出光丸がホルムズ海峡通過、名古屋へ 通行料なしで実現、イラン側は「真の友情」

2026年3月11日、ホルムズ海峡周辺に集結したタンカーや貨物船(写真/AP通信提供)
2026年3月11日、ホルムズ海峡周辺に集結したタンカーや貨物船(写真/AP通信提供)

日本メディアは28日夜、原油200万バレルを積載した大型原油タンカー「出光丸」がホルムズ海峡を通過したと一斉に報じた。米国・イスラエルとイランの激しい衝突により、ペルシャ湾が実質的に封鎖されてから2ヶ月。高市早苗政権による外交交渉の末、日本関連のタンカーとして初めての封鎖突破に成功し、重要なエネルギー資源を国内に運ぶ。

海峡通過数は95%激減 深刻化する海上の封鎖状況

日本放送協会(NHK)によると、米国とイスラエルの軍事行動開始直前にあたる2月27日には、1日あたり129隻の船舶がホルムズ海峡を通過していた。しかし、2ヶ月後の4月26日には通過数が約95.3%激減したという。

詳細な推移を見ると、2月28日は94隻、3月1日は26隻に減少し、3月3日にはわずか7隻まで落ち込んだ。『朝日新聞』も、今年3月の1日当たりの平均通過数はわずか6隻にとどまったと伝えている。

停滞する世界の物流と日本への影響

『朝日新聞』が引用した国際海事組織(IMO)のデータによれば、現在約2,000隻の船舶がペルシャ湾内に取り残され、2万人の船員が足止めされている状況だ。

国土交通省のデータによると、封鎖初期には日本関連の船舶45隻と日本人船員24名がペルシャ湾内に閉じ込められていた。その後、日本人船員8名が航空機で帰国したほか、商船三井とオマーン企業の共同保有によるLNG船やインド向けのLPG船2隻などは通過が許可されたが、これらは日本籍の船員が乗船しておらず、目的地も日本ではない船舶であった。

エネルギーサプライチェーン分断の緩和と残された課題

今回の「出光丸」の通過は、日本のエネルギー供給における「サプライチェーン分断」を実質的に緩和する初めての事例となる。しかし、日本船主協会の統計によれば、4月29日時点でも依然として41隻の日本関連船舶と13名の日本人船員が解放を待ち続けている。

日本船主協会の長澤仁志会長は、日本の海上輸送を担う全ての船員と船舶が一日も早く安全に脱出できるよう、継続的な支援を強く求めている。

通航料ゼロで実現した事態打開の真相

今回のホルムズ海峡突破は、いかにして成し遂げられたのか。NHKの報道によると、高市早苗首相は29日、SNSのX(旧ツイッター)にて、日本人船員3名が乗船する日本船が同日、ホルムズ海峡を無事に通過し日本へ向かったことを認めた。 (関連記事: イラン、ホルムズ海峡通航料の初回入金を主張 米制裁との間で海運各社が板挟み 関連記事をもっと読む

高市首相は、イランのペゼシュキアン大統領に対し、航行の自由と安全を確保すべきとの立場を自ら直接伝えたと言明。今回の通行許可を、日本国民の保護に向けた前向きな進展であるとの認識を示した。また、日本を含む全ての足止めされた船舶が安全に海峡を通過できるよう、今後もイラン側への働きかけを継続する方針を強調した。

今般、ペルシャ湾に滞留していた日本関係船舶1隻が、4月29日、ホルムズ海峡を無事通過し、ペルシャ湾外へ退避し、日本へ向けて航行していることを確認しました。
当該船舶には、3名の日本人乗組員が乗船しています。…

— 高市早苗 (@takaichi_sanae)April 29, 2026
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