ホルムズ海峡封鎖で商船千隻超が足止め トランプ氏、4日に「プロジェクト・フリーダム」開始へ
ホルムズ海峡の封鎖が長期化し、ペルシャ湾に千隻以上の商船と約2万人の船員が足止めされる中、ドナルド・トランプ米大統領は3日、イランと積極的な交渉を進めると同時に、4日から「プロジェクト・フリーダム」と名付けた取り組みを展開すると発表した。1万人を超える米軍兵士や軍用機、艦艇を動員し、海峡内に取り残された各国の商船を安全な海域まで「誘導」し、商業活動の正常化を図る構えだ。一方でイラン当局者は、米国によるホルムズ海峡への介入は停戦合意違反と見なすと警告している。
トランプ氏は3日、SNSへの投稿を通じ、「イラン、中東、そして米国の利益のため、各国の船が足止めされている水域から安全に離脱し、自由かつ円滑に商業活動を継続できるよう誘導すると関係国に伝達した」と述べた。米中央軍(CENTCOM)によると、「プロジェクト・フリーダム」にはミサイル駆逐艦、100機以上の軍用機や無人機(ドローン)に加え、1万5000人の兵力が投入される見通しだ。CENTCOMのブラッド・クーパー司令官(大将)は「この任務は地域の安全保障および世界経済にとって極めて重要であり、我々は海上封鎖の任務も継続する」と明言した。ただ、米国がどの国の船舶を支援対象とするか、また同作戦の具体的な展開方法については明らかになっていない。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、米国の方針表明は原油価格の下落につながっている。北海ブレント原油は2%近く値下がりし、1バレル=106米ドル台前半を付けたほか、WTI原油は100ドルを割り込んだ。しかし、イラン国会・国家安全保障委員会のエブラヒム・アジジ委員長は、「ホルムズ海峡における新たな海上管理体制に対する米国のいかなる介入も、停戦合意違反と見なす」と強く牽制した。
停滞する米イ和平交渉
トランプ氏は、「米国の代表団はイラン側と積極的に協議を重ねており、これらの交渉は各方面に極めて前向きな結果をもたらす可能性がある」と強調した。一方、イラン側も3日、仲介国のパキスタンを通じて、自国の和平提案に対する米国からの回答を受け取ったと明らかにした。イラン外務省のエスマイル・バガイ報道官は、イランが米国に提示した14項目の提案について、「中東地域における戦争終結に完全に焦点を当てたものだ」と説明し、「現段階では核に関する交渉は一切行われていない」と付け加えた。トランプ氏は同日、イラン側の和平提案を精査中であることを明らかにした上で、イラン側が「不適切な行動」に出た場合、米国は軍事攻撃を再開し、イランのミサイル製造施設を破壊する用意があると警告した。米国およびイスラエルとイランの間で2月28日に勃発した戦闘は、4月7日の停戦合意発効以降、一時休止状態にある。
(関連記事:
イラン、ホルムズ海峡通航料の初回入金を主張 米制裁との間で海運各社が板挟み
|
関連記事をもっと読む
)
FTは、米イラン間の和平交渉は依然として停滞しており、米政府高官らは、その責任はイラン指導部内の対立と混乱にあると指摘したと報じた。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)も、交渉戦略を巡りイラン国内の穏健派と強硬派の間で意見の相違が生じていると伝えている。米政府はイランに対し、核兵器への転用が可能な400キロを超える高濃縮ウランの在庫廃棄を求めている。これに対しイラン側は、原子力開発計画は平和利用目的だと主張しつつも、制裁解除を条件に制限措置の協議に応じる姿勢を見せている。イランメディアの報道によると、イラン政府が提示した14項目の和平提案には、周辺地域からの米軍撤退、海峡封鎖の解除、イランの凍結資産の解除、戦争賠償金の支払い、経済制裁の解除、レバノンを含むあらゆる戦争の終結、そしてホルムズ海峡における新たな管理体制の構築が含まれている。
原油価格の「臨界点」まで猶予は数週間
和平交渉の停滞が続く中、中東における最も重要な戦略的航路、ホルムズ海峡の海運は依然として麻痺状態にある。推計によると、千隻以上の商船と約2万人の船員がペルシャ湾で足止めされている。トランプ氏は3日、足止めされている船舶の多くは紛争とは無関係の国に属しており、船員たちの「食料も底をつきかけている」と指摘。イランによる海峡封鎖は世界的なエネルギー価格の高騰を引き起こしていることについて市場関係者は、原油市場が価格のさらに大幅な急騰を招く「臨界点」まで数週間の猶予しかないと警告している。トランプ氏は交渉を急がない姿勢を繰り返し強調しているが、国内では経済の悪化と原油高の圧力に直面しており、同氏が所属する共和党も11月の中間選挙に向け苦戦を強いられている。
トランプ氏が「プロジェクト・フリーダム」を発表した直後、英ロイターは英国の海事機関「UKMTO」の報告を引用し、ホルムズ海峡でタンカー1隻が国籍不明のミサイルによる攻撃を受けたと報じた。幸いにも乗組員は全員無事で、同タンカーは現在、アラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ沖約78カイリの地点に停泊しているという。ロイターによれば、過去2カ月以上にわたり、イランは自国およびごく一部の外国船籍を除き、ペルシャ湾を出発する全ての船舶を封鎖しており、これがエネルギー価格高騰の要因となっている。ホルムズ海峡の通航を試みた一部の船舶が攻撃を受けたほか、イランは複数の船舶を拿捕している。一方、米国も先月、イランの港から出港する船舶に対する封鎖措置を発動している。
更多新聞請搜尋🔍風傳媒日文版
最新ニュース
虎ノ門ヒルズで過去最大規模の「バルホッピング」開催へ 新街区も加わり全87店舗が美食を提供森ビル株式会社は、2026年5月21日から28日までの8日間、虎ノ門ヒルズにおいて「Toranomon Hills Bar Hopping ~飲んで食べて美食巡り~」を開催すると発表した。4回目を迎える今回は、新たに日鉄興和不動産が運営する「虎ノ門アルセアタワー」内の店舗も初参加し、参加店舗は過去最大の計87店舗にのぼる。施設やタワーの垣根を超え、虎ノ門エリ......
半導体の次は量子か 台湾が狙う「次なるTSMC」の正体人工知能(AI)ブームが世界を席巻し、台湾の株式市場が上昇を続けるなか、ある海外のフィンテック企業幹部は「台湾はすでにAIハードウェアの代名詞となっている」と感嘆の声を上げた。しかし、台湾は半導体の優位性を武器にAIサプライチェーンで確固たる地位を築いている一方で、早くも台湾の次なる「護国神山(国を護る神の山=国を支える中核産業の意)」の構築に向けて、あるチ......
台湾第3原発、2028年再稼働へ燃料棒調達加速か 経済部が説明台湾の第2、第3原子力発電所で集中的な大規模点検・整備が進む中、第3原発の2028年再稼働に向け、台湾電力(台電)が燃料棒調達を加速させているとの見方が浮上している。これに対し、経済部(経済産業省に相当)は3日、第3原発では現在、自主安全点検を進めているとした上で、今後は核能安全委員会(核安会、原子力安全委員会)の審査を通過して初めて運転許可の更新が可能にな......
東京財団が「給付付き税額控除」の具体的設計を提言 格差是正と就労支援の両立を目指す公益財団法人東京財団政策研究所(東京都港区、中林美恵子理事長)は、雇用保険と生活保護の隙間に位置する「第2のセーフティネット」を構築するため、中低所得の勤労者を対象とした「給付付き税額控除」の導入に向けた具体的な制度設計を提言した。本提言は、就職氷河期世代の非正規雇用者など、既存の支援制度からこぼれ落ちる層への所得再分配と、就労インセンティブの向上を両立させ......
サマソニ第8弾追加アーティスト発表、BINIやREAL McCOYら8組が決定2026年夏の都市型音楽フェスティバル「SUMMER SONIC 2026」の第8弾追加出演アーティストが発表され、世界各国から多様なジャンルの8組が新たに加わることが明らかになった。5月15日の東京公演には、他日程での出演がすでに決定していたカリスマ的アーティスト、mgk(マシン・ガン・ケリー)が追加され、異例の3日連続出演を果たす。さらに、ラテン・グラミ......
【寄稿】日本の就労ビザ新制度、日本語だけでは足りない時代へ 「語学+専門性」が鍵に日本政府は2026年4月、就労ビザの新制度を施行した。外国人が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請する際、業務内容が日本語でのコミュニケーションや翻訳、通訳、折衝、あるいは国際業務の窓口などを主とする場合、原則として相応の語学力の証明を求めるというものだ。日本語を業務言語とする場合、一般的にはCEFRのB2相当(日本語能力試験JLPTのN2以上、また......
日本最大級の宇宙ビジネス展「SPEXA」開幕へ 月面住宅や探査機など約250社が集結RX Japan合同会社は、2026年5月27日から29日までの3日間、東京ビッグサイトにおいて日本最大級の宇宙ビジネス総合展「第3回 SPEXA(スペクサ) -【国際】宇宙ビジネス展 -」を開催する。2026年4月にNASAの有人月ミッション「アルテミスII(Artemis II)」の打ち上げが成功したことで世界的な宇宙開発への期待が高まっており、日本国内......
韓国の女子高生、ダイエット薬使用が上昇 K-POP時代の「やせ志向」が影響か韓国社会ではK-POPアイドルのような完璧な体型が単一的な美の基準となっており、その影響は成人のみならず未成年の学生層にも波及している。韓国政府が全国の学生9万2000人を対象に実施した健康調査の結果がこのほど発表され、ほっそりとした体型を過度に重視する歪んだ美意識など、潜在的な懸念事項がいくつも浮き彫りとなった。韓国紙、中央日報は、韓国政府が発表した「20......
入管庁、在留外国人向け最新情報を公開 加工写真は不可、住所届は14日以内出入国在留管理庁は、日本で生活する外国人を支援するため、最新の業務紹介や利便性の高いツールをまとめた情報を公開した。今回の情報公開は、在留手続きの適正化と、日本での円滑な生活維持を目的としている。当局の施設や業務を分かりやすく紹介するウェブページ「なるほど!出入国在留管理庁」では、街のイラストに配置されたアイコンをクリックすることで、各施設の役割を直感的に理......
量子コンピュータのチップ化へ台湾企業が本格始動 低温チップとシステム統合が鍵現在の量子コンピュータは、絶対零度(マイナス273度)近くの極低温環境で動作する必要があり、巨大な配線系統や希釈冷凍機を伴うことから、装置全体は一つの大部屋ほどの規模になることも珍しくない。量子コンピュータが今後、研究室の外へ出て本格的な商用化に向かえるかどうか。その鍵を握るのが「チップ化」だ。台湾経済部(経済省)は4月27日、「量子産業技術推進オフィス」を......
台湾、量子産業を本格始動 半導体の強み生かし次の兆元市場狙う半導体の「シリコンの盾」に続く次世代技術競争に向け、台湾が量子産業への歩みを加速させている。台湾経済部(経済省)は27日、「量子産業技術推進オフィス(QITPO)」を正式に発足させた。政策の統合と産業チェーンの整備を軸に、既存の半導体分野での優位性を土台として、台湾独自の量子分野の重要サプライチェーンの構築を目指す方針だ。すでに海外企業2~3社が台湾での研......
GOSSO株式会社、「肉寿司」商標およびフランチャイズ事業を譲受 ブランドの全国展開を加速へ飲食店事業を幅広く展開するGOSSO株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田建)は、株式会社ガーデン(代表取締役社長:川島賢)より、「肉寿司」の商標およびフランチャイズ(以下、FC)事業を譲り受けることを決定した。両社は2026年4月27日に契約を締結し、同年5月1日付で事業譲渡が実行された。GOSSO株式会社は、居酒屋や焼肉、麺料理、スイーツなど多岐......
UAE、ホルムズ海峡を迂回し原油輸出へ 5月からフジャイラ経由2026年のエネルギー争奪戦においては、原油を「運び出せる」者が価格決定権を握ることになる。米国とイランの軍事衝突に停戦の見通しが見えない中、アラブ首長国連邦(UAE)は先日、長期契約を結ぶ顧客に対し、ペルシャ湾に入ることなく原油を積み込める選択肢を急遽通知した。現在、戦争状態により機能不全に陥っているホルムズ海峡への進入を避け、オマーン湾側のフジャイラ港で......
パラグアイ大統領の5月訪台と北京の貿易赤字圧力、台湾に求められる外交防衛策南米の内陸国パラグアイは、中華民国(台湾)にとって同大陸における数少ない同盟国の一つである。中国政府が長年にわたり中南米の複数の同盟国を切り崩してきたにもかかわらず、パラグアイは数十年にわたり一貫して台湾との正式な外交関係を維持してきた。しかし、パラグアイ大統領の台北訪問を目前に控え、数十年に及ぶこの友好関係に海外メディアから懸念の声が上がり始めている。パラ......
【独占取材】東京都、若手デザイナーを世界へ サステナブルファッションでアジア展開も視野東京都が主催するファッションコンクール「Next Fashion Designer of Tokyo(NFDT)」および「Sustainable Fashion Design Award(SFDA)」のファッションショーが3月29日、虎ノ門ヒルズ ステーションアトリウムにて盛況のうちに幕を閉じた。本イベントを通じて、東京発のインクルーシブデザインやサステナブ......
台北・新北を結ぶMRT環状線北環段の12駅概要が判明、31年全線開通へ台湾・台北都市圏の交通ネットワークが大きな転換期を迎えようとしている。各界から注目を集める都市鉄道(MRT)環状線の「北環段(北区間)」が本格的な建設段階に入り、2031年の完成を見込んでいる。同路線は桃園国際空港へつながる空港線(桃園メトロ)をはじめ、レッドライン(淡水信義線)、イエローライン(中和新蘆線)、ブラウンライン(文湖線)の主要4路線を接続し、こ......
台湾半導体生産額が7.1兆元へ AIとHBM牽引もIC設計は二極化の懸念台湾のシンクタンク、情報工業策進会(資策会)産業情報研究所(MIC)は28日、半導体産業の最新トレンド予測を発表した。人工知能(AI)需要の拡大により、世界の半導体市場は従来の景気循環からハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)を軸とする長期的な構造的成長へと移行し、2026年には前倒しで1兆ドルの大台を突破するとの見通しを示した。同年の台湾の半導体......
次世代のアジア人映画人を育成「タレンツ・トーキョー2026」開催決定、参加者の募集を開始タレンツ・トーキョー実行委員会は、東京都および公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京との共催により、アジアの若手映画監督やプロデューサーを対象とした人材育成事業「タレンツ・トーキョー2026」を開催する。本事業は、ベルリン国際映画祭の公式プログラム「ベルリナーレ・タレンツ」のアジア版として2010年に開始され、今年で17回目を迎える。世界を舞台......
DXTEEN 2ndワンマンツアー最終公演、U-NEXTにて独占ライブ配信が決定USEN&U-NEXT GROUPの株式会社U-NEXTは、人気グローバルボーイズグループ・DXTEEN(ディエックスティーン)の2度目となるワンマンツアー「2026 DXTEEN 2ND ONE MAN LIVE TOUR ~Heart & Soul~」のファイナル公演を、5月9日(土)に独占ライブ配信することを発表した。DXTEENは、大久保波留、田中笑......
中国、直行便再開を打診 「92年コンセンサス」抜き協議に含み、台湾本島観光解禁も焦点台湾最大野党・国民党の鄭麗文主席と中国の習近平国家主席による「鄭・習会談」後、中国政府は両岸(中台)の直行便拡大や、上海市および福建省の住民に対する台湾本島への個人旅行解禁など、10項目の台湾優遇政策を発表した。当初、与党・民進党政権が難色を示す限り進展はないとみられていたが、予想に反し、中国側が自ら台湾側に航空直行便の再開を求める書簡を送付したことが明らか......
【独占インタビュー】血肉果汁機、台湾の特色を武器に世界へ 飽和する国内市場を越えて台湾を代表するメタルバンド「血肉果汁機(Flesh Juicer)」が、2026年4月に日本ツアーを成功裏に終えた。台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』は、4月7日の東京公演前夜にあたる4月6日、リハーサルを終えたばかりのメンバー全員への独占インタビューを敢行した。台湾の特色を世界へ示すFlesh Juicerが日本ツアーの独占取材で国内市場の飽和と若......
米国人は中国を「敵」と見なくなったのか 対中敵視28%に低下、若年層で意識変化米調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が今年1月に発表した調査結果から、米国世論の対中感情に軟化の兆しが生じていることが明らかになった。中国を「敵」と見なす回答者の割合は、2024年3月時点の42%から今年初めには28%にまで低下している。この動向について、国際機関の専門家は、わずか2年足らずの間で生じた米国世論の変化......