トップ ニュース 【論評】AIが資金を吸い尽くす怪物に──TSMCを除いたとき、台湾が直面する2つの根本的な問い
【論評】AIが資金を吸い尽くす怪物に──TSMCを除いたとき、台湾が直面する2つの根本的な問い TSMCは資金、人材、資源など、台湾のあらゆるレベルにおいて「磁石のような吸引効果」を生み出している。(写真:AP通信)
4月27日、台湾株式市場の加権指数はTSMCに牽引され、一気に4万ポイントの大台を突破した。この前代未聞の株高は、全土が富の祝祭に沸いているかのように見える。しかし、その熱狂の陰には、国内のあらゆる資源が「AI」という巨大な産業に容赦なく吸い込まれているという不安な現実が潜んでいる。
AI関連株に投資した者は莫大な利益を手にし、TSMC社員に代表されるAI関連従事者の待遇も急上昇している。TSMCの新人エンジニアの年収は、いまや一般的な大卒初任給の4倍から5倍に達する。同社は台湾における理系エリートをほぼ吸収し尽くしており、「AI関連」の恩恵にあずかる層は未曾有の繁栄を享受している。だが一方で、「AIと全く無縁の人々」はどうなるのだろうか。
政治家は「AIが台湾にもたらす繁栄」を高らかに謳うだけでなく、より鋭い本質的な問題に誠実に向き合わなければならない。すなわち「AIを取り除いた後、台湾には一体何が残るのか」「AIの恩恵を受けられない人々はどのような生活を送っているのか」「AIに依存しない台湾経済の真の姿とはどのようなものか」という問いである。
これは決して大げさな煽りではない。現在の台湾社会において進行している「K字型」の経済格差を示す、最もリアルな実態である。李鴻源・前内政部長は最近、これを「台湾病」と呼び、経済学における「オランダ病」(特定産業の急成長が他産業を衰退させる現象)に似た構造的リスクであると率直に指摘した。TSMCが極端な成功を収めた結果、優れた人材、資源、資金、土地、電力が一極に集中し、その裏で静かに進行する伝統産業や中小企業の崩壊が覆い隠されているのだ。
資本市場:少数の熱狂と多数の沈黙 4月27日に加権指数が4万ポイントを突破したことで、株式市場の熱狂は頂点に達した。TSMCの株価は2330台湾元という最高値を記録し、加権指数に占める同社のウェイトは実に44.3%に達している。市場の上昇は、ほぼTSMC一社の力によって主導されている状態だ。
しかし、こうした輝かしい相場を牽引する力学の背後には、極端にバランスを欠いた投機的な雰囲気が漂っている。一部のAI関連企業の株価収益率(PER)は500倍を突破しており、株式市場は「投資」の本来の目的から乖離し、短期的な投機が行われる場へと変貌しつつある。上場・店頭公開から52週以上経過した1870銘柄のうち、過半数を超える1021銘柄がいまだに過去1年間の平均線(年線)を下回って低迷している。AI関連株を保有する投資家が巨額の利益を上げる一方で、伝統産業の株式を持つ投資家の多くは、過去1年間損失を抱えたままである。
結論から言えば、惨憺たる状況が露わになるだろう。現在、TSMC一社だけで加権指数の約44.3%を牽引しており、これを除外すれば4万ポイントという指数は瞬時に半減する。さらに、鴻海(ホンハイ)精密工業、広達電脳(クアンタ・コンピュータ)、台達電子工業(デルタ電子)、聯発科技(メディアテック)といった広義のAIサプライチェーン企業まで除外した場合、これらの寄与度は市場全体の6割を超える。後に残されるのは、取引が閑散とし、PERが低迷し、資金が流出した伝統産業や中小企業のリアルな姿である。「世界で最も魅力的なAI概念市場」は、瞬く間に成長の乏しい平凡な中小型市場へと転落するのだ。過半数の企業が年線を下回っている事実が示すように、過去1年の「強気相場」は、実際にはごく一部の人間だけを照らしていたに過ぎない。
さらに二つ目の問いを投げかけたい。サラリーマンから年金生活者に至るまで、誰もが「あの時TSMCの株を買っておけばよかった」と後悔するような社会状況は、台湾経済にとって健全と言えるだろうか。
これもまた、否である。むしろ、より深刻で厄介な警戒信号と捉えるべきだ。国民全体が、自らの労働による実質的な価値創造ではなく、「正解の銘柄を買うこと」に富を築く希望を託している状態を示しているからだ。経済全体でパイを大きくするのではなく、少数が作ったパイの欠片を多数が奪い合う構図に陥っている。こうした集団的な後悔の念は、投機的なバブルや資金の偏在を加速させ、「富裕層と貧困層」の対立を「早く買った者と乗り遅れた者」の怨嗟へとすり替え、社会の分断を深めるだけである。真の繁栄が、このような負の感情の上に築かれるはずがない。
資本市場における極端な集中、バブル化、そして国民総投機とも呼べる心理状態は、AIへの急速な資源集中の直接的な結果である。AI関連銘柄を除外したからといって、台湾株が崩壊するわけではない。しかし、株価指数の上昇は緩やかになり、市場は極端な明暗が分かれることなく、より分散されたボラティリティの低い平常状態に戻るだろう。爆発的な富の拡大効果が失われることで、皮肉にも「台湾病」の本質がむき出しになるのである。
雇用:8割を支える中小企業が取り残されるAIの恩恵 台湾の総就業人口は約1160万人だが、TSMCのサプライチェーンを含むAI・半導体関連産業の従事者はわずか30万から40万人程度であり、全体の4%にも満たない。しかし、このわずかな層が経済成長の果実の40%を吸収している。実際に社会の底辺を支えているのは、171万5000社に及ぶ中小企業である。これらは全体の80%近く(約919万人)の雇用を提供しているにもかかわらず、AIブームの陰で苦境に立たされている。不安定な受注、電力不足、地政学リスク、そして関税圧力により、中部の精密機械団地では週に3日も稼働できない工場が続出しているのが現状だ。
伝統的な製造業、小売業、サービス業、飲食業、文化クリエイティブ産業など、AIと接点を持たない人々の賃金は伸び悩み、彼らの生活実感は「国家の繁栄」というスローガンから著しく乖離している。仮にAI産業の存在がなかったとしても、彼らの生活が急激に悪化するわけではない。しかし、経済全体の成長動力が低下し、税収が減少すれば、政府が社会保障やインフラ整備、教育・文化に投じる資源も縮小せざるを得なくなる。AIがなければ、台湾経済は「格差は小さいが、全体的な生活水準の向上も遅い」という、平均的だが低成長な状態に留まっていただろう。
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人材:TSMCが理系エリートを独占し、他産業は砂漠化 TSMCは2026年に台湾国内で8000人の採用を予定している。修士号を持つ新人エンジニアの年収は約220万台湾元に達し、これは一般の初任給(月給約3万9000台湾元)の4〜5倍に相当する。同社が国内の優秀な理系人材をほぼ一網打尽にしているため、バイオ医療、グリーンエネルギー、伝統的製造業、文化クリエイティブなどの非AI産業は「構造的な人材難」に陥っている。理系の学生はこぞってTSMCを第一志望とし、他の分野では人材供給が枯渇し、賃金の上限も低く抑えられてしまう。
では、AIと無縁の人々はどう生きるべきか。彼らのキャリアの選択肢は狭まり、上昇志向を満たすルートも細くなっている。若者の間では「AIサプライチェーンに入らなければスタートラインで負ける」という焦燥感が広がり、高校でのコース選択も理系への偏重が著しい。もしAI産業がなければ、台湾の人材構造はより均等になっていたかもしれない。しかし、その場合は国家全体の競争力が低下し、かえって海外への人材流出圧力が高まっていた可能性も否定できない。
政治家が直視すべき「AIなき後の台湾」 政治家は、もはやAIのチアリーダーに留まり、「AIがどれほどのGDP、輸出額、株価をもたらしたか」を喧伝し続けるべきではない。「AIと無縁の人々はどのような生活を送っているのか」「AIを除いた後の台湾経済はどのような姿をしているのか」という問いに対し、勇敢に答えを出す必要がある。「AIを取り除いた後に何が残るのか」を誠実に直視して初めて、真の課題解決へと向かうことができるのだ。
その答えはこうだ。台湾が全てを失うわけではないが、経済を牽引してきた「スーパーエンジン」を失うことになる。残されるのは、分散した中小企業、伝統的な製造業、内需主導のサービス業であり、より均等ではあるものの成長スピードの遅い経済構造である。地政学的リスク、少子化、エネルギー問題といった長期的な課題は依然として存在しており、今はただ、AIのまばゆい光がそれら全てを覆い隠しているに過ぎない。
台湾が真に必要とする「TSMCプラス」構想 TSMCは、台湾にとって不可欠な「シリコンの盾」であり、グローバルな競争力の源泉である。これを失うことは絶対に避けなければならない。しかし、同時に残酷な事実も認識する必要がある。どれほど強力な単一エンジンであっても、国家全体の長期的な繁栄を支え切ることはできない。「強さ」は必ずしも「強靭性」を意味しないのだ。
今求められているのは、AIの価値を否定することではなく、「TSMC+(プラス)」という構想を全力で推進することである。この国を支える「護国神山(TSMCの代名詞)」を強力なプラットフォームへと進化させ、その資源を他産業へ波及させ、産業の高度化と社会的包摂性を実現しなければならない。AIの強大な力を一部の特権階級に留めるのではなく、台湾国民全体のチャンスへと昇華させる必要がある。
それはすなわち、AIの優位性を社会の下部構造へと浸透させ、「ニッチトップ企業」や伝統産業のスマート化を支援することだ。また、冷たいテクノロジーの島を、温かみがあり、文化と生活の質を兼ね備えたイノベーティブな故郷へと転換させることである。そして同時に、産業や背景を問わず、8割の台湾国民がAIのもたらす恩恵を実質的に共有できる仕組みを構築しなければならない。
資源の限られた小国が、厳しさを増す国際環境の中で生き残るためには、「焦点を絞った多元的発展」の道を歩むしかないことは、シンガポールやイスラエルがすでに証明している。
1987年のTSMC設立以来、台湾は過去40年にわたり「国家総動員」の体制でTSMCの奇跡を創り上げてきた。そして今、この奇跡を次の40年へと繋ぐために必要なのは、「スマートな分散」と「包摂的な成長」である。
我々が「AIがもたらす繁栄」に酔いしれるのをやめ、「AIを除いた後、台湾に何が残るのか」という現実に勇敢に立ち向かい、「TSMC+」の未来を全力で築き上げた時、台湾は初めてK字型の分断から脱却し、全国民が恩恵を分かち合う、世代を超えた持続可能な繁栄へと歩みを進めることができるのである。
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