高市首相、豪州でひざまずき献花 中国メディアが「西側への忠誠」と皮肉

2026-05-07 16:21
2026年5月4日、オーストラリア戦争記念館の無名戦士の墓に献花する高市早苗首相。(AP通信)
2026年5月4日、オーストラリア戦争記念館の無名戦士の墓に献花する高市早苗首相。(AP通信)

日本の高市早苗首相が4日、オーストラリアのアルバニージー首相との首脳会談を終えた後、首都キャンベラの戦争記念館を訪れ、無名戦士の墓に献花した。その際、高市氏が両ひざをついて深々と頭を下げる写真が、日本の首相官邸および外務省によって公開された。

豪州の現地メディアは献花の詳細を大きく報じなかったが、中国メディアはこれを「選択的なひざまずき」だとして強く反発している。中国政府系メディアの背景を持つWeChat公式アカウント「牛弾琴」は、高市氏の行動を西側陣営への「踏み絵」だと指摘。「日本の指導者の膝は西側に向けてしか曲がらない。南京でひざまずくことは決してしない」と皮肉り、ネット上で議論を呼んでいる。

首相就任後初めてオーストラリアを訪問した高市氏は、5月4日にキャンベラの戦争記念館を訪れた。同施設は第一次世界大戦から現在に至るまでの全戦没者を追悼する施設で、当然ながら第二次世界大戦で日本軍と戦ったオーストラリア軍兵士も対象に含まれる。

日本政府が公開した写真は、高市氏が両ひざをついた姿勢で白菊の花輪を捧げる姿を捉えていた。豪州メディアはこのひざまずく姿を特段強調して報じることはなかった。これに対し中国メディアは、第二次大戦の歴史と結びつけ、オーストラリア本土が外国から大規模な攻撃を受けたのは1942年の日本軍によるダーウィン空襲が唯一の事例であると指摘した上で、高市氏の行動の動機に疑問を呈している。

2026年5月、日本の首相・高市早苗氏と豪首相・アルバニージー氏が戦争記念館で献花。(出典:首相官邸)
2026年5月、オーストラリア戦争記念館で献花する高市早苗首相とアルバニージー豪首相。(写真/首相官邸)

「西側への低姿勢を演出」中国側の見方

前述の「牛弾琴」の論評は、高市氏のひざまずく姿勢について「極めて高市氏らしく、唐突だった」と指摘した上で、衝動的なものではなく周到に計算された行動だと分析した。さらに、同写真が首相官邸ウェブサイトのトップページに掲載されたことから、これが「西側諸国への低姿勢」を示すシグナルだと主張。日本の指導者は第二次大戦の戦争犯罪を熟知していながら西側にのみ頭を下げ、中韓への謝罪は拒否しており、いわゆる反省も仮面にすぎないと強調した。膝を曲げる方向そのものが本心を露呈しているとし、欧米の国であるオーストラリアにのみひざまずき、アジアの被害国であるベトナム、韓国、中国にはひざまずかないのは、単に自国の軍事的正常化に向けた布石にほかならないと断じた。

これは、高市氏が昨年マレーシアを訪問し、現地の日本軍慰霊碑に献花した際に一部の現地メディアから「日本軍の残虐行為を軽視している」と反発を受けた事態とは対照的だ。今回、豪州メディアは情報共有や共同訓練を含む日豪間の同盟関係強化に焦点を当てており、歴史的な恩讐はすでに過去のものとして扱われている。 (関連記事: 尹前大統領夫人・金建希氏に懲役4年判決のソウル高裁判事、裁判所テラスで死亡 関連記事をもっと読む

しかし「牛弾琴」はさらに皮肉を込め、高市氏の行動を1970年に西ドイツのヴィリー・ブラント首相(1971年にノーベル平和賞を受賞)がワルシャワ・ゲットー蜂起記念碑の前で見せた「ワルシャワの跪き」とは雲泥の差があると論じた。ブラント氏の真の懺悔は場所を選ばなかったのに対し、高市氏は欧米の公的な墓地を選んでひざまずいたため、これで得られるのはアジア諸国の怒りであり、決して敬意ではないと批判している。

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