TSMCの2nm投資拡大で材料サプライチェーンに追い風 独占供給企業に注目

台湾積体電路製造(TSMC)は2026年の売上見通しを上方修正したのみならず、この力強い成長モメンタムは、3nmおよび2nmプロセスの増産拡大に加え、CoWoSの生産能力倍増やSoICプロセスの継続推進といった先進パッケージング分野にも由来している。(写真/魏鑫陽撮影)
台湾積体電路製造(TSMC)は2026年の売上見通しを上方修正したのみならず、この力強い成長モメンタムは、3nmおよび2nmプロセスの増産拡大に加え、CoWoSの生産能力倍増やSoICプロセスの継続推進といった先進パッケージング分野にも由来している。(写真/魏鑫陽撮影)

台湾積体電路製造(TSMC)が2nmプロセスの増産を進めるなか、材料サプライチェーン全体が恩恵を受けており、なかでも独占供給メーカーが最も優位に立っている。新応材と宇川精材は前工程プロセスで地位を確立し、長興材料はLCM封止材料で製品構造の画期的な進展を迎えている。

TSMCは先日の決算説明会で今年第1四半期の業績を発表したが、市場がまず注目したのはEPS(1株当たり利益)22.08台湾ドルで、前年同期比50%超の増加となり、市場予想を上回った点だった。特に重要なのは、設備投資額が520億~560億米ドルのレンジ上限に近づくと表明したことに加え、台湾・台南、米国・アリゾナP2、日本・熊本第2工場の3拠点を新設し、N3ノードの旺盛な需要に対応する方針を打ち出したことである。TSMCは2026年の売上見通しを上方修正したのみならず、この力強い成長モメンタムは、3nmおよび2nmプロセスの増産拡大に加え、「CoWoS」の生産能力倍増や「SoIC」プロセスの継続推進といった先進パッケージング分野にも由来している。

材料サプライチェーン全体図解、半導体の各工程にビジネスチャンス

半導体プロセスの材料マップを1枚見れば、この商機がいかに立体的であるかがよくわかる。前工程は酸化拡散と成膜堆積から始まり、反応ガスと金属ターゲット材が必要となる。宇川精材のALD(原子層堆積法)の前駆体、台湾特品化学のジシラン(Si₂H₆)、光洋応用材料のターゲット材などが供給を担っている。フォトレジスト塗布工程に入ると、フォトレジスト液、現像液、エッジビードリムーバー(EBR)、反射防止膜(BARC)などが必要となり、主な恩恵企業として新応材永光化学勝一化工、三福化工が挙げられる。

洗浄工程に入ると、必要となる過酸化水素、硫酸、アンモニア水などのウェットケミカルや、エッチング・レジスト除去に用いるフッ化水素酸、リン酸、剥離液は、永光化学、中華化学、勝一化工、三福化工、康普材料、晶呈科技など特殊化学品メーカー各社が分担して供給している。熱処理およびCMP(化学機械研磨)工程では、研磨パッドを頌勝科技が関連受注を獲得し、イオン注入ガスは海外のリンデ・グループおよび兆捷科技がこの分野で恩恵を受けている。

材料需要が全面的に爆発、独占供給メーカーが最も優位に

​別表に示したこのフロー図の意義は、誰が何を供給しているかを整理するだけにとどまらず、ある構造的な事実を明らかにしている点にある。すなわち、半導体製造のあらゆる工程が特殊化学材料の消費先であり、しかもプロセスの微細化が進むにつれて材料スペックはますます厳しくなり、サプライヤーの切り替えコストもますます高くなるということだ。そのため、数多くのメーカーのなかでも、独占供給の地位を確立した企業が際立った優位性を持つことになる。
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新応材の中核的な競争優位性は、原料合成から量産まで一貫した技術チェーンを保有している点にあり、これにより同社は最先端の2nmプロセスにおいて、重要なリンス液(Rinse、表面処理剤)を提供することが可能となっている。Rinse材料はリソグラフィ工程において、ベーク前段階で高純度の洗浄液として使用され、フォトレジスト表面の物理特性を調整することで、現像後の解像度を高め、パターン倒壊を抑制する役割を果たす。TSMCの3nm、2nmの生産能力拡大が継続するなか、新応材が提供するRinseおよび関連新製品は徐々に出荷量を伸ばしていくとみられる。なかでも、2nmでの使用量は3nm比で4~5割増加すると業界では伝えられており、新応材の成長モメンタムを支える鍵となっている。

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