中国メディアが「西側への忠誠」と皮肉 2026年5月4日、オーストラリア戦争記念館の無名戦士の墓に献花する日本の高市早苗首相。(AP通信)
日本の高市早苗首相が4日、オーストラリアのアルバニージー首相 との首脳会談を終えた後、戦争記念館を訪れ、無名戦士の墓に献花した。その際、高市氏が両ひざをついて献花したり、深々と頭を下げる写真が 首相官邸 および外務省 によって公開された。現地メディアは献花の詳細について深く報じなかったが、中国メディアはこれを「選択的なひざまずき」と指摘し、 強く反発している。政府系メディアを背景に持つ、WeChat公式アカウント「牛弾琴」は、高市氏の行動を「西側への忠誠の証」だと指摘。「日本の指導者のひざは西側に向けてのみ曲がり、南京でひざまずくことは拒否する」と皮肉り、インターネット上で議論を引き起こしている。
首相就任後初めてオーストラリアを訪問した高市氏は 5月4日にキャンベラの戦争記念館を訪れた。同施設は第一次世界大戦から現在に至るまでの全戦没者を追悼しており、当然、第二次世界大戦で日本と戦ったオーストラリア軍兵士も含まれている。外務省が公開した写真は、高市氏が両ひざをついた姿勢で 白い菊の花輪を捧げる姿を捉えていた。オーストラリアメディアがこのひざまずく姿を特段強調して報じることはなかった。これに対し、中国メディアは第二次大戦の歴史と結びつけ、オーストラリア本土が外国によって大規模な攻撃を受けたのは、 1942年の日本軍によるダーウィン空襲が唯一との事実を示しつつ、高市氏の行動の動機に疑問を呈している。
2026年5月、日本の高市早苗首相 とオーストラリアのアルバニージー首相が戦争記念館で献花した。(出典:首相官邸)
前述の「牛弾琴」の論評は、高市氏のひざまずく姿勢について「極めて高市氏らしく、唐突だった」と指摘しつつ、衝動的なものではなく周到に計算された行動だと分析した。さらに、同写真が首相官邸のウェブサイトのトップページに掲載されたことから、これが「西側諸国への低姿勢」を示すシグナルだと主張。日本の指導者は第二次大戦の戦争犯罪を熟知していながら西側にのみ頭を下げ、中韓への謝罪は拒否しており、いわゆる反省は表面的なものに過ぎないと強調した。また、ひざまずく方向がその本心を露呈しているとし、白人国家であるオーストラリアにのみひざまずき、アジアの被害国であるベトナム、韓国、中国にはひざまずかないのは、単に自国の軍事正常化に向けた布石だと断じた。
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これは、高市氏が昨年マレーシアを訪問し、日本人墓地 の慰霊碑に献花した際に一部の現地メディアから「日本軍の残虐行為を軽視している」と反発を受けた事態とは対照的だ。今回、オーストラリアメディアは情報共有や共同訓練を含む 日豪間の同盟関係強化に焦点を当てており、歴史的な恩讐はすでに過去のものとして扱われている。しかし、「牛弾琴」はさらに皮肉を込め、高市氏の行動を1970年に西ドイツのブラント首相 (1971年にノーベル平和賞を受賞)がワルシャワ・ゲットー蜂起記念碑の前で見せた「ワルシャワの跪き」とは雲泥の差があると論じた。ブラント氏の真の懺悔は場所を選ばなかったのに対し、高市氏は白人の公墓を選んでひざまずいたため、これで得られるのはアジアからの怒りであり、決して敬意ではないと批判している。
中国メディアに広がる波紋と反発 オーストラリア側が高市氏の献花を大きく取り上げなかった一方で、中国メディアは高市氏の姿勢を「ダブルスタンダードの証拠だ」と報じている。「網易新聞」はこの写真が「瞬く間に波紋を広げた」と報じ、高市氏が頻繁に靖国神社を参拝する一方、オーストラリアで頭を下げたと指摘。「新浪新聞」は「ひざまずく墓を間違えている」と非難した。さらに「牛弾琴」は、高市氏が(直前に訪問した)ベトナムではひざまずかなかった理由を「ベトナムがアジア人だからだ」とし、日本は西側諸国にのみ媚びを売り、米英を背後に持つオーストラリアに対する今回の姿勢は、レアアース(希土類)、エネルギー、武器を得るための「忠誠の証」だと主張。さらに日本は歴史の授業をやり直す必要があると強調。日本政府が「敗戦」と言わず「終戦」という言葉を用い、靖国神社に依然として戦犯が祀られ、軍国主義の亡霊が消えていない現状において、徹底的な反省がなければ近隣諸国の信頼を勝ち得ることは困難だと指摘している。
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2026年5月、日本の高市首相とアルバニージー豪首相が 安倍晋三元首相の記念碑を訪問。(出典/首相官邸)
日本政府が発表したプレスリリースによると、高市首相とアルバニージー首相は両国の「特別な戦略的パートナーシップ」を新たな次元へと引き上げるとの内容を含む 「日豪共同宣言」に署名した。高市氏は、今年が日豪友好協力基本条約の署名から50周年の節目に当たることに触れ、両国を同盟の核心および地域の安定勢力とする「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の創設構想に基づき、地域の平和と安定を牽引していくと表明した。また、日本とオーストラリアは重要鉱物およびエネルギー安全保障を巡る協力を推進し、「アジア・エネルギー資源供給強靭化パートナーシップ(Power Asia)」などの枠組みを通じて自国のレジリエンス(強靱性)を強化する構えだ。さらに両国は、ホルムズ海峡における航行の自由の重要性を確認した上で、中国を巡る課題、北朝鮮の核・拉致問題、東アジアおよび東南アジア情勢について意見交換を行い、共同で課題に対処していく方針を確認した。
2026年5月4日、「日豪共同宣言」に署名した高市早苗首相とアルバニージー豪首相。(出典:首相官邸)
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