反民進党色を強める台湾民衆党 柯文哲氏が黄国昌氏に真意を問う舞台裏

2026-05-06 14:53
民衆党には創党主席の柯文哲氏(左)と現職主席の黄国昌氏(右)という「2つの太陽」が存在するが、近頃は騒動が絶えず、その輝きは陰りを見せている。(写真/柯承惠撮影)
民衆党には創党主席の柯文哲氏(左)と現職主席の黄国昌氏(右)という「2つの太陽」が存在するが、近頃は騒動が絶えず、その輝きは陰りを見せている。(写真/柯承惠撮影)

「2つの太陽」(2人の指導者を意味する)を持つとされる台湾の第三極・台湾民衆党(以下、民衆党)は現在、現職の党主席である黄国昌(こう・こくしょう)氏が党務を主導し、前党主席の柯文哲(か・ぶんてつ)氏が精神的指導者を務めている。しかし、柯氏は不動産開発「京華城」を巡る汚職事件の一審で懲役17年の判決を受け、2028年総統選への出馬資格を喪失した。

一方、黄氏も新北市長選に向けた予備選の世論調査で最大野党・国民党の候補である李四川(り・しせん)氏に敗北。主戦場を失ったうえ、党内規定の「2年条項」(同一公職を2年を超えて継続することを禁ずる党規)により立法委員(国会議員に相当)を辞職した黄氏は、公職にも就かず選挙の予定もない「実権のない野党党首」となった。

黄氏が新北市長の予備選で敗れた当日、党本部では涙を流す職員もいた。さらに嘉義市長選や宜蘭県長選の予備選も決して楽観視できない状況のなか、民衆党は今後どこへ向かうのか。かつて政界を左右するキャスティング・ボートを握っていたはずの同党が、なぜ最終局面で決定打となる影響力を発揮できずにいるのか。

20260428-国民党と民衆党による新北市長世論調査結果発表記者会見が28日、台湾大学校友会館で開催された。図は国民党の候補である李四川氏(右)、民衆党の候補である黄氏(左)。(劉偉宏撮影)
黄国昌氏(左)は国民党・民衆党による新北市長候補の世論調査で李四川氏(右)に敗北し、次のステップとなる政治的動向に注目が集まっている。(写真/劉偉宏撮影)

民衆党に相次ぐ騒動、政党支持率は1桁台に急落

​民衆党が直面する足元の危機は、黄氏の予備選敗北だけではない。4月上旬には、元立法委員の李貞秀(り・ていしゅう)氏が離党処分を受けた後、党内に対して猛烈な批判を展開し、黄氏を「偽善者」と非難した。4月中旬には、元報道官の楊宝楨(よう・ほうてい)氏が台中市議選への出馬を表明したものの、同党の熱狂的ネット支持層(通称:小草)から組織的なバッシングを受けた。これに対し楊氏も一歩も引かず反撃に出たことで、2年前に同氏が涙ながらに辞任し波紋を呼んだ騒動を各界に思い起こさせる事態となった。

4月下旬には、元雲林県党本部主委の林靖冠(りん・せいかん)氏が与党・民主進歩党(民進党)からの指名を受け市議選への出馬を表明。その後、複数の政治討論番組に出演し、柯氏が自らを「主君」と称していたと指摘したうえで「未公表の衝撃的な事実がまだある」と予告した。これに加え、立法院で審議が難航している武器調達条例、柯氏が夜間に新光病院へ見舞いに訪れた件、柯氏がペッパースプレーを浴びた騒動、そして比例代表候補の徐瑞希(じょ・ずいき)氏が党籍確認訴訟に勝訴し立法委員への繰り上げ当選が濃厚となった事態など、2026年4月の民衆党は連日のようにトラブルに見舞われた。
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台湾メディア『美麗島電子報』が発表した4月の世論調査によると、民衆党の支持率はわずか7.0%にまで落ち込み、国民党(25.1%)および民進党(38.5%)を大きく下回った。政党の好感度については、民衆党の好感度が25.5%、反感度が55.8%であった。好感度は国民党(33.9%)や民進党(44.0%)に及ばず、反感度は国民党(50.5%)や民進党(46.0%)を上回る結果となった。柯氏が総統選で26.46%の得票を獲得し、政党票でも22.07%を獲得した2024年の大型選挙時と比較すると、民衆党の退潮傾向は極めて顕著である。

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